シャネルの伝記映画は
けっこう観てきた気がするけど
知らなかったことが明らかにされてたなー。
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「ココ・シャネル 時代と闘った女」71点★★★★
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言わずと知れた、ココ・シャネルの人生を
新たな事実ともに描くドキュメンタリーです。
55分とコンパクトなのですが
これが思った以上に、見応えアリ。
いままで3本ほどシャネルの伝記映画を観た気がするのですが
(シャーリー・マクレーンがシャネルを演じた
「ココ・シャネル」(08年)
そして
かな)
しかし、この映画では
知らなかったことがかなり明らかにされていたと思う。
というのも、本作は
これまでの伝記映画や物語を一新する
「沈黙の謎が確証をもって、暴かれた」
2011年以後の彼女への研究を経て、描かれたものだそう(プレス資料より)
なるほど、たしかに、これまでのはみんな2011年前の映画だわ・・・。
その「知られざる~」な部分もポイントですが
映画のつくりも
ドキュメンタリーの定番たる
関係者の顔出しのインタビューの羅列ではなく
様々な過去映像や映画のシーンを
リズミカルに紡いでゆくスタイルで
退屈させず、いい。
1883年にフランス南西部に生まれた彼女が
孤児→修道院、としていた経歴も「?」だったり
シャネルを築き上げた彼女の鋭角的なデザインセンスが
修道院の建物に影響されていたりとか
そして
あのシャネルのロゴマークにも、
修道院にモチーフがあったとかわかり
いろいろびっくりします。
それに
気性の激しい人であったことは
これまでの映画でも描かれていたけれど
パーティでライバルのデザイナーをダンスに誘い
彼女のドレスをロウソクの火に近づけて燃やした――とか
どんだけ?!な驚きが(苦笑)
そして「戦争」も、今回の大きなテーマ。
1940年、すでにブランドを築き上げていた57歳の彼女が
第二次大戦をどう生き延びたのか。
そこには今まで知られざる10年の沈黙があった――という部分が
本作の目玉ですね。
なにより
「過去の人」とされつつあった71歳で
あのシャネルスーツを生み出したのか――!とあらためて知り
恐れ入りました。
ココ・シャネルといえば
その強く凜としたキャラで
破天荒ながら「窮屈なドレスから女性を解放した旗手、女性の味方」
というイメージだったのですが
実は1930年代、お針子女性たちによる
「労働改善」の要求ストに激怒して
全員を解雇した、とか
人種や階級への差別意識を隠そうともしないキャラだった、とかが証言されて
やや複雑な気分に。
それでも彼女が紛れもなく
ファッション界の偉人であり
女性の立ち位置に大きな影響を与えた先駆者であることに、かわりない。
しかし、どんなに名声や財産を手に入れても
彼女は、満足しなかった、ということも
よくわかった。
何かを渇望し、仕事をし続けた。
その原動力は、どこにあったのだろう。
それはやっぱり「怒り」だったのかなと
思ったりするのでした。
★7/23(金・祝日)からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開。