みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

バーナンキの警告に耳を傾けない経済財政白書 -「日本の労働力は過去10年間減り続けてきた」

2010-08-10 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
国内メディアは、生産年齢人口の減少と高齢化の同時進行が
いかに破壊的で恐ろしいものが、全然分かっていません。

日本経済新聞だけは漸く最近取り上げるようになってきましたが、
それでも強力な対策がすぐに必要との危機感はまだありません。

キッシンジャーやアタリは少子化こそ日本の最大の問題であると
既に見抜いて警告しています。
最近ではバーナンキも日本の生産年齢人口減少の問題を指摘しているのに、
賢人の言葉が耳に入らない愚鈍ぶりには驚かされます。


▽ 漸く最近になって問題の本質が指摘されるようになった。





『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』(藻谷浩介,角川グループパブリッシング)


我々は3つの強力な対策に今すぐ踏み込まなければなりません。
社会保障既得権を徹底削減して少子化対策に投入すること、
育児・介護関連雇用を増加させて女性の労働力率を引き上げること、
高度人材を海外から受け入れる移民政策を開始すること。
(併せて海外企業の進出に対し法人税を一定期間引き下げると良い)

90年代までの成功体験で傲慢になり、
問題を直視せず既得権にしがみつく国民に未来はありません。


今年も飛び交う「日本みたいになるぞ」報道(goo)
http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/business/newsengw-20100727-01.html

”『ロサンゼルス・タイムズ』も、「あの国の経済成長を10年以上にわたって台無しに
 した、その同じワナに、アメリカはじりじりと近づいているのではないか。エコノミ
 ストたちはそう心配している」と書きます。「あの国」とはもちろん、日本のことで
 す。
 米政府が23日に、過去最悪の財政赤字予想を発表した。それを機に、財政緊縮か景気
 刺激という名の支出増か、議論が再燃している。しかしアメリカはむしろ別の問題に
 ジリジリと近づきつつあるのではないか。つまり「日本の成長と前進を10年以上も妨
 げたのと同じようなデフレ・トラップ」にアメリカも引き寄せられつつあるのではな
 いかと。
 いわく、アメリカの最新経済統計は「深刻な(sobering)」なものだと。消費者物価
 は3カ月連続で下落し、コアインフレ率も44年で最低の0.9%に(米連邦準備制度理事
 会(FRB)のインフレ期待値は1.5-2%)。にもかかわらずFRBのバーナンキ議長は21
 日の議会証言で、当面のデフレ懸念を否定し、仮にデフレになったとしても打つ手は
 あると余裕の構えだと、記事は批判的です。
 バーナンキ議長は議会で、「アメリカの経済は日本経済よりも旺盛で生産性が高い。
 日本の労働力は過去10年間ほぼずっと減退してきたが、アメリカの労働人口は減って
 いない
。日本では金融業界の問題に手を打つのが遅かったが、アメリカはそうではな
 い」と証言しました。
 これについて記事は、確かに日本の金融当局の対応はアメリカに比べて後手後手だっ
 たし、確かに日本の場合は高齢化や、硬直化した経済・政治体制の影響があるが、し
 かしそれとは別に、アメリカの最近の景気低迷には日本と共通点がいくつかある、高
 い失業率と過剰債務を抱えるアメリカは消費者支出が低迷することになり、よって
 「like Japan (日本のように)」、長い成長停滞の時代に突入しているのかもしれ
 ないと指摘します。〔以下略〕”

 → 正確には「労働力の減少」より「生産年齢人口の減少」ですが
   大手メディアはこの点を殆ど取り上げていません。
   (目が開いていても見えない訳です)
   日本はこれだけコケにされても何も行動しないつもりでしょうか。


需要不足 異例の20年 経済財政白書 失業率2%押し上げ(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100723/fnc1007231109007-n1.htm

”荒井聡経済財政担当相は23日の閣議に、平成22年度の年次経済財政報告(経済財
 政白書)を提出した。白書では日本が主要先進国唯一のデフレに陥った背景として、
 約20年前のバブル崩壊がもたらした慢性的な需要不足があったことを指摘。
 一昨年秋のリーマン・ショックという急激な物価下落圧力が加わり、政府は昨年11
 月に「デフレ宣言」に踏み切ったが、それ以前から日本経済が“デフレ予備軍”だっ
 たとの見解を示した。
 白書によると、経済全体の需要と供給の差を示す需給ギャップが20年間もマイナス
 基調で続いているのは、経済協力開発機構(OECD)加盟国では日本だけ
。この間、
 市場のマネーストック(通貨供給量)の増加量は低水準で推移し、消費者物価もほぼ
 横ばい状態が続いており、白書は「わが国は構造的なデフレ体質」にあると指摘して
 いる。
 その原因として、バブル崩壊後に金融機関が抱える不良債権の処理に手間取ったこと
 が資金の流れを滞らせたことや、将来の物価下落を予想する見方が支配的となったこ
 とも成長やデフレ脱却の足かせになったと推測する

 需要不足は失業率を2%程度押し上げていると推計。介護や医療、環境などの成長分
 野で新たな産業と雇用を作り、持続的な物価の下落傾向を解消しなければ、力強い経
 済成長は望みにくいと結論づけている。
 一方で白書は消費者の「デフレ慣れ」にも言及。物価が将来下がると予想すれば消費
 者は家電など耐久消費財の購入を先延ばしにする傾向があるが、この傾向は最近の方
 が約10年前より小さくなっていた。白書を作成した内閣府は「デフレ予想が消費の
 意思決定に与える影響が低くなってきた」としている。
  【用語解説】経済財政白書
 内閣府が年1回まとめる報告書で、経済、財政の分析や政策提言を盛り込む。正式名
 称は年次経済財政報告。昭和22年度から発行されてきた前身の経済白書は「もはや
 戦後ではない」(同31年度)など名文句を残した。省庁再編に伴い、小泉政権下の
 平成13年度に現在の名称に変更。21年度は、余剰人員である「企業内失業者」な
 どを取り上げた。”

 → このデフレの説明は間違いだ。
   失われた10年の説明にはなっても、
   2000年代の停滞を説明していない。
   一度、生産年齢人口減少の負のインパクトを計算してはどうか。

   また、失われた20年の間も家計金融資産が増加し続けてきた
   という不都合な事実をなぜ直視できないのか。


消費拡大、主役は高齢者 10年度の経済財政白書(共同通信)
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/business/CO2010072301000763.html

”内閣府が23日発表した10年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は、需要不足
 による「構造的なデフレ」からの脱却に欠かせない個人消費の拡大には、高齢者が主
 役になるべきと訴えた。60歳以上の就業率引き上げや、70歳以上の支出を引き出
 す工夫が鍵と指摘。03年以降、34歳以下と35~59歳の世帯は個人消費の増加
 にほとんど貢献していないが、60歳以上は消費全体を押し上げていると分析。”

全く理解不能な分析で、まさに「王様は裸だ」の状態です。
自己洗脳も甚だしい。

「現役層から高齢層へ過度の所得移転が行われている」
という不都合な事実をなぜ書かないのでしょうか。
日本の社会保障財政が赤字になっていて、
多額の税が投入されているのがその証拠です。

低成長にも関わらず増加した金融資産1400兆円の殆どを占有しているのだから、
既得権を持つ富裕高齢層から徴税すればいいだけの話。

大体、真の社会的弱者であれば消費など増やせる筈がない。
頭がどうかしているのではないだろうか。
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