ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

2018年ベスト映画発表!

2018-12-29 23:13:53 | ぽつったー(ぽつおのつぶやき)

 

さあ、今年も押し迫ってまいりました!

年末恒例、

ぽつお番長的2018年ベスト映画を発表いたします~!

 

今年は劇映画(フィクション)部門とドキュメンタリー部門に分けてみました。

 

まずは劇映画(フィクション)部門から!

(1位)君の名前で僕を呼んで

(2位)ザ・スクエア 思いやりの聖域

(3位)シシリアン・ゴースト・ストーリー

(4位)スリー・ビルボード

(5位)ハッピーエンド

(6位)ラブレス

(7位)聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

(8位)若い女

(9位)心と体と

(10位)パティ・ケイク$

<次点>

バッド・ジーニアス

最初で最後のキス

ア・ゴースト・ストーリー

万引き家族

ナチュラルウーマン

母という名の女

きみの鳥はうたえる

生きてるだけで、愛。

悲しみに、こんにちは

ウインド・リバー

妻の愛、娘の時

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

 

続いてドキュメンタリー部門!

(1位)愛と法

(2位)祝福~オラとニコデムの家~

(3位)ゲッベルスと私

(4位)ぼけますから、よろしくお願いいします。

(5位)顔たち、ところどころ

(6位)ラッカは静かに虐殺されている

(7位)旅するダンボール

(8位)港町

(9位)フジコ・ヘミングの時間

(10位)ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

 

いつもながら、思い返して「グッ」ときたものが上位でございます。

まあ

今年の1位は両部門ともに、スパッと決まってました(笑)

上位もほぼ迷いなく。

 

2018年の傾向は大きく3つに分かれ

1)胸キュン&イタリア映画、ゴースト映画が強かった!

2)イヤ~なんだけど、おもしろい、現代を映す映画がキタ!

3)邦画はパーソナルな問題から、大きく世を考えさせる良質なドキュメンタリー&劇映画が多かった!

 

てな感じです。

年末年始、映画選びのご参考にしていただければ幸いでございます。

 

今年も読んでいただき、ありがとうございました。

2019年もぽつお番長と映画たちを、どうぞよろしくお願いいたします!

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ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス

2018-12-29 00:06:57 | あ行

77歳! 最強デザイナーのドキュメンタリー。

 

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「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」72点★★★★

 

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いやあ

このポスタービジュアル、

マジで最初、ニコール・キッドマンかと思った(笑)

 

もちろんブランド名は知ってはいましたけど

本人、こんなに美人な人だったんだ!

しかも、こんなに「社会活動家」だったんだ!

驚かされっぱなしのドキュメンタリーでした。

 

 

冒頭、不機嫌そうな白髪の彼女が登場し、

「過去の話は退屈だわ」――とピシャリ。

ぐわ~!それだけで、グッとつかまれる~!(笑)

 

小柄だけど、77歳にしてホント美人だし、

迫力あってエネルギッシュなんですよね。

 

続いて写るのが

え? これが夫?  めちゃくちゃ若いんですけど?――

と、記事で言えば、掴みのリード部分が実にうまいんです。

 

で、そこから彼女の功績&現在進行形のヒストリーが

編まれていく。

 

21歳で最初の結婚をし、子を授かるも

「私は、まだまだ、こんなもんじゃない」と3年で離婚。

ロンドンにブティックをオープンし、

そしてパンク・ムーブメントを生み出し――と、

その「すごい人生」が、明らかになっていく。

 

でも、彼女のとんがった人となり同様、

映画も時系列に進みそうで、微妙に前後したり

 

整い過ぎず、しかし混乱しないバランスで、うまくまとめられている。

 

相当な腕利きによる、ドキュメンタリーだと思います。

 

しかし、ご本人は仕事もバリバリ現役で

めちゃくちゃ元気そうなんですが

会社の内実は大丈夫なんか?と少々心配に(苦笑)

そのあたりが赤裸々なのも、またパンクというか!

 

でも環境活動に関して拳をあげる

アグレッシブな姿勢といい

素晴らしき、人生のパイセン!と心強くなるのでした。

 

★12/28(金)から角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国で公開。

「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」公式サイト

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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018-12-28 23:58:49 | か行

大泉洋氏、すごい。

この不遜とチャーミングの両立は彼にしかできない。

 

「こんな夜更けにバナナかよ」73点★★★★

 

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1994年、北海道・札幌市。

34歳の鹿野靖明(大泉洋)は

幼少期に筋ジストロフィーという難病を患い

いま動かせるのは首と手だけ。

 

人の助けなしには生きていけないのに、

彼はわがままで、ずうずうしく、まあよくしゃべる!(笑)

そして

周りには、なぜか彼をケアするスタッフが絶えないのだ。

 

そんなある日。

たまたま鹿野の家に居合わせた美咲(高畑充希)は

鹿野に夜中に「バナナが食べたい!」と買い出しに行かされ、

そのもろもろの無茶ぶりにあきれかえる。

「障がい者って、そんなにエライの?」

思わず、キレた美咲だったが――?!

 

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ほへえ、大泉洋氏、すごいじゃん!大きくはぜたなあ!と、

いえ、決して上から目線ではなく

本当に感心しました。

 

主人公である鹿野さんは

人の助けなしに生きられないのに、傍若無人(笑)

彼のあまりの不遜さ、人使いの荒さに、

最初は、観客も違和感を持つと思う。

 

でも、そこで

「ねえ?あんた、何様?障害者ってそんなにエラいの?」と、

キレてくれる高畑充希氏の存在が、すごく効いているんですよ。

微妙な心持ちの観客の気持ちを

カキーン!と、場外にかっ飛ばしてくれる。

 

で、そんな彼女が、鹿野さんと関わることで

彼の魅力が観客にも理解され、

観客もなぜ彼が「わがまま」にしてるのかを理解していく。

障がいがあるからといって「すみません、迷惑かけて」というだけで生きていくのは

ナンセンスじゃないか?!

