英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 第7話 【追記あり】

2013-11-14 23:11:13 | ドラマ・映画
今回は仕事の覚悟がテーマ。

 凜に感化され、労働者の為に労働環境の整備に燃える南三条。
 帰宅途中で転落死した茅ヶ崎英夫に労災認定の件に深く入り込み、転落死の原因は作業中の転落し頭部を強打したことが原因ではないかと、解剖して調査すべきだと提案する。(詳しくは文末の【ストーリー】を参照)

 そんな南三条を、土手山は
「相手に感情移入をし過ぎている。あいつにはまだ免疫がない。こんな入れ込み過ぎると、ちょっとしたことでポキッと折れるぞ」と心配する(ドラマにおいて、こういう予言はほとんど的中する)。
 解剖を認めたことといい、今話の土手山は一味違う。しかし、南三条に酷な解剖報告を渡した後、何のフォローもしなかったのは大減点。


その際の、土手山と凜との議論が面白い
「仕事は、冷静な頭と冷静な心でやるものだ」(土手山)
「仕事は、冷静な頭と熱い心でするものだ」(凛)



土手山の言うように、確かに南三条は入れ込み過ぎであった。
・社員を自分の道具のようにしか思わず、職場が危険な状態であると知りながら放置した社長
・パワハラと言うより、私怨による苛めに近かった社長の茅ヶ崎への仕打ち
・茅ヶ崎が亡くなったというのに、まったく哀悼の心が感じられない社長
・安易に「労災が下りる」と言ってしまったことへの負い目
・自分の父が自殺か事故かをはっきりさせなかった事の後悔
そういう感情(社長を懲らしめる、茅ヶ崎の家族を救いたい、過去の後悔への自己満足)に支配された南三条の行動だった。

「少しでも労災の可能性があるなら、きちんと究明すべきでしょうか?」と解剖を実行するべきかを相談する南三条だが、この言葉も南三条の入れ込み過ぎや自己満足が感じられるものだった。
 これに対し、凜は
「やるべきだと思うなら周りが反対してもやる。やるべきでないと思うなら誰が何と言おうがやらない。それが監督官というモノでありませんか。
 お互い正しいと思うことをやりましょう」


 監督官としての仕事をする覚悟(熱い心)を問うた言葉だが、結局、南三条は私情に支配されて解剖に踏み切ってしまった。

 解剖の結果、仕事での頭部強打と帰宅途中の転落の因果関係がないということになり、家族を傷つけ、南三条は責任を感じ、後悔の念に駆られてしまい、仕事を放棄してしまう。
 気持ちを切り替えて、他の職務(定期監督)に向かおうとする凜に、「段田さんにはなれない。なりたくない。(段田さんに)かき乱された。自分が何をどうしていいか、わからない」と涙を流す。
「私は、南三条さんは南三条さんの信念で行動しているものだと思っていました。
 それが、私に影響されて、私に引きずられて……そんなふらふらした気持ちで、茅ヶ崎さんのご遺族に行政解剖を勧めていたとは思いませんでした!」



「行政解剖、全くの空振りだったそうじゃないか!わざわざ私を無視して警察にまで迷惑を掛けて、全くの空振りだったそうじゃないか!」(署長)
「申し訳ありません」(土手山)
「全く申し訳なくはありません。亡くなった原因が、製作所での墜落にあるのか、階段から落ちた時のものであるのか、解剖してみなければ分からなかったんです。
 製作所での墜落による傷が死因であれば、茅ヶ崎さんは労災認定され、労災死亡事故として立件できたんです!
「竹光製作所に行ってきます。竹光製作所が墜落事故を起こすような危険な現場であることや、事故が起きた時に平気で労災隠しをするような社風であることには変わりはありません。そこを是正しない限りは、いつかまた事故は起きます。
 傷つく人はいるかもしれません。それでも、違反の可能性がある限り、真実を明らかにするためになら私は動きます。労働者が安全に働けるように企業を監督するのが、私たちの仕事ですよね」


 かっこいい。
 でも、これ、南三条に言ってほしかったなあ。
署長も、南三条を心配していた。

【追記】と言うほどのものじゃないですが
“小宮ヨイショ”に走る田中に対して
「田中、うるさい。…うるさい!」
と土手山が遮ったのが、気持ちよかった。



【ストーリー】
能力はあるのに毎日判で押したような生活を送るだけの「THE公務員」だった南三条(松坂桃李)。しかし、指導係として凛(竹内結子)と行動を共にするうちに、「ダンダ化」しているのではないかと土手山(北村一輝)や瑠璃子(トリンドル玲奈)ら同僚は心配する。

そんなある日、ある男性が労働基準監督署にやってきた。会社からの帰宅途中に転落死した父・英夫(大高洋夫)に労災保険が認められるか相談したいというのだ。南三条は労災は必ず下りると言い切るが、その姿に凛は一抹の不安を覚えていた。

