みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』8月10日号-クレディ・スイスの白川浩道氏「富裕高齢層から若年層へ所得移転を」

2010-08-02 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「増税で成長のカラクリ」でした。

P34の「富裕層の過剰貯蓄に課税して経済を活性化させる」と題した
クレディスイス証券・白川浩道氏の論考が何と言っても素晴らしい。

2006年まで一貫して日本の家計金融資産が増えていること、
その巨額の金融資産は50代より上の高所得層に占有されていること、
ひと目で分かる図表付きです。

日本の場合、この社会への貢献度の低い相当数の人々や
「失われた20年」の責任を負うべき人々が
多額の金融資産を積み上げているのが問題なのです。

(議員、高級官僚、外郭団体、地方自治体幹部の一部は確実に該当する)

ただ課税よりも先に公的年金控除・医療負担・退職金課税優遇の
「三つの巨大既得権」を撤廃する方が政治的に容易と思います。

『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/publish/magazine.html

それと比較すると神野直彦教授の論は
具体的な内容に乏しく、失望させられました。
日本の既得権まみれの社会保障制度の実態も
殆ど理解されていないものと思われます。

北欧は徹底的な情報公開社会であり、
その合理性至上主義は日本人には耐えられないと思いますが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

P72の「エコノミスト・リポート」が見逃せません。
毎日新聞の野沢和弘論説委員の執筆で、
企業で静かに広がる障害者雇用の現状を伝えています。

障害者を積極的に雇用している企業では、
「やる気の向上」「社員が会社に誇りを感じる」
といった望ましい効果が見られるそうです!

    ◇     ◇     ◇     ◇

P100のシリーズ「需要大国」は竜頭蛇尾でした。
効率的な福祉国家を実現した北欧諸国の経済の強さを知りたかったのだが。
結論部の踏み込みが浅いと思う。

▽ こちらの方が参考になる。





『スウェーデンはなぜ強いのか』(北岡孝義,PHP研究所)


「大きな政府」か「小さな政府」かどうかは、
実は明確な経済成長率との相関性を持っていないそうです。
(つまり、大きな政府でも成長率の高い国があるということ)

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』はLCC(格安航空)特集。
時宜を得た面白い記事です。





『週刊東洋経済』2010年 8/7号


私は航空機を好まないので走り読みだけでしたが、
(鉄道より機内環境がよくないし、景色が単調過ぎる)
サブ特集として鉄道も取り上げられていました。

輸出産業としての現状も分かり興味深いです。

ただ東洋経済の癖として、ビッグピクチャーがない。
日本の鉄道産業は世界市場の中でどのような位置にあるのか、
今後有望な分野は何か、どれ程の伸びを見込めるのか。
何故ドイツの鉄道産業は輸出を伸ばせたのか。

次の特集では是非もう一歩踏み込んで欲しいところ。
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