ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

バレエボーイズ

2015-08-28 21:14:42 | は行

バレエ関係のドキュメンタリー映画って
けっこう見てるんだよねワシ。


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「バレエボーイズ」68点★★★☆


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ノルウェーの首都オスロで
プロのバレエダンサーを目指す
三人の少年を追ったドキュメンタリーです。

まさにリアル「リトル・ダンサー」の世界。

でも内容は
ビシバシのスポ根というより
彼らの友情と成長の青春物語、という趣き。

頬赤い少年だった子が大人になっていく
その過程が見どころで

彼らはもちろん、大変な努力も練習もしているが
映画が意図するのはそこではないようだ。

のせる音楽もポップスだったり
ダンスもモダンで自由さを感じるし、

全体的にどこか「のびのび」している感じがするのは
ノルウェーというお国柄もあるのだろうか。
(もちろんバレエスクールのランクや規模などもあるだろうけど)

そのうちに、彼らの一人が
かのロンドンのロイヤル・バレエスクールに招かれるかも……?となり
彼らの進む道がそれぞれに変わっていくのも
ドラマチックだ。

そして、それを聞いた少年の一人が
「あそこのバレエ団は伝統に忠実なクローンを作る」という言葉に
ほ~なるほどねー、と思いました。


★8/29(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開。

「バレエボーイズ」公式サイト


それにしてもバレエのドキュメンタリー映画って
けっこう多くある。
ドラマチックな要素が多いし、
一般人にとって、やはり憧れがあるものなんでしょうか。

今までに見た(憶えている)ものをあげておこっと。

もうすぐ9/19公開の
「ボリショイ・バビロン」(おもしろい)

「ベジャール、そしてバレエはつづく」
「パリ・オペラ座のすべて」
「BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界」
「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」
「志向のエトワール ~パリ・オペラ座に生きて」
「ピナ・バウシュ 踊り続ける命」
「今日と明日の間で」
「ダンシング・チャップリン」もドキュメンタリーですな。
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しあわせへのまわり道

2015-08-27 23:02:46 | さ行

パトリシア・クラークソンって
緑色が似合うよねー。
(て、自分で絶対わかってて着てるんだよなー。笑)

「しあわせへのまわり道」70点★★★★


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ウェンディ(パトリシア・クラークソン)は
どん底にいた。

21年間連れ添った夫が浮気相手のもとに走り、
いきなり三行半を突きつけられたのだ。

その帰り道、彼女は
インド人のダルワーン(ベン・キングズレー)が運転するタクシーのなかに
忘れ物をしてしまう。

後日、忘れ物を届けに来てくれたダルワーンが
運転の先生をしていると知った彼女は
彼の教習で運転免許を取ることにするのだが――??


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イザベル・コイシェ監督作。

さすが悪くない。
ってか、想像よりよかった。


運転の先生ダルワーン(ベン・キングズレー)と
生徒役のパトリシア・クラークソン。

アラ50、いやR60な二人の恋話?と思いきや
そう単純ではなく
それぞれが、それぞれの相手とうまくいかない、ままならない、
もっと大きな意味での
中年男女のもろもろになっていく点がおもしろい。


序盤、キレてばっかりのウェンディに
あまり感情移入できなかったんですが
やがて書評家という職業が明らかになり、
「ああ、だから何にでもナナメ視線があるのかあ」と納得。

仕事大好き人間で
「僕より本を見てただろ?」とダンナに指摘され、
自分が仕事>夫という優先順位にしてたことに
21年経ってようやく気づくあたり、ハッとさせられる。


「独りになる人間には理由がある。周りを無視しているからだ」と
ぼっち人間を突くセリフにも
ズキンときた。


敬虔なシク教徒で、いつもターバンを巻いているダルワーンへの
アメリカ人の露骨な差別っぷりが
かなりはっきりと、随所に描かれるのも見逃せない。

けっこう問題提起も大きい気がしました。


★8/28(金)から全国で公開。

「しあわせへのまわり道」公式サイト
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わたしに会うまでの1600キロ

2015-08-26 23:44:13 | あ行

今年のアカデミー賞
主演女優賞&助演女優賞ノミネート作。


「わたしに会うまでの1600キロ」68点★★★★


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シェリル(リース・ウィザースプーン)は
後悔していた。

アメリカ西海岸を南北に横断する自然道を
1600キロ歩く「パシフィック・クレスト・トレイル」に
一人で挑戦することにしたのだが、

歩くのも素人だし、体は悲鳴を上げるし
携帯コンロもまともに使えない。

なぜ、彼女はそんな無謀な挑戦を
することにしたのか――?


