ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

X-MEN:フューチャー&パスト

2014-05-31 16:15:14 | あ行

いや~バストがいいねー・・・って違うつの。


「X-MEN:フューチャー&パスト」67点★★★


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2023年。

X-MENたちミュータントを絶滅させるためのロボット「センチネル」により
地球は壊滅へと向かっていた。

プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は
キティ・プライド(エレン・ペイジ)の能力を使い、
センチネルが開発された1973年にウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)を送り込み、
開発を止める計画を立てる。

1973年に行ったウルヴァリンは
若き日のプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)、
マグニート―(マイケル・ファスベンダー)らと出会い、
キーとなるレイブン(ジェニファー・ローレンス)を止めるために動き出すが――?!

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X-MENシリーズは久々に見た気がする。
ウルヴァリンのシリーズ飛ばしてたからなー。

こんなに仲間増えてたのかー。
こんなに荒廃した暗黒未来なのかー。

で、久々に見た理由はハイ、
ジェニファー・ローレンス目当てです。

ハイ、すごいスタイルでした。
開脚キックもすげー。

全身青に塗って、あの姿で
人々の注目を浴びつつ歩くとか、
「フッ」と素に戻ったらかなりキツイ気がする(笑)
さすが女優。

もしくは、群衆シーンもブルーバック合成なのかしら。

そのほかももちろんすごい。

過去と現在、
オールスターキャストが集結したのもすごいし
超能力描写も格段に進歩している。
特にバトル中に時間を飛び越すワープホール技が特にすげー。

過去に戻って歴史を変える、って反則技も、
迫力で押し切られた感じ。

それに過去作品見てると
けっこう「うるっ」とするし。

ただ、こぴっと中盤のバトルシーンで、寝落ちしました・・・。


★5/30(金)から全国で公開。

「X-MEN:フューチャー&パスト」公式サイト
コメント (2)
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薔薇色のブー子

2014-05-30 21:04:25 | は行

これは拾いモノでした(笑)


「薔薇色のブー子」71点★★★★


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「いつかは少女マンガみたいな恋ができる・・・」
と、信じる大学生の幸子ことブー子(指原莉乃)。

が、現実は甘くなく、友人もできず
家に引きこもってマンガを読む日々。

そんな彼女に転機がやってくる。

ツイッターで知り合った
自称“ジョニー・デップ似”のスパロウさんと
デートの約束をしたのだ!

しかーし。
約束の夜10時に向けて、準備を始めるブー子に
次から次へと災難が降りかかり――?!


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マンガみたいな恋に憧れ
世の中に文句ばっかり言っている腐女子ブー子が

ツイッターで知り合った相手との初デートに向けて
がんばる1日を追う。


約束があるのに、なぜか邪魔が入り
全てがうまくいかず
なかなか目的を果たせない・・・という
コメディの黄金法則を巧みに使い、

ほんっとに残念で気の毒な女子として
指原莉乃氏を生き生きと動かしていて、かなり笑いました。

途中のヤクザネタや母子ネタは
やや面倒くさくなったけど、
ヘタな細工をせず、シンプルな笑いにして正解。


ベンチに座れば接着剤でズボンが離れず
ラーメン屋に入れば「インスタントかよ!」みたいなベタなネタも、

指原莉乃のガチな「がっかり顔」で、おかしさが増します。

そもそも
世の中にブーブー言ってばかりの女子、というキャラ設定も
自分を振り返らせもして(苦笑)
なかなか良いところを突いている。

キャラを生かした“ダメ女子”としては
前田敦子氏の「もらとりあむタマ子」と双璧ですが、

あちらのほうがセンス高しなのは承知の上で、

ワシは制作サイドの“女優”への気遣いを感じない
こっちのほうが、なーんかツボったというか、ガチ感があり
可笑しかった(笑)。

「もう今日は何が起こっても驚かない、驚かない」
「全然平気、全然平気」と呪文のように唱えるブー子に
がんばれ!と言いながら笑いましたよ(笑)


