紫の 菖蒲の風に 下駄を履き
馬糞 Bafun
菖蒲の紫を見たくなって、宮地嶽神社を目指した。
JR福間駅から下駄で30分ほどのところにある。
宮地嶽神社は神宮皇后ゆかりの宮でもある。
その奥に、菖蒲田がある。
空梅雨に乾きながらも、今を盛りに咲いていた。
一つ一つの紫も美しく、
一群の花紫も美しく、
全景の、曼荼羅の紫もまた、美しかった。
濃い緑から立ち上がる古の紫・・・
歴史のロマンを感じさせる美しさである。
源氏物語のような・・・
江戸の屏風絵のような・・・
武家の小さな庭に凛と咲いているような・・・
【TOB対策・・・ 所有と経営の分離】
営々と築き上げてきた企業が、株式大量買付けによって経営権
まで巻き上げられ、あるいは、それをネタに株価を一時的に高騰
させて株式売却益を得ようとする投資ファンドの餌食となりつつ
ある。
TBSが楽天に買収されるのは悪くはないが、やはり理不尽さを
感じる。
本来、契約によるべきであろう事柄が、一方的に進められるの
は、契約社会にあってはならないことだからである。
企業の経営は株主がするものではない。所有と経営の分離に
よって、平たく言えば、投資と経営の分離によって、お互いに安心
して投資益が得られるようにしたのが株式制度であり、それが今
日の株式会社の繁栄を実現してきたといえる。
ところが、企業買収ファンドの登場によって、企業買収対抗策が
必要となり、結局は株式の非公開に踏み切らざるをえなくなる。
これでは、資金調達のための株式制度としては頓挫したといわ
ざるを得ない。
株式制度の「投資と経営の分離」を巡る抜本的な見直しが迫られ
ている。
方法としては、三つある。
1. 会社はいわば国家のようなものであるが、株主は国民の
ようではない。
帰属意識も忠誠もない。
これに参政権を与えるのでは国家たり得ない。
企業権力は従業員のものという考えである。
したがって、経営権、役員選出権は従業員によらせるべきで、
株主の議決権は認めない。
コーポレートガバナンスには、株主は関与できないことになる。
2. 企業買収の実質を持ちうる一定割合以上の議決権株式取
得をするには、会社および従業員の同意を要する。
同意が得られない場合は、一定割合を超える株式については
議決権を行使し得ない。
3. 議決権付き株式を特殊株式と考え、これについては、従業
員持ち株制など、譲渡制限等を別途定める。
一般市場で取引する株式については、無議決株に統一する。
但し、株主が適切な危機管理ができるよう、株主にIDを与えて
インターネットによる情報開示、報告、株主意見とそれへの回答
公開等の義務を重く課すなどの手当てが充実されるべきである。
先日、ソニー中村研究所社長の中村末広氏のお話を伺う機会を
得た。
氏の著作「経営は1・10・100」(日本経済新聞社刊)は、ソニー
の創業精神の魅力と健在をあらためて実感させるものだった。
その、世界に愛されているソニーを作っているのはファンドではな
い。
株主ではない。
歴代の経営者であり従業員である。
トヨタもまた同じである。
株式制度を再構築するに当たって、肝に銘じるべき事実であると
思う。
Bafun