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くたびれた(笑)
見ているだけで歩き疲れました。


全米でミリオンセラーになった
女性の体験記を映画化したもの。

道中の過酷さもさることながら
「なぜ、彼女は歩くことにしたのか?」というのが
大きなポイントで

映画はその理由を
主人公を黙々と歩かせながら
回想シーンを挟みつつ、明らかにしていく。


これ以上どう作れっていうの?というくらい
定石な作りかたで

特に不可なところはなく
自然は美しく
リース・ウィザースプーンの熱演も悪くない。

でも
孤独な一人歩き旅を
おもしろく映画にするのはやっぱり難しいよね、という感じ。

イメージしたものがけっこうそのままで、

基になった実話の主人公にとって
この体験がもたらしたであろう
「魂の高み」には
観ているだけでは、辿りつけなかったかな。


聖地サンディアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道をゆく
「星の旅人たち」
もう一度観たくなりました。


★8/28(金)からTOHOシネマズシャンテほか全国で公開。

「わたしに会うまでの1600キロ」公式サイト
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ロマンス

2015-08-25 23:47:13 | ら行

ロマンスカーは、好きっす。


「ロマンス」58点★★★


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鉢子(大島優子)は
新宿と箱根を往復する特急ロマンスカーの
優秀なアテンダント。

ある朝、出勤前にポストを見た彼女は
一通の手紙を見つける。

それは何年も会っていない
母からの手紙だった。

手紙をポケットにしまい
乗務をしていた鉢子は
ワゴンからお菓子を盗んだ中年男(大倉孝二)を目撃し――?


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タナダユキ監督作品。


大島優子氏の制服姿、かわいいし
なによりロマンスカー、レトロムードがあって好き。

だから話が
ロマンスカーの車内だけでもよかったのに。とか思ってしまう(笑)

話の大半は箱根で
ちょっと観光案内&ご当地ムービーな感もある。

なにより展開にも、キャラの描き込みにも
「ん?」と
ひっかかってしまうところが多かった。


大島さん演じる鉢子は
接客があれだけ完璧なのに

大倉孝二氏演じるヘンな中年に
あの対応?


それに、どう都合つけても
素性もしれないあぶないおっさん(大倉氏)の車に乗って
箱根を回るとか、ありえないよね?

日が暮れて、真っ暗になっていく山道とか
寒くなっていく気温とか
リアルに感じて、恐怖だった。

鉢子の子ども時代の回想も
トラウマも、ちょっとありがちに感じるところもあり。

ほら、
なんのかんの、印象に残ってるじゃん?なんですけど。
カワイイとか、ふんわりな映画ではないですよ。


★8/29(土)から全国で公開。

「ロマンス」公式サイト
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テッド2

2015-08-24 23:38:03 | た行

「1」より記憶に残るおもしろさ。


「テッド2」71点★★★★


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前作から数年後。

中年テディベアのテッド(声=セス・マクファーレン)と
親友のジョン(マーク・ウォールバーグ)は
相変わらず仲良くつるんでいる。

だが変化もあった。

ジョンは離婚してどん底。
逆にテッドは
バイト先の彼女と結婚することに!

しかしその1年後。
テッド夫妻は大ゲンカをして
新婚生活の危機を迎えてしまう。

夫婦の絆を取り戻すために
テッドは子どもを持つ決意をするのだが――?!


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お下品ネタも、ヤバい笑いもおもしろさは変わらず。
さらに
前作よりお話がしっかりできていて魅せます。


「ぬいぐるみのクマが生きてて、しかもオヤジ」という
ファーストインパクトから
さらに踏み込んで描いている。


まずテッドが結婚!
が、1年であっさり倦怠夫婦の危機に。

夫婦間の罵り合いも、
その危機を回避するため子どもを持とうとするあたりも、
あまりにフツーの夫婦な展開で、笑っちゃう。

でもって、テッド夫妻が
ある事情から養子縁組を考えたところ、
「そもそも彼は人間なのか?」「ぬいぐるみに市民権とかあるのか?」という
物語の根幹に迫る話になってしまい――?!

でも
お話はシリアスな方向に行っても
笑いは変わらず。


とことん反社会的な態度や、
絶妙なディスりのセンスのよさとか
「ジョガーいじめ」とか「お笑い芸人いびり」とかの
意味のないイタズラとか


テッドの弁護を引き受ける新米弁護士役
アマンダ・セイフライドが
ブロンドのカワイ子ちゃんゆえに
「ホントに弁護なんかできんの?」と疑心暗鬼なテッドが言う
言葉とか拭いた(笑)


まさかのあの方のゲスト出演も笑うわ~。

そうそう、オープニングのレビューシーンも
楽しいですよ。


★8/28(金)から全国で公開。

「テッド2」公式サイト
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