ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

2016年ベスト&ワースト映画、発表!

2016-12-30 01:42:52 | ぽつったー(ぽつおのつぶやき)

2016年ベスト&ワースト映画、発表!

今年も洋画邦画、分けさせていただきます~

まずは洋画ベスト10!(ドキュメンタリーには(ド)印です)

(1位)シング・ストリート 未来へのうた
(2位)さざなみ
(3位)これが私の人生設計
(4位)AMY/エイミー(ド)
(5位)奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ
(6位)グッバイ・サマー
(7位)裸足の季節
(8位)ヤング・アダルト・ニューヨーク
(9位)ディーパンの闘い
(10位)ルーム ROOM

(次点)ニューヨーク眺めのいい部屋売ります
    ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやってくる(ド)
    ブルックリン
    シリア・モナムール
    キャロル
    神様の思し召し
    人間の値打ち


いつもながら
いま振り返って「これ!」と思うもの、
2016年の記録として残しておきたいもの、を選びました。

今年は1位、6位、7位を始め
「若者胸キュン!」に響くものが多かった。
みずみずしさと、笑いに飢えてる自分。
老年モノもいい作品いっぱいあるんだけど
まあミドルエイジな自分の希望なのか、逃避なのか(笑)


続いて邦画ベスト10☆
(1位)永い言い訳
(2位)怒り
(3位)海よりもまだ深く
(4位)モヒカン故郷に帰る
(5位)FAKE(ド)
(6位)築地ワンダーランド(ド)
(7位)湯を沸かすほどの熱い愛
(8位)渕に立つ
(9位)団地
(10位)桜の樹の下で(ド)

シン・ゴジラ、君の名は。もよかったす!


続いてワースト。洋画邦画混じってます。


(1位)フィフス・ウェイヴ
(2位)ヘイル、シーザー!
(3位)アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲
(4位)追憶の森
(5位)聖杯たちの騎士
(6位)ヘイトフル・エイト
(7位)教授のおかしな妄想殺人
(8位)ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
(9位)アズミ・ハルコは行方不明
(10位)だれかの木琴

(次点)太陽
    フラワーショウ!

ワースト次点ってヘンだけど(笑)
いつもながら、期待値の高すぎたもの
別の意味で記憶に残ってるものが上位。
評を書かなかったものもあります。アシカラズ。


今年も1年、ご覧いただきまして
ありがとうございました。

「まだまだ観たりなかった・・・」と思う年末ですが
来年も、いい映画をできるかぎり、紹介していきたいと思っております。

2017年もどうぞよろしくお願いいたします。

コメント (2)
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MERU/メルー

2016-12-27 19:29:14 | ま行

12月31日公開という
根性のある映画!(笑)

***************************


「MERU/メルー」73点★★★★


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登山家で写真家のジミー・チン氏による
ホンモノの山岳ドキュメンタリー。

登山映画ながら
サンダンス映画祭で観客賞を受賞したという
話題の映画です。


難攻不落なヒマラヤ中央峰“メル―”の岩壁に挑む
ジミー氏と2人の仲間。

冒頭、6000メートル超えの高所の岩壁に吊るされた
ミノムシのようなテントに驚き
あまつさえ、中に「3人の人がいる!」とか(笑)

もう
「どうやって撮ったん?!」な映像のオンパレード。
しかも
あまりにも鮮明な映像で美しかったりするので
最初はモキュメンタリーか?と疑ったほどです(失礼しました!笑

登山中の3人の
究極の選択や決断の息づかいがピシピシと伝わってくるし
でも、それが極めて冷静に
職人気質に行われるところがまたすごい。

その「クリアな仕事ぶり」が
雪山と自然とあいまってあまりに美しく、見入ってしまうんです。


3人の家族へのインタビューなど
ドラマがしっかり描かれているところが
「観客賞」の理由でもあると思う。

でも本人たちの関係は
熱いものを内包しつつ、けっこうクールというか
「友情!」「信頼!」とか格別熱く語られないところが、
気持ちよさなのかもしれなあと思いました。

すがすがしい映像とともに
よき新年をお迎えください!

ちなみに~
年明け1/7発売のAERAで
ジミー・チン監督へのインタビュー記事が掲載されます。

ホントにイケメンなナイスガイで
普段はクールな朝日の女性カメラマン夏子さんとともに
ワシら、かなりノリノリでした(笑)


★12/31(土)から全国で公開。

「MERU/メルー」公式サイト
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聖杯たちの騎士

2016-12-24 17:17:06 | さ行

「トゥ・ザ・ワンダー」
(12年)系、
テレンス・マリック節、全開(笑)


「聖杯たちの騎士」50点★★☆


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ハリウッドのハンサムな脚本家・リック(クリスチャン・ベイル)は
セレブな暮らしを送る成功者。

毎日華やかなパーティー三昧だが
しかし
「これでよかったのか?」と人生に迷っている。

そんな彼が
6人の美女たちと巡り会い――?