 

鹿野さんの訴えたかったことは

現代では、かなりスタンダードになりつつあることで

それを90年代に訴えていた、その意義の大きさに唸ってしまいました。

 

で、それを観客に納得させてくれたのは

やっぱり大泉洋氏だなと。

 

不遜だけど、ひとたらし。タブーと良心のギリギリのバランス。

 

この絶妙な振り子を持つのは、

たしかに大泉洋氏にしか、できなかっただろうな、と思いました。

 

 

「いい話」を超えた、一粒があり
ちょっと

フランス映画「最強のふたり」みたいでもありました。

 

★12/28(金)から全国で公開。

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」公式サイト

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バスキア、10代最後のとき

2018-12-24 00:33:52 | は行

サラ・ドライバー監督(ジム・ジャームッシュのパートナーね)が

撮ったドキュメンタリー。

 

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「バスキア、10代最後のとき」69点★★★★

 

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アンディ・ウォーホルにもインスピレーションを与え、

1980年代NYアートシーンの寵児だった

ジャン=ミシェル・バスキア。

 

88年にわずか27歳で亡くなった彼の人生は

1996年のジュリアン・シュナーベル監督の「バスキア」、

そして

2010年のドキュメンタリー映画

「バスキアのすべて」

でも描かれてきましたが、

 

今回はサラ・ドライバー監督が

彼の10代に焦点を当てて

当時を知る人々の証言で綴ったドキュメンタリーです。

 

バスキアというアーティストを写してはいるけれど

映るのは、あの時代、あのNYの空気。

 

1978年、荒廃し、無法地帯だったニューヨークの街を

まず感じることで

そのなかで頭角を現していった

か細く、繊細で、才能に溢れ、かつ、しっかり自己顕示欲もある(笑)

多感な少年バスキアが「いかに、彼になっていったか」が描かれる。

 

当時の彼を写した写真もたっぷりだし

当時の彼を、NYを知る人々の言葉は、貴重でおもしろいんです。

 

でもね、

「世に認められるまでにフォーカスする」と決めたら

ズバッとそこで終わる!というような、このキッパリさ(笑)。

 

筋通してて、いいんです。

いいんですが、

もうちょっと有名になったあとの作品も見たかったかな~とか。

はい、野暮ですね。失礼しました!

 

★12/22(土)からYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

「バスキア、10代最後のとき」公式サイト

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シュガー・ラッシュ:オンライン

2018-12-23 23:50:37 | さ行

白雪姫からモアナまで

プリンセス大集合のキラキラには大人も抗えまい(笑)

 

「シュガー・ラッシュ:オンライン」69点★★★★

 

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とあるゲームセンターにある

レースゲーム「シュガー・ラッシュ」のレーサー、ヴァネロペと

ドンキー・コングみたいなゲームの悪役ラフルは

自身のゲームを超えた冒険と交流で、いまや親友同士になった。

 

そんな、ある日

「シュガー・ラッシュ」を操作するハンドルが壊れて

ゲーム自体が廃棄の危機に陥る。

そうなるとヴァネロペも消えてしまう!

 

困った二人は

「インターネットの世界で、古いゲームの部品も手に入る」ことを知り、

なんとかハンドルを手に入れようと

ネット世界に入り込むが――?!

 

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閉店後のゲームセンターを舞台に

「仕事を終えた彼らが何をしているのか?」をユニークに描いた

リッチ・ムーア監督作「シュガー・ラッシュ」(12年)。

 

その後、「ズートピア」(16年)でのアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞を経て

監督が手がけた

「シュガー・ラッシュ」の続編です。

 

前作のおもしろさは、まずゲーム世界を舞台に

その世界観の概念構築をしっかりしたことだと思う。

 

「ストリートファイター」のキャラ同士が「おつかれ~」と飲みに行ったり

パックマンやソニックが歩いてたり、の「おお~」もあるけど

 

それが

単なる懐かしネタや、キャラ集合だけでなく

配線コードの中を列車に乗って、ほかのゲームに移動したりとか

世界の構造ルールに筋が通ってて、

「なるほどなあ」と思わせるんですよね。

 

で、本作もやっぱり、その基板にのっとって

「インターネットの世界」を描いていて、そこがおもしろい。

 

ネットのなかで物が買われる仕組みや、検索のしくみなど

誰もが「見えないし、気にしてない」ネット世界の概念を、

見事に可視化してて

すごいなあ!と思いました。

 

で、そのなかで前作のキャラ、ヴァネロペとラルフの冒険があり、

さらに

ディズニープリンセス14人が一堂に会するシーンがあったりする。

もうちょっとプリンセス、

出てきてくれるとよかったかな、とは思ったけど

見どころではありました。

 

 

「AERA」12/24号の「いま観るシネマ」で

プリンセスたちのキャラデザインもし、

全体のアートディレクターも務めた

若き才人、アミ・トンプソンさんにインタビューさせていただきました。

 

AERAdot.でも読むことができます~

 

大阪とカナダにルーツを持つ彼女は

プリンセスのようにキュート! 日本語もペラペラ!w

あのジブリでインターンをしたこともある彼女の卒業制作「バジリスク」もすごいので

ぜひネットで検索してみてください~!

 

★12/21(金)から全国で公開。

「シュガー・ラッシュ:オンライン」公式サイト

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