その直後、凛の不安は的中。英夫は帰宅途中に私用で寄り道をしていたのだ。労災が下りなかったことを謝罪するために恵子の自宅を訪れた南三条は、英夫が頭痛を訴えていたことを知り、「労働災害」の可能性を疑う凛とともに英夫が勤めていた「竹光製作所」へ。そこで英夫が死亡する直前に社内で頭を打っていたこと、しかし社長の竹光(長谷川初範)が英夫に病院に行くことすら許さなかったことにブチ切れてしまう。

英夫の死因が勤務中に頭を打ったことにあるのではないかと思い当った南三条は、遺体を解剖して調査するべきだと提案。署長の真鍋(佐野史郎)は猛反対するが、凛たちに説得されて土手山は解剖を許可。前例のない解剖を遺族に熱心に進める南三条が、私情に流されているだけなのではないかと疑う凛。同じ頃、土手山も南三条が信念もないままに凛の真似をして傷つく結果にならないかと心配していた。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『相棒season12』 第5話「エントリーシート」

2013-11-13 23:51:30 | ドラマ・映画
・被害者のスーツの仕付け糸の謎(経緯)
・頻繁に着信があった非通知電話
・女友達や元彼とのいさかい
・本来のスーツに付いたカフェオレのシミ
・面接のアピールに海外ボランティアの経験を語らなかったのは何故?


被害者の行動を追っていく右京たち、登場人物が多く疑えば、皆、怪しく見えてくる……
 女友達、元彼、面接官(四菱商事)、面接官(東山証券)、紳士服点の女性店員(さすがに怪しくはなかったが、仕付け糸を付けたまま送り出すのだろうか)、就職塾の講師、右京と道でぶつかった就職活動の学生、被害者の姉……
 ボランティアの写真に写っていたのは誰なんだあ……と気をもませて、、。

面白い話だったが、容疑者を増やして話を面白くするために、登場人物たちの行動が短絡的になってしまった
①女友達の逆恨みと、その友達に対してきつい言葉を吐く被害者
②元彼の軽率な言葉と、その彼を蔑ろにし続けた被害者。さらに、別れた後、嫌がらせの電話を掛ける元彼
③被害者に内定を辞退されて、キレてカフェオレをぶっ掛ける面接官
④犯人の動機(偶然に自分の弱みを持たれて、殺人に走る)
⑤薄っぺらな犯人が、社長の令嬢に見初められるのは無理がある
⑥被害者は、基本的には「よく出来た人」みたいだが、就職第一の行動と普段の言動のイメージが一致しない(殺される直前の、犯人への接し方も不自然)
⑦被害者がなぜ四菱商事にこだわった理由がはっきりしない。一流企業だからなのか、それとも、四菱でやりたいことがあったのか?


 上記のように、ストーリーに無理があったが、今話には『現代の若者の人生観への疑問を呈する』というテーマがあった。上記⑥も、それ故の事象なのだろう。
・自己(個性)をアピールする面接(就職活動)のはずなのに、画一的なリクルートスーツを着用する(マイナスイメージを与える危険性があるのなら、皆と同じの点数(イメージ)で良い)「同じような服装の下で浮き出す個性を判断する(アピールする)」という考え方らしい
・良い大学に入るために良い高校に入る。良い大学に入るのは、良い会社に入社する為。仕事ではなく就職がすべてである。
・大学の学生生活も、エントリーシートや面接の為に、いろいろな活動を行う

 それって、面白い人生なのだろうか?
 就職のための作為的活動のアピール体験談や偽の体験談(犯人)で採用してしまう面接官、一流企業……大丈夫なのか?


被害者の行動追跡の右京たちの捜査、いろいろな謎、若者の人生観の問題提起と、面白い話だったが、完成度がイマイチで残念だった。


★非常に役に立った享
 仕付け糸について質問する際、右京が享を使って具体的に場所を指し示すことができ手際よく進んだ。

★やはり生意気な享
(なりたい職業に付ける人は少ないという話題から、「享も刑事になれてよかったじゃん」という悦子の呼び掛けに対して)
「俺が思い描いていた刑事像とどっか違うんだよなあ、特命って」
右京の最高の推理に接することができ、かなり好き勝手に捜査するという恵まれた環境にいるというのに……


★上機嫌な峯秋
 息子の享が、本心から警察官(刑事)になりたかったと知り、笑いをこらえきれない峯秋。ちょっと、微笑ましい。

【ストーリー】番組サイトより
 就職活動中の女子大学生・奈月(岩田さゆり)の遺体が発見された。奈月の手帳によると、事件当日は夕方に一流商社の面接を受けていたが、午前中に出かけてから面接の時間までの行動がわからない。右京(水谷豊)は、全員横並びの黒のスーツ姿という常識に疑問を抱きつつも、奈月のリクルートスーツに仕付け糸がついたままになっていることが気になる。一方、享(成宮寛貴)は、奈月の携帯に非通知の着信が頻繁にあったことに引っかかる。ストーカー被害にでもあっていたのだろうか?