★5/31(土)から全国で公開。

「薔薇色のブー子」公式サイト
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

2014-05-29 23:45:41 | あ行

やっぱり猫が好き(笑)


「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」73点★★★★


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1961年、ニューヨーク。

ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は
鳴かず飛ばずのフォーク・シンガー。

ある朝、
彼は友人の大学教授の家で目覚める。

メモを置いて、玄関を出たそのとき
夫妻の愛猫ユリシーズが一緒に外へ出てしまった。

仕方なく猫を連れて、
ミュージシャン仲間のジーン(キャリー・マリガン)のアパートを訪ねるが
ジーンはカンカンに怒っており――?!


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主人公のモデルは
ボブ・ディランが憧れたシンガー、デイヴ・ヴァン・ロンク氏だそう。

ループするグダグダな主人公のダメ感
気だるいオフビート笑い、

スモーキーな画面・・・・・・と
作品によって乱高下するコーエン兄弟の
“いい波の”ムード満点(笑)

キャリー・マリガンも新鮮な印象に感じるし

愛すべき作品であることは確かです。

とにかく猫が存在感満点!

主人公は
家もなく、ギターを抱えて人んちのソファを転々とし
女を妊娠させては逃げているようなダメ男なんですが

ですが、自分が逃がしてしまった猫を懸命に追いかける様、
そんな彼の
「音楽に真摯でありたいゆえの不器用さ」を知るうちに、
ダメだけど人好きするヤツなんだな、と。

それで生き延びていることが、
彼にいいのか悪いのか。


60年代初頭のNYフォーク・シーンってよく知らないのですが
見てると、優等生的なフォークと
それに対抗する“ボロくて不良っぽくて、ソウルある”主人公との、
音楽性や目指すモノの違いが、ワシにもわかってきました。


「音楽を(やりたいことを)やらないなら、
存在しているだけの人生だ」というの、いいよね。


ラストにチラっと出てくるのが
若きボブ・ディランらしいです。
それが“新しい時代”の予感なのでしょうね。


ちなみに。

プレス資料にあった評論家・芝山幹郎さんの解説を元に
モデルとなった氏のアルバム
「インサイド・デイヴ・ヴァン・ロンク」を探してみました。

これ!猫!(笑)


★5/30(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国公開。

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」公式サイト
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みつばちの大地

2014-05-28 22:47:57 | ま行

ちょっ・・・ミツバチって
めちゃくちゃスゴイんですけど?!


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「みつばちの大地」80点★★★★


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花と蜜から花粉をもらい
その代りに植物の受粉を助けるミツバチ。

“循環型社会”のお手本としても
近年、大注目されている彼らの
生態や、謎を解明しようというドキュメンタリーです。


祖父が養蜂家だったという監督が
「なぜいま、ミツバチが大量に死んでいくのか?」を解明したいという
素直な動機から作り上げたそうで

世界各国を巡り、
多くの的確な取材を行い

これ一本で、大学の1期分の授業を受けた感じがする
お得で、濃い内容です。


冒頭、蜂の巣のなかの神秘的なシーンから
すげえ!と魅了され、

空中での女王蜂の交尾の様子など
「どうやって撮ったのか?!」――という
驚異の映像が満載。

でも、それだけだとネイチャー映画になりそうですが
この映画はそこに留まらず

論理的な分析や、人類への警鐘という論旨がとても明確なのがいい。

「絵」と「頭(監督のね)」の兼ね合いが
実に見事なのです。

ミツバチの脳みそまで解明し(!)
ミツバチが賢く複雑な生き物であることを教えてくれつつ、

人間がやりたい放題にミツバチを使っている
その様子をも、冷静に見せる。

農薬を浴びせられるミツバチや
人間に都合のいい女王蜂を生み出す遺伝子操作……など
胸の詰まるシーンがあるのも事実。

それによって身勝手な人間の愚かしさを
またまた思い知らされるわけです。

そして人間が身勝手した結果どうなったか、も
きちんと取材している。エライ。

農薬でミツバチを全滅させてしまった中国では
人間が花粉を買って受粉させたりしてるわけで。(めんどくせー!

