吹くたびに 淡雪散らし 残り梅
馬糞 Bafun
彼岸もあけ、東京に続き博多でも開花宣言が出された。
その一週間も前に、博多桜は咲いていたのだが、にぎやかな花
の季節になった。
今年は梅の花が長持ちだった。
とはいえ、風が吹くたびに白雪のように花吹雪する。
梅は一足先に新緑の季節に入るのである。
常緑の繁みの中では、みかんで育ったメジロやうぐいすの雛が
育っていることだろう。
いよいよ、新生し、繁栄する春である。
【理想の共有、役割の分担、責任の独立】
新社会人や新入学生たちが、あらたな人間関係の中に入って
ゆく。
緊張と期待の新たな人生である。
人は一人では生きていない。
自分とは無限に連鎖する役割を持った人間関係として存在して
いる。
これは、愛の原理であり、勇気の原理であり、希望の原理である。
これは、自分を理解し、人間関係を調整する鍵となり、さらに発
展を生み出す力となるであろう。
自分という完結した存在はない。
空気がなくては生きてゆけないように、他人と言う存在なくして
は自分もまたないのである。
孤独と言うのは、愛という人間関係を求めている自意識であろう。
人は、自分と言う意思を任されていはいるが、人類と言う生命の
宇宙を形成し、不可分一体に生きている。
一人一人が星のようでありながら、星団をつくり、星雲をつくっ
ている。
人類をつないでいるもの、それが、愛である。
愛は、心を一つにできる理想を描き、役割を分担する。
しかし、さらに重要なことは、愛を見失って罪を犯したとき、その
責任は、それぞれの責任として独立であると言うことだ。
他人の罪は、一人では生きていないという人間関係の引力の範
囲で、自分の罪でもある。
他人の罪を裁くのは、その他人の責任である。
責任の独立もまた、人類をつなぐ愛である。
許しの愛というのは、人類をつなぐ愛の中でも、きわめて高度の
ものである。
人間は、人間関係という愛に生きている存在なのだ。
愛と智慧を持って、クリエイティブな人生を生きてゆけ!
梅士 Baishi