大寒の 琴糸kotoitoにふれ 梅咲きぬ
馬糞 Bafun
冷気がぴんと張った寒い季節に、その琴線にふれて梅
の花は咲く。
ああ、なんて高貴な香りだろうか。
【 三種の貧乏 】
この世の試練で最も辛いのは貧乏ではないだろうか。
その貧乏にも人は慣れ親しむのであるが、周りが豊か
であると、格差としての貧乏が惨めで辛く思えるのであ
る。
だからといって、その惨めさは豊かな人たちが悪いの
ではない。
むしろ、豊かな人々が貧乏を少なくしている働き手で
あるのだ。
ところが、貧乏が少なくなると、いっそう貧乏が惨め
になる。
「格差」を問題にする考え方は、嫉妬に他ならない。
問題は、貧乏をどう克服するかである。
克服されるべき貧乏は、人生の問題集として用意され
ている。
国家政策として解決されなければならないのではない。
貧乏には三種類がある。
最悪、最下層は、妬み、逆恨み、失望、堕落というス
ラム化の貧乏である。
弱い貧乏人はホームレスのように堕落し、強い貧乏人は
逆恨みして犯罪者になる。
二番目はやせ我慢とも言うべき「清貧」というツッパ
リの貧乏である。
「いや、私は貧乏が好きで貧乏しているんですよ。こ
れは哲学なんです」という額縁入りの貧乏というべきか。
三番目は、夢を実現するための磨き粉のような貧乏で
ある。
早春というべき貧乏である。
お金がないからできないとは言わない。
貧乏だからこそ先行投資をする積極性を持っている。
結果としての貧乏ではない。
豊かになるための貧乏なのである。
早春の花は、三番目の貧乏に咲く。
この花も あの花も咲き 白梅の
冷たき枝に 香りたちたり
馬草 Magusa
真冬の冷たい枝に香りたつ梅の花のように貧乏に咲く
若い人たちのことを思うと、 心がうきうきとする思いで
す。
若いときから、手段を選ばず贅沢をしている人もいま
すが、それをすばらしいことのようには思えません。
若いときの苦労は買ってでもせよ、というほどに、青
春の貧乏時代は価値のあることだということでしょう。
現代は欝に陥る人が多い時代だといわれます。
情報洪水のように、悩みが押し寄せているのでしょう
か。
しかし、悩みと思えることを一つ一つ整理してゆくと、
意外とシンプルに解決すべき課題が見えてくるのではな
いでしょうか。
本当の悩みとは、努力して解決できる問題です。
それ以外の問題は、問題解決の条件であって、悩みで
はないはずです。
中間管理職の板ばさみの悩みとか言いますが、矛盾す
る両極にいい顔をしようとするから矛盾するのです。
志があれば、上を押し上げ、下を牽引することもでき
るでしょう。
悩みと思わず、志という原点に返って努力すれば、必
ず道は開けるはずです。
どうか、尊い志を持って、新しい時代を切り開く勇気
を発揮してください。
馬草 Magusa
2006年リバイバル(神とともに住む日本アニミズムの再評価)
⇒ http://blog.goo.ne.jp/fds31/e/9a475603e22003b9e4d55ef3957f0fdc