ミツバチを知るだけでなく
我々の社会をも考えさせる良作なんで、ぜひに。

ちなみに
ミツバチは一生かけて
小さじ1杯5グラムほどのハチミツを摂るそうです。

うう、まさに精一杯!
マジで「ありがとうミツバチ!」です。

★5/31(土)から岩波ホールで公開。ほか全国順次公開。

「みつばちの大地」公式サイト
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美しい絵の崩壊

2014-05-27 23:58:40 | あ行

いいじゃん!ワシ全然オッケーよこれ(笑)


「美しい絵の崩壊」72点★★★★


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舞台は現代、オーストラリア。

幼いときから姉妹のように育った
ロズ(ロビン・ライト)と、リル(ナオミ・ワッツ)は
やがて結婚し、それぞれ息子を授かる。

リルの夫が早逝し、ロズの夫は留守がちなこともあり
二人の母と息子たちは、
本当の家族のような固い絆で結ばれていく。

月日は流れ、
息子たちは美しい男に成長し、

リルの息子イアン(ゼイヴィア・サミュエル)は
自分が母親同然だったロズを愛していることに気づく。

そしてある夜、
ロズは戸惑いつつも、イアンの一途な思いを受け入れてしまい――?!

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久々に「わたしの可愛い人~シェリ」(コレット原作)みたいな
時代を超えた“愛”の映画という感じ。

タイトルどおり
「いつ、美しい絵=4人の関係が崩壊するのか?」と思って見ていると
「ああここでか!」となるおもしろさがあります。

とにかく舞台となる
オーストラリアの海辺のロケーションがめちゃくちゃ美しいし
登場人物4人も(年齢からみても)あり得ないほど美しいので

先入観ナシに見てほしいなー。
実はけっこう笑えたり(笑)
意外な味わいがあるんですよ。


美しい海辺の家という“場所”と“関係”に囚われた
二人の母親が

それぞれ相手の若く美しい息子と
年の差カップルになるという

あり得るんだがないんだが、
子ナシの身にはまるでわからない話で(笑)

インモラルな匂いはプンプンですが
「シェリ」同様、こちらも
年齢の差と、近親的な(あくまでも“的”ね)関係が問題なだけで

“浮気”定義に抵触する部分がチラっとあれど
自分の息子と関係するわけじゃないし、
そんなに問題ではないんですよね。

しかもそうしたドロドロ関係を
醜悪なこと一切なく、
陽射しを浴びた伸び伸びとした美しさとして描ききってしまう。


そこに薄っすらと“気持ち悪さ”があったりする。

これが「好き!」「愛してる!」の暴走だと
勘違い暴走のハーレクイーンロマンス系?ってやつかもしれないけど

全体に、どこかでこの恋愛を俯瞰しているような目線、
客観的で、ときに批判的とも受け取れそうな
冷めた目線が常にあるゆえに、

直球のロマンスではない
得も言われぬ味があるのだと思います。

例えば
海でケンカした息子たちを止めに駆け寄る母親たちが

お互いに自分の息子じゃなく
付き合ってる相手のほうに自然に行くシーンとか。
自然な絵なんだけど、え?オイ、そっちかよ!(笑)

さらに息子たちに若い嫁をあてがちゃったりして(!)
しれっと孫を可愛がってるシーンとか……別腹に、って感覚?怖ええ(笑)

ちょっとホラーな感じでしょ?(笑)
そこがウケるんですね。
試写室でもけっこう笑いが起きてた(ちなみに男性がウケてた


正直、男性ウケは今ひとつと聞きましたが
単純に生理的なものだとすると
心せっま!って感じ(笑)

まあ「ん?」なつなぎや展開がなくもないのですが

これオッケーと言える人のほうが
オモシロイ人だ、とワシは思う。


★5/31(土)から公開。

「美しい絵の崩壊」公式サイト

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