 捜査一課の伊丹(川原和久)らは、アリバイが曖昧な奈月の元カレ・紀平(斉藤祥太)に不審を抱くが、別れてから一度も奈月と会っていないと犯行を否認。紀平によると、奈月の第一志望は、事件当日に面接を受けていた一流商社であることを聞き、右京らは早速その商社へと向かうが…

 一流商社の内定を得るための面接テクニックから浮かび上がった犯人とは?

ゲスト:岩田さゆり、斉藤祥太、近野成美

脚本:金井寛
監督:近藤俊明
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬の寒さと「週間天気予報」の検証

2013-11-13 20:45:06 | 気象
 寒くなりました。北海道では積雪30センチを超えた所もあるそうです(岩見沢では昨日(12日)現在積雪37センチ)。つくづく北海道の人は偉いなあと思います。

 福井は昨日(12日)最低気温4.9℃、最高気温9.3℃で、平年の気温に当てはめると最低気温は11月28日、最高気温は12月17~18日に相当する気温である。
 昨日はしぐれ模様で、さすがにいちごの散歩は中止。少雨決行なのといちごは晴娘(散歩時間は雨が小止みになる)なので、ほぼ1カ月ぶりの休み。
 今夜の散歩は7℃。私の体感気温は20℃以下で「暖かくはない」、16℃以下になると「肌寒い」、12℃以下で「寒い」、7℃以下で「相当寒い」、4℃以下で「非常に寒い」1℃以下で「極寒」である。もちろん、時期によって装備(服装)が違うので、感じ方も違ってくる。11月なので、ジャンバーではなく、薄手のセーター&ジャージなので、7℃というのは相当厳しい。(猫は寒がりと思っていたが、寒くないのか?……それでも、いちごも2歳になったので、昨年よりは寒がりになっているようだ)
 2、3日前の通常の気候では、まだ虫がちらほら鳴いていたが、さすがに今夜は声が聞こえなかった。

 さて、この寒さだが、気象庁はかなり前から予告をしていた。かなり以前(10年以上前)から1週間ぐらい先の寒気の襲来はかなり把握できているように思う。しかし、その気温の予想はかなり甘く、実際の気温は予報よりかなり低くなることが多い。
 今回の場合、11月5日夕方発表の週間天気予報の「日曜~月曜の雨のあと気温が下がり始める」はほぼ的中。しかし、予想気温は11日の最低気温は6℃、最高気温は13℃、同じく12日は5℃、13℃となっていたが、実際は11日が5.3℃、12.2℃、12日が4.9℃、9.3℃で、12日の最高気温はかなり高めの予報値であった。
 ちなみに、翌日の6日発表の週間予報では、12日は最低気温5℃最高気温13℃ 、13日は6℃、15℃で、今日の気温は最低気温4.9℃最高気温11.2℃(午後6時現在)であった。

 寒気は去りつつあり最高気温は15℃と予想されているが、明朝は4℃とかなり冷え込むらしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『八重の桜』 第45話 「不義の噂」

2013-11-11 21:54:30 | ドラマ・映画
今回はタイトルのあるように
不義の噂が主題だった。

 この件については諸説はあるようだが、
「時栄と青木の不義の噂(真偽は定かでない)が出て、八重が率先して時栄を追いだした」
ということは確かな史実であるらしい。

 ということは、上記の事項を歪めなければ、その他の登場人物の行為や気持ちに関しては、脚本家の解釈や主旨に委ねられる。
 このエピソード……不義を犯したとはいえ山本家の恩人でもある時栄を、義理の妹の身の八重が叩き出した……頑固で剛直な八重がらしいエピソードであるが、これをストレートに描くとドラマのヒロインとしては、気性が激し過ぎるような気がするので、この件をどう描くのか、ずっと興味を持っていた。

「覚えがないぞ」事件(時栄妊娠発覚)について
 時栄が体調を崩したため、医師ジョン・カッティング・ベリーに診察してもらった際、時栄の妊娠が発覚。
 覚馬は身に覚えがないため時栄の不倫が露見。覚馬は今までの時栄の検診を思い許したが、八重は「臭いものに蓋はできぬ」と時栄を糾弾し、追い出してしまった。

 この事件は、徳冨蘆花(徳富健次郎)の小説『黒い眼と茶色の眼』(岩波文庫では『黒い眼と茶色の目』)で記されているが、自伝風(名前は変えてあるが該当する実在の人物が存在する)の小説でフィクションなのかノンフィクションなのか不明で、実際に不倫や妊娠があったかは不明である……らしい。


ドラマでの流れ
1.青木が時栄の手を握ったのを久栄が目撃
 時栄「偶然手が触れただけ」と弁明したが、久栄以前から母(時栄)の青木への態度がおかしいと感じていた。
 これを機に、青木は覚馬に「時栄を女中扱いし、忍従を強いている」と責める(開き直る)。
 時栄「やめて…もうやめておくれやす……お願いや」と止める。でも、青木の言ったことを否定はしない