******************************


「人生に迷いちゅう」な美男クリスチャン・ベールが、
ケイト・ブランシェット、ナタリー・ポートマンら
美女たちとゆらゆらと絡まり

雲が過ぎゆき、水が流れ――という映画。


テレンス・マリック御大は
完全に話を作ることをやめた模様で(笑)

セレブな家にウカれた豪華なパーティ、
そして美女(しかしホントに美人ばったかだな・・・)と

どうにも時代にあっていないというか、
主人公の空虚さもアマちょろく、見ていてつらい(苦笑)


ただ映像はすごく綺麗!
だってエマニュエル・ルベツキだもん。

彼のカメラが美女たちを追い、その美の瞬間をここに焼き付けた。
それは価値あることだと感じます。


まあ「トゥ・ザ・ワンダー」でもこの二人、
タッグを組んでるんですけどね。

名作「ツリー・オブ・ライフ」(11年)も基本構造は同じだと思うんですが

御大にはもっと
お話を作ってほしいよー。

そうそう「ダ・ヴィンチ・コード」を最近復習してたんで
聖杯=女性のことだとわかりました。


★12/23(金・祝)から全国で公開。

「聖杯たちの騎士」公式サイト
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こころに剣士を

2016-12-23 23:58:22 | か行

実話から生まれた
素直に、いい話。


「こころに剣士を」69点★★★★


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1950年代初頭。

エストニアの小さな村に
エンデル(マルト・アヴァンディ)がやってくる。

第二次世界大戦中、ドイツ対ソ連となったエストニアは
いまソ連に併合され、

当時ドイツ軍にいたエンデルは
秘密警察に追われる身となっていた。

そんな彼が小学校の教師になり
クラブ活動でフェンシングを教えることに――?!


****************************


エストニアの元フェンシング選手だったエンデルは
第二次大戦後に追われる身になってしまう。

身分を偽り、息を潜めて生きてきた彼が、
田舎の小学校でフェンシングを教えることになる。

最初はしぶしぶだった彼が
子どもたちとの出会いを通して
変わっていく――というお話。


展開は順当で、そんなに「えっ!」はない反面、
非常に誠実に作ってあると感じました。

しかも実話がもとだそう。


エンデルは子ども嫌いで
子どもたちも最初は彼を遠巻きにしている。
でも、子どもたちは彼にすごく関わろうとする。

なぜだろう、と思うと
映画の後半で
同僚の女性教師が彼に言うんです。

「あの子たちは“父親”に飢えている」と。

戦争で家庭のなかの“男性”がいなくなってしまう
そのいびつで悲しい状況について
「ハッ」と思わされました。

エストニアの時代・政治的背景を
予習しておいたほうが
わかりやすいかもしれないけれど

まあ、だいたいの状況はわかるし
なにより
子どもたちの純真さに、叶うものはない!ですね。

ポスターにもなってる
この少女・マルタの意志の強そうな表情!いいよなあ。


★12/24(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。

「こころに剣士を」公式サイト
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

2016-12-22 20:20:01 | あ行

スノーデンのドキュメンタリー映画とともに
“監視社会”を取材していたとき
「これが最新の状況です」と
専門家に教えてもらった映画です。


「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」69点★★★★


*******************************


ロンドン。

軍諜報機関のキャサリン大佐(ヘレン・ミレン)は
アメリカ軍と協力し
テロリスト捕獲作戦を実施していた。

彼らは最新鋭のドローン偵察機を使って
ケニア・ナイロビの隠れ家に潜んでいる
凶悪なテロリストたちを発見する。

しかもかれらは自爆テロを起こす
準備をしていた。

大佐たちが
「攻撃すべき」と判断したそのとき、
殺傷圏内に幼い少女がいることがわかり――?!


*******************************


いやあ
これがいまの戦争なんだ、と思うと
ホント怖くなります。


昆虫型の超ミニミニドローンで
ケニアにいる爆弾テロ犯の行動を監視し

それを遠く離れた
ロンドン、ホワイトハウス、ハワイなどで
トップたちがスクリーンで見守っている。

現地にいる彼らの運命を、空から握っているようで
それだけでも
「こんなこと、いいの?」的な違和感がある。

しかも
いざ攻撃!となったとき
近くに少女がいる!どうする――?!という事態になるわけです。


攻撃するのか?やめるのか?

会議、確認、会議・・・と状況がたらい回しされるなか
観客の倫理や理性も試される。


見飽きることはないし、ハラハラするし、
アラン・リックマンの最後の勇姿も見られます(涙)

と、
けっこう充実してるんだけど
さすがに102分でひとネタは引っ張りすぎな気も。

これもまた会議ばっかりだし(苦笑)
「アメリカン・スナイパー」の最初のシーンを
延々やっているようなものでもあるので。

それでも、最後
作り手たちの意思と決断を感じました。


★12/23(金・祝)からTOHOシネマズシャンテで先行公開。1/14(土)から全国公開。

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」公式サイト
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