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『週刊東洋経済』3月5日号-佐藤優氏「日本人は排外的なのに内部対立が激しく、ロシア山岳民族に近い」

2011-02-28 | 『週刊 東洋経済』より
今週の『週刊東洋経済』の特集は「鉄道最前線」。
データ盛り沢山で知識欲を満たしたい読者向けの内容です。
各路線の採算一覧はマニア垂涎の永久保存版ではないでしょうか。

マクロの輸出戦略や世界市場の現況など鋭い分析では
今週の『週刊エコノミスト』の方が例によって数段上でした。

序でに言えば東洋経済の巻頭コラムで出ている農業の「オランダ・モデル」も
エコノミスト誌の方に詳しいレポートがあります。





『週刊東洋経済』2011年 3/5号


 ↑ 内容を比較すると分かります ↓

『エコノミスト』2011年 3/8号


それでも東洋経済を取り上げるのは、
今週の佐藤優氏の連載コラム(P168)が余りにも面白かったためです。

氏によれば、日本人の国民性はロシアで言えば
チェチェン人などの山岳民族に似ており、
極めて排外的であり外に出て行った者にも冷淡である一方、
意外に内部での対立が激しく仲間割れしやすいものだとか。
すさまじく正確な観察だ。

今でも日本の中下層労働者向けの新聞や週刊誌は
政治関連では権力闘争の話か政治家個人への罵詈雑言しか書かないが、
それは国民性に根ざした適確な対処だった訳ですね。

(勿論、公明正大に政策を論じる力量に欠けることもあるでしょうが)

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊エコノミスト』の鉄道特集に関しても
触れておきたいと思います。

『エコノミスト』2011年 3/8号


P36のビッグ3(シーメンス・ボンパルディア・アルストム)の動向に注目です。
日本の強敵はフルターンキーのパッケージで売り込んでいるようです。
くれぐれも薄利での貧乏受注ばかりにならないよう
向こうのビジネスモデルの研究も必要でしょう。

強い部品を中核としたシマノやインテル型の戦略も考えられると思う。

▽ 因みに大前氏は日本の私鉄のシステムをパッケージで売れと主張。





『お金の流れが変わった!』(大前研一,PHP研究所)


他には後半のトラム(路面電車)の記事、
東大の川島博之准教授による「日本はオランダ型農業輸出国になれる」
(P97)もかなりお薦めです。

…私はTPPだけにこだわる論者は視野狭窄だと思いますが。

P46の「〈見えない〉まま増えていく孤独な若者ホームレスたち」も
かなり質の高いルポです。

「ホームレスになったのは自分の責任だから」と言って
致死量の薬を常に持ち歩いている誇り高い若者に、
社会が手を差し伸べることなどできるのだろうか、と考え込んだ。

「弱者を救う」という言葉は余りにも思い上がった無礼な言葉なのだろう。
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