 覚馬は時栄に「間違いがあったのか?」と問いただすが
 時栄「“ひとりで心細いやろ”と世話をしたのを勘違いしたのやろ」と否定

 覚馬は青木を故郷へ帰そうとしたが、時栄がとりなして転校させることで決着
 八重は時栄の措置を問うが、覚馬は「口を挟むな」と。

2.大垣屋清八の釈明(謝罪、説得)(同志社女学校の授業参観時)
・時栄の非を認め、詫びる
・時栄の覚馬への献身をアピール
・学校への協力、援助を惜しまない(「時栄を許すこと」の交換条件ではなく、女学校の素晴らしさを讃え、その気持ちから援助売ることを強調)

3.覚馬と時栄、洗礼を受ける
 覚馬が、「自分の罪を悔い改めるため洗礼を受けようと思う。お前も一緒に洗礼を受けて、一からやり直して見ねえか」と申し出る

 八重が時栄に、覚馬やみねが世話になったことに礼を言い覚馬の事、山本家のことをこれからもよろしく頼みますと頭を下げる。 (自分(八重)が世話になったことの礼は言わない)

4.時栄、本心を吐露
 その八重の言葉と洗礼を受けたことで、時栄は本心を吐露する
「うち……ずぅっと妬んでましたんや……うらさんのこと。
 身を引いたうらさんは、旦那様の胸に消せん傷をつけはった。
 旦那様の中に、ずぅっとうらさんがおんのや。
 年も取らんと綺麗なままで……」


「時栄さん、そんな気持ち…もう捨ててくなんしょ。
 時栄さんとあんつぁまは洗礼を受けて生まれ変わった。今日から新しく、生き始めんだし」
という八重の説得に、
「新しく………そうや、やり直すんや」
と、時栄は自分に言い聞かせる。


5.青木、乱心…そして……
 青木が自分の心を抑えきれず、時栄に言い寄る。
 時栄は拒むが、強引に抱きしめられてしまう。
 「誘ったのは、あんたの方や」と言われ、一瞬、固まってしまったのだ。
 そこへ、タイミング良く(悪く)本の行商人がやってきて目撃してしまう。

 噂が広まり、覚馬、学校が窮地に追い込まれる。
 それでも、八重は噂を否定し、庇う。

「心無い噂のことは、気にしなくていいから」と八重は時栄を励ますが、
「なにも……なかったんだべ?」と尋ねてしまう。
その言葉に時栄は
「うちは、旦那様の胸に居はる…うらさんとは違う。
 生身の女子や。綺麗なままでは生きられへん。
 言い寄られたら…抱きすくめられたら……手ぇ握られたら……」
「罪深き女子や。洗礼を受けたかて、清められへん………」


ついに八重の本音が爆発!
襄と自分の夢である同志社が、(八重にはほとんど存在しないであろう)女の性(さが)によって砕かれようとしているんだもの。

「なんてことを……なんてこと、してくれたんだし!
 こんな時に不始末の噂が、どんだけ足を引っ張っか、
 あんつぁまの名を、どんだけ汚すことになっか」

「わかってます。ようわかってます…」

「………出てってくなんしょ!
 お願いします。このうちから出ていってください。兄と別れてください」

頭を深々と下げる八重。


 そこへ、覚馬がやってきて
「今度のことは、俺から出たことだ。始末は俺が付ける」
商工会議所を辞めてきたらしい。
「旦那様、縁を切っておくれやす。うちを離縁してください。久栄をお願いします」

6.別離
「父様を裏切ったんか?母様が傷つけたんは父様だけやない。うちのことも裏切ったんや。
 母様なんか………」

最後の言葉を言いよどむ久栄の本心を推し量り
「さっさと出て行ってくなんしょ!
 久栄、この人はもう母様なんかじゃねえ。山本家と縁を切った人だ。

 ほら、早く出てけっ!」

と、時栄を突き飛ばす八重。たまらず、久栄が駆け寄り、
「やめてぇ、母様に酷いこと、せんといて!
 出ていかんといて、うちを置いていかないで……」

 母娘の分かれ、拗れたままで別れさせずにすんだ。
「おおきに」
時栄は去っていった。


 大河ドラマのヒロイン的、八重の心情、行動でソフトで浪漫にまとめていたと思う。ただ、『黒い眼と茶色の眼』の内容の真偽はともかく、実際の八重はこんなにやさしくないと思う
 「出ていけ!」という時、「なんてことをしたんだ!」というのが、不義そのものに対して言っているのではなく、学校や兄の名の為というのは良かった。(「ヒロイン主役特権=良い人」を強調しなかった点で評価できる)その分、終盤に母娘の仲を取り持ったということで、挽回させていたが。

 今回の別れは、うらの別れに対比させていた。
 うらは、「年を経た自分の姿を若い時栄に引け目を感じることが耐えられない」と身を引いたが(第31話「離縁のわけ」)、時栄は「覚馬の心には若いうらが居て、自分は年を取っていく」とうらを妬んいた。
 覚馬への献身は厭わなかったが、女性として扱ってくれなかった寂しさがあったのだろう。覚馬もそれを感じ、職を辞した。

 

★ピンチはチャンス
 財団が同志社女学校を見放し、窮地に追い込まれた。
 しかし、八重はこれを「チャンスだ」考えた。授業参観をして女学校の価値を知ってもらい、キリスト教入信というハードルがなくなったこともアピールした。

★最少人数なのでは?
 テーマ曲時のクレジット(キャスト・俳優名)の役名が付いている役者の数が少なかった。


                  ………今回のレビューは…疲れた。


【ストーリー】番組サイトより
 襄(オダギリジョー)がアメリカから5万ドルという巨額の資金援助をたずさえて、1年8か月ぶりに帰国した。八重(綾瀬はるか)は、襄との久しぶりの再会を喜ぶ。
 これで大学設立は順調に進むかと思えたが、時栄(谷村美月)と青木(永瀬匡)の不倫関係がうわさ話となって町に知れわたり、同志社の宣教師たちからも不協和音が噴出する。事態収拾のため、覚馬(西島秀俊)は商工会議所会長を辞職するが、責任の重さを悟った時栄は離縁を申し出る。時栄は、離れたくないと泣きじゃくる娘・久栄(門脇麦)を八重と佐久(風吹ジュン)に託し、家を後にする。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ダンダリン 労働基準監督官』 第6話

2013-11-09 14:41:55 | ドラマ・映画
今回は何のために仕事をするのか?がテーマ。

 一般的な考察はさておき、このドラマにおける労働基準監督官の場合、
①自分の評価を上げるため(署長)
 仕事(案件)の大小の価値付けをし、仕事を選ぶ(優先順位を付ける)
②給料を得るため(おそらく恩田、田中)
 おざなり的な仕事になる
③感謝されるため(瑠璃子)
 対象者に気に入られようとする仕事(対処)になる(公正でなくなる)
④労働者の労働環境を適正なものにする(凛)
 きっちり質の高い仕事を、数多く全うしていけば、全体的に将来的に労働環境が是正されていくはずだ。


「結局、“ありがとう”って言ってもらえる状況にはならなかった」
 外国人労働者の労働基準法令違反を指導した結果、外国人労働者は職を失う結果になり、頑張った結果が報われないとがっかりする小宮たち。
「私は、なぜ皆さんが感謝されたいとグチグチこぼしているのかが理解できません。
 私たちは職務を全うし、法律違反の状態を是正したんですよ。
 私は今、とても満足しています(うっとり)」


 人間の作る法律は完璧ではない。刻々と変化する社会状況、様々な現実状況などにより法を順守することに矛盾や不都合が生じてしまう(外国人労働者が結果的に職を失った)。
 しかし、基本理念は正しいはずなので、私情を挟まず質の高い仕事を数多く全うしていけば全体的に適正なものとなっていくはずというのが凜の信念らしい。
 今回の場合はうまくいきすぎだとは思うが、瑠璃子が対処しきれないでいた春沢の賃金未払い等を改善するとともに、外国人労働者の新規雇用も世話をしていた。(職務を超えている気はする)


「(段田さんは)寂しくないんですか?人間て結局誰かから“ありがとう”って言われたい生き物じゃないですか」
「私は“ありがとう”を期待してする仕事ではないと思います」


 23歳の人に、人間の性(さが)を決めつけてほしくないなあ。
 凛も、そう(感謝を期待する仕事ではない)は言っていても、実際、感謝されてまんざらでもない様子だった。

「賃金未払いの実態の証拠となるようなもの(タイムカードなど)を提出していただければ、動きやすくなります」
 「動きやすくなる」とはどういうことなのか?
 証拠がないと監督官が動けないとか、調査や指導を拒否されるよいう手続き上のことなのか、それとも監督官の手間が省けるということなのか、今ひとつはっきりしなかった。

「うちだって経営は火の車なんだよ。法律なんてヤツには、全然現実は反映されてないんだよ!」
「経営が火の車なのは、単に経営者としてのあなたが無能なだけです。そのツケを労働者に押し付けないで下さい」


 正論だけど、きついなあ…

【その他の感想など】
ベトナム料理の出店販売をして労働環境を調査しようとしたが、完全に職務の範疇外で正規の調査扱いにならないと思うが、ストーリー的には外国人労働者の信頼を得るポイントとなる重要なエピソードなので止むを得ないか。
 素人考えだが、人数も早朝ランニングで確認でき、工場の電力使用量や原料等の仕入れ量、生産量などから少なくとも夜間の生産状況は類推できると思う。
土手山の妻も、心から彼を嫌っているようではないようだけど、もう少し言葉の棘を取った方がいいと思う
ベトナム料理の代金を、本職ではないと返却したが、金でバリケードを解こうとしたと誤解されないだろうか


【ストーリー】
労働局から「外国人技能実習制度と労働基準法令違反」の監督強化期間を設けるという指示があり、凛(竹内結子)たち西東京労働基準監督署でも中小企業を対象に外国人が不当な雇用条件で働いていないか、徹底的に監督することになった。限られた人数ですべての企業を回るために署長の真鍋(佐野史郎)から日々の残業と休日出勤を命じられた土手山(北村一輝)たちは不満たらたらだ。

そんな中、瑠璃子(トリンドル玲奈)はある工場で働く春沢(濱田マリ)という女性を担当することに。会社に時間外労働分の賃金を要求したいという春沢に親身に対応しようとする瑠璃子だったが、春沢からは「頭が悪い」「使えない」と罵倒されてばかり。相手のために働いたのに「ありがとう」のひと言さえ言ってもらえないのなら、自分は何のために働いているのか…と瑠璃子は思い悩む。

一方、凛と南三条(松坂桃李)は多くの外国人労働者を抱える「セカイ部品工場」に臨検に行くが、アッサリ門前払いに。社長の杉下(嶋田久作)の態度に疑問を感じた凛が周囲で聞き込みをした結果、「セカイ部品工場」で外国人労働者を24時間管理下において違法な労働をさせている可能性が浮かび上がってきた。大規模摘発を狙う真鍋の号令のもと、課の全員が「セカイ部品工場」の監視にあたることになるが、相手のガードは固く労働者から話を聞くことすらできず仕舞い。そんな中、タイやベトナムからの労働者が多いという点に注目した凛は、南三条の母・恭子(石野真子)の協力のもと、思わぬ奇策を打ち出すことに!?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『相棒season12』 第4話「別れのダンス」

2013-11-07 23:11:03 | ドラマ・映画
 ダンスカップルがそれぞれパートナーを庇い、それに真犯人の犯行が交錯。しかも3人の行為が独立して行われたため、結果的に複雑な多重構造の犯行となった。

 『相棒』や絶好調期の『警視庁捜査一課9係』に良くあるエピソード……ペアが庇いあった結果、複雑に絡み合う事件……と言えるが、よく練られていて、見せ方も巧妙で面白かった。
 須永と礼夏がパートナーを庇うための細工や嘘をつくのであるが、当然、右京は人為的な作為による矛盾を見つけ出す。ただ、どちらを犯人と仮定しても、両者の言動に不合理な点が出てしまう。いったいどういうことなのか……
 それを、右京が明晰な頭脳で解き明かいていった。面白かったが、どうもこの前の数学事件の影響を受けてしまったようで、「どちらを犯人と仮定しても、矛盾が生じてしまう。ということは、“ふたりの中に犯人がいる”という仮定が間違っている」という台詞を聞きたかったと思ってしまった。

 事件の構造を複雑にしたのが、須永・礼夏ペアが転倒するというアクシデント(これがなければ、礼夏が須永を庇う行為を行わなかった)
 偶発的な転倒と考えられたが、右京は「起こるべきでないことが起きた時、そこには必ず理由があります」という考えから、熟練ペアが他のペアと接触することのないデモンストレーションで転倒するという起こるべきでないことが起きた理由を検証する。
 実際の現場で、須永たちのステップを再現して、転倒の原因を解明し、事件の真相に辿り着いた。

 しかも、このダンスを有望若手ペア(女性が真犯人)に再現させて、自白めいたものをさせてしまう。普通は倒れているトロフィを目撃してもダンスを中断しないが、彼女(真犯人)にとっては「トロフィ=凶器」であったため、それを見て思わず足が止まってしまったのだった。
 事件を複雑にした転倒が、犯人追求の決定打となった。見事な展開だった。

★ボールルームダンスの真髄を示す言葉が印象的だった
「向き合って、ホールドした瞬間、相手の気持ちが分かる」(須永)
「彼(須永)がしたことに私が気付いたのは、このフロアに立って立って彼と組んだ時だ。彼がとても傷ついて、苦しんでいる、それがわかったわ」(礼夏)

 お互い、同じような言葉を言ったが、礼夏の方がより自分を理解していて、自分はそんな礼夏の気持ちを分かっていなかったと須永は嘆く。
 パートナーの心の闇を悟れなかった芳川君も未熟だぞ。

「ボールルームダンスでは、リードは常に男性で、どんな方向に行くのか、どんなステップを踏むのか、男が決めなければ、女は一歩も踏み出すことはできません」
 欧米文化の「レディーファースト」とは対照的な精神であり、意外な気もする。私は経験がないので何とも言えないが、こういう一種の「一心同体」でダンスを踊るというのは陶酔の境地になるのかもしれない。
 実際にダンスをする女性の気持ちはどうなのだろうか?

 右京はこの言葉を継いで、「ひょっとすると、カップルの解消が決まった時、礼夏さんはあなたに引き留めてもらいたかったじゃあありませんかねえ」……深いなあ


 それはともかく、悦子ペアは思いっきりセオリーを無視していた……

☆煌びやかなダンス姿
 真飛聖さんや陽月華さんたちの姿がとても素敵で、もっとダンスシーンを観たかった。
 それにしても、「ナチュラルターン」「真っ直ぐ、笑ってぇ!」とリードする悦子は微笑ましかった(6点を獲得していたのは、悦子に見惚れた審査員がいたからであろう)。また、予選落ちも自分の未熟さであると落胆。
 美人でプロポーションも抜群で、しかも知的。それを鼻に掛けることもなく、優しい(ミーハーな面もチャーミング)……素晴らしい!

☆悦子に比べて、享は…
 「キミ、最近、解りが早くなってきましたねえ」と評価されるほど、右京の有能な助手となった享であるが、単に右京の言葉を引き継いで語らせられているだけの存在。
 明智小五郎の名助手・小林少年ならいいのだが、刑事である国家権力と、類まれなる明晰な頭脳の右京をバックに、≪よ~く知っているんだから、知っていることは白状しろよ、オラオラ!≫的な態度が鼻についてしまう(毎回、くどくて済みません)。
 とにかく、話をテンポ良く進めるための存在になっている。この際、助手として価値を高めるのなら、いっそ小林少年みたいに、狙われた女性に変装して捉えられ、密封された空間に閉じ込められ、酸欠で鼻血を出して窒息寸前になるような痛めつけられキャラになっていただきたいものだ。

【その他の感想】
・陽月華さんが、時折、説明的台詞で語尾を引っ張るのは「宝塚」のクセか?
・芳川ペアに聴取する際、遥子がノートパソコンを閉じるのが場面としてあまりにも不自然だった
・湯沢社長を演じた佐々木勝彦さんは、地位は高いが、高慢な悪人を演じることが多い(悪人ではあるが、真犯人であることは少ない)が、今回はまともな人物だった。
 今回、遺体発見時の言動が白々しかったので、もしかしたら犯人かと思ったが、右京たちを事件に絡ませるためだった。
・「34番!」……右京が声援の見本を示したが、「警告」や「指導」の号令や注意のようにしか聞こえなかった。

【ストーリー】番組サイトより
 悦子(真飛聖)が出場するボールルームダンス競技会の会場で、大会のスポンサーの社員・茂手木(若林久弥)の他殺体が発見された。悦子の応援に来ていた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、偶然第一発見者となり捜査に協力することに。

 茂手木は殺害される直前まで役員控室で仕事をしていたらしい。当日は国際大会で輝かしい成績を収めていた須永(大澄賢也)と礼夏(陽月華)がデモンストレーションも行っていたが、被害者は午後5時10分ごろ、大会終了後に話があると礼夏に電話をかけていた。米沢(六角精児)によると死亡推定時刻は午後3時半から5時半の間。犯行は5時10分から30分までの20分間ということになる。

 一方、須永と礼夏のカップルが最近の大会で成績が伸び悩んでいたことが判明。さらに被害者が勤務していたスポンサーは、須永と礼夏のカップルを解消させ、礼夏を新進気鋭のダンサー・芳川(廣瀬大介)と組ませようとしていたことがわかった。ダンサー間にトラブルなどなかったのだろうか…?

 華やかなボールルームダンスの舞台裏から浮かび上がる愛憎劇。二転三転する捜査の末に明らかになる意外な犯人と動機とは?

ゲスト:大澄賢也、陽月華

脚本:戸田山雅司
監督:東伸児
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『八重の桜』 第44話 「襄の遺言」

2013-11-04 15:08:30 | ドラマ・映画
もやもや、むかむか、じわじわ、じりじり、むらむら~「祇園(擬音)祭」とバ~ンとタイトルを打ち上げたかったのですが、正確には擬態語だった……~

私学だけ兵役免除が外される(早稲田は免除?)
 国の運営は国が行う(官僚は東京大学だけで育てればよい)

ままならない同志社の運営(経営)
・兵役免除がなくなり、学生が官学に流れる
・宣教師たちとの学校方針が対立(今に始まったことではないので、今更感が強い)
宣教師……キリスト教の布教が第一、学校は資金を出す財団のモノ
八重………学校は勉強が第一、学校を作ったのは襄だ
 まあ、「にしら(宣教師たち)は、学校設立(国などの許可、土地などの工面)ん時、なじょもしなかったべな」(←いい加減な会津弁です)と言いたくなった。古美門がいればばなあ…簡単に言いくるめられるのに。
 それはともかく、設立時の苦労を説くとか、単に対立するのではなく、「学校の本分とは何か」をしっかり議論するべきであろう。
 宣教師の主張の布教第一を認めたとしても、「学びたい気持ちを押さえつけることが主の教えに背かないのか」など、うまく話ができないものだろうか。八重だからなあ……そういう細かい議論は向かないか。
自分の主張を声高に相手にぶつけるだけでは、説得力ないよなあ。

