あまり眠れないまま6時半起床。昨夜雨。久々の雨。朝の冷え込みはずいぶんまし。
太陽礼拝、白湯、みかん、ナッツ、パン。
7時半過ぎ家をでる。滋賀県で仕事。
松ヶ崎から地下鉄で京都へ、JR琵琶湖線で近江八幡下車、さらに近江鉄道というローカル線に乗り換えて八日市という駅に向かう。この電車は本数が少ないので一本逃すと次がなかなか来ない。5年くらい前にここの仕事が来たときに電車を逃した。焦って近江八幡から八日市までの距離を知らずにタクシーを使ったら9000円くらいかかったうえに次の電車を待った方が早かったという失敗をやらかした。
京都駅は通勤時刻だけ新快速の着くホームが変則的で、琵琶湖線も朝は北陸に向かう特急のホームに入る。知らないので毎朝の慣れた通勤導線を移動する人たちの間を縫って、朝の時間に慣れない体が右往左往する。それで前回は乗るつもりの電車に乗れなかったのだ。今日は用心して早めに出て、無事近江鉄道に乗ることができた。
隣に座った50代くらいの出張サラリーマンふたり組はなんかほっとする電車やなあ、日曜日のテレビのぶらっとナントカ旅みたいやなと話している。トヨタとかホンダとか言っていたので自動車関連の仕事らしい。あとは常に部下の誰かを怒っていないと気が済まない上司の気質と対処法についてなど。
風景はほぼ休憩中の田んぼ。近江と言えば近江米、米どころなのだ。あと近江牛、近江住宅。
八日市に着く。駅までデッサン会のメンバーの人が迎えに来てくれることになっていた。迎えに来る人とは初対面なので、前日確認の電話で特徴を聞かれた時にカラフルなカバンを持っていると伝えておいたら見つけてくれた。
10時にポーズ開始。缶コーヒーが効いたのか思ったより頭は冴えている。窓の外に見える街路樹に視点を定めていた。木の葉がざわついている。今日は風が強い。
12時昼休憩。お弁当付きだった。地元の農家の方が野菜等を売る市場の手作り弁当で、蓋のところに製造者の名前が書いてあった。煮物、ひじき、豚の生姜焼き風、かき揚げ、卵焼きなどのおかずが少しづつとごはんは黒米、白米、炊き込みの3種類詰まっている。おかずの味付けはどれも甘みが強い。デッサン会の参加者はほぼ60代後半の男性で、その人たちと机をかこんでお弁当を食べる。たまたま隣に座った人はここに来てる人は大体もう定年退職しているが、自分は仕事を辞めてからまた起業した、いわゆるベンチャー企業ゆうやつやと仕事のことを話してくれた。製造業だと言うのでなんの仕事かくわしく聞いてみるとネジを作る仕事ということだった。ネジにはまだ開発の余地があったのか。弛まないネジを開発しているそうで、これは絶対に需要があり、大企業相手に仕事ができておもしろいそうだ。開発したものが売れたときはいつもペテン師になった気がするとも言っていた。弛まないネジは溝に秘密があるんですかと尋ねるとええとこ突くねと言っていた。
お弁当は少し多くておかずはやはり甘かったが、特徴的な甘さが作った人のあることを思わせて残すのがなんとなく気が引けて全部食べた。
お腹がいっぱいになった後はやはり眠気に襲われる。まずいと思って休憩中に缶コーヒーを買いに行く。1日に缶コーヒー2本も飲みたくないが眠気覚ましが他にない。
矢川澄子の『兎と呼ばれた女』読み終える。体があることの困難、共感と反感を同時に覚える。この人の随筆をものすごく読みたいが絶版になっているものがほとんどのようだ。そして矢川澄子が傍らにあり最良の頃に編まれたという澁澤龍彦の『夢の宇宙誌 コスモグラフィアファンタスティカ』を手に取るタイミングがやってきた。今までに何度かすれ違ってきた本だった。そしてこの本を開いたところで天使に出会う導線らしい。こういうふうにたぐり寄せられていく出会いにふつふつと興奮する。読書家にはなれないし怠惰なのだからせめて必然的読書くらいは。
帰りに京都駅でタイカレーのセットとキャンベルのパンプキンスープを買う。
夕食、塩とオレガノ等を擦り込み冷蔵庫で数日寝かせた豚モモ塊の表面を焼いて野菜と共に蒸し煮。あとトマト、パンプキンスープ。