ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

HOME 愛しの座敷わらし

2012-04-25 23:27:03 | は行

ほわ~んとほのぼのも、悪くないです。


「HOME 愛しの座敷わらし」70点★★★★



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サラリーマンの父・晃一(水谷豊)の転勤で
岩手県、遠野に引っ越してきた高橋家。

憧れの古民家暮らしを勝手に決めて、
ウキウキの晃一だが、

妻・史子(安田成美)と中3の梓美(橋本愛)は
初めての田舎暮らしに不安&不満顔。

喜んでいるのは小学生の智也(濱田龍臣)
晃一の母(草笛光子)だった。

そんなある日、
智也は家の裏の祠で
着物姿の小さな子に出会う。

それはこの地方では有名な「座敷わらし」だった――。

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お互いを思いやりつつも、
あらたまって言葉にすることもなく、

そのうちにビミョーにすれ違い、
時にぶつかってしまう。

そんな
どこにでもありそうな家族の再生を
のびのびとユーモラスに描いた作品です。


ほのぼのとしつつも
きちんと筋が通っており、

座敷わらしについても、その悲しい由来にさらり触れるなど、
雰囲気だけのご当地ムービーとは一線を画すのは

原作、荻原浩氏の持ち味もあるのでしょう。


キャラが非常に立っていて、

水谷豊氏のほんわか&愛嬌あるサラリーマンお父さん役には
思わず微笑んでしまうし、

安田成美氏もほんのり美しく
濱田岳くんもかわいらしい。

なにより家族全員のハーモニーが、
うまく合っている。

そして遠野の夏から秋の風景が、実に美しいです。


草笛さんのボケ話は余分な気もしますが、
舞台となる茅葺きの古民家をはじめ、美術も小道具もセンスがいい。

この美術センスは、いまどきのカフェ系ではなく
『サライ』くらいの渋い大人にも
おすすめですね。


★4/28(土)から全国で公開。

「HOME 愛しの座敷わらし」公式サイト


映画の役柄が素敵だったので、
ぜひにとお願いしまして
今週発売の「週刊朝日」(5/4-11合併号)の「人生に乾杯!」で
水谷豊さんにインタビューをさせていただきました。

ご本人も、とても気を配ってくださる
すてきな方。

うちの母なんか、完全に
水谷さん=右京さんと思い混んでるクチなんで(笑)

ウケてくれました。

ぜひご一読くださいませ♪
コメント (2)
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