襄の渡航、病状
 徴兵免除の取り消しで苦境に立つ襄は珍しく苛立つ。国は当てにならぬと、自らが行動を起こす。
 しかし…襄の行動(渡航)のもく
 八重と宣教師(外国人教師)との衝突が顕著になるのは、襄の渡航後なので直接はこれと渡航は関係ない。
 徴兵免除取り消しによる転校騒動、八重と宣教師の対立が目立ち、襄の行動との因果関係ががはっきりしない。
 そのうえ、時系列を行ったり来たりし、さらに、襄の遺言を絡めたので、混迷、難解になった。
 昨年(『平清盛』)もあったように思うが、「襄の遺言」のような思わせぶりのタイトルはいかがなものかと思う。

むらむら…
 説明は省略。
 視聴を続けている要因として、この不義をどう描くかという興味があった。
 今話のじりじりした展開、次週は爆発するようだが、どう描くのだろうか……視聴、レビューはそれ次第になりそうだ。
 

【ストーリー】番組サイトより
 八重(綾瀬はるか)が心配するなか、襄(オダギリジョー)は同志社英学校を大学にする資金集めのため、欧米へ旅に出た。留守を任された八重だったが、女学校の運営方針をめぐって米国人宣教師たちと口論になり、険悪な状態になる。すると、そこへスイスの襄から遺書が郵送されてくる。襄が命を削りながら大学をつくろうとしていることを知った八重は、改めて襄を支えていく決意をする。
 一方、覚馬(西島秀俊)のもとには、斗南から青木栄二郎(永瀬匡)という書生が訪ねてきていた。彼は山本家に住み込み始めるが、次第に覚馬の妻・時栄(谷村美月)に好意を寄せるようになる。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コスモス 9月29日、10月5日

2013-11-02 16:29:17 | 歳時
 9月21日の「秋色コスモス」以来の登場です。(撮影してからひと月以上経ってしまいました)

【9月29日、村国山から南に延びる街道】

 街道の両側に咲いています。(最初の2枚は東側、3枚目は西側のもの)


 ピンクでも濃さがいろいろあり、よく見ると花弁の太さもいろいろあります。


 ピンクの濃いもの、更に濃くて紅色に近いものもあります。

【10月5日、白山地区】

 こちらのコスモスも綺麗ですが、ちょっとした特徴があります。


 花の中心部が濃いグラデーションになっています。





 グラデーションになっていないコスモスも咲いていました。


 最後はアップで、
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ダンダリン 労働基準監督官』 第5話

2013-11-02 10:45:14 | ドラマ・映画
今回は退職を巡るトラブル

 と言っても、本質は経営(仕事)方針を巡る不協和

 通常は共同経営者や社長と専務という同格に近い存在同士の対立だが、今話は「師匠と弟子」の間柄が店が発展して「社長と従業員(パティシエ)」という「雇用者(雇い主)と被雇用者」の両極の関係であった。
 利益を最優先の社長とおいしいお菓子を作りたいという従業員で、通常のドラマなら、「社長が当初のお菓子作りの志を思い出し反省して歩み寄る」という展開であろう。
 しかし、主人公が労働基準監督官という設定なので、職場環境の改善とか退職に関する規定とか、法規的・物理的論議になり、特許申請や退職証明書の不発行を労働基準法違反だと圧力を掛けるという強制手段に出て解決を図る。
 これも監督官の職務を逸脱した行為だが、視聴者(私)としては、先に挙げた精神的問題の解決はしていない点で、引っ掛かりを感じた。あまり、すっきりしなかったなあ。

★ウインウイン【win-win】(交渉などで,双方にとって好都合なこと)『リーガル・ハイ』の羽生弁護士のモットーである
・社長(店)は、パティシエ・唐沢が店を辞めることを認める
・唐沢は、「お月様のガトースフレ」を製造販売することを店に許可する。後輩パティシエに作り方を伝授する
 という条件で和解した。

 これをウインウインの視点で言い換えると
・社長は人気商品を独占で販売できる
・パティシエは自分のペースで作りたいものを作る

凜「私は少しでも労働者の権利を守りたかっただけです」(労働者の視点)
相葉「損害賠償訴訟でパティシエを店に縛り付けても、あまりいい結果にはならない。
   いくら能力がある人でもモチベーションがなければ、“ただの使えない社員”である」(経営者の視点)

相葉「あなた(凛)のおかげで、一番いい形でこの問題を解決できたわ。ありがとう」

 本音なのか、皮肉なのか、余裕を見せて相手を勝った気にさせない賀来千香子であった。
南三条「こちらの思惑通りのはずなのに、負けた気分になるのは何故なんでしょうね」

土手山「良かったんじゃないですか、“ウインウイン”なわけですから」
南三条「“痛み分け”って感じもしますけど……」
署長「お互いに少しだけ負けておく。それが“大人の知恵”だよ」
土手山「少しだけ負けておいて、ウインウインか…」

 ~~~今回を教訓にして、土手山も元妻に対する態度を反省。

“ウインウイン”か“痛み分け”かは、本人たちの気持ち次第である(凛)



☆田中さん、彼女(瑠璃子)はやめた方がいいんじゃない?
  田中(大倉孝二)は、話題のスイーツを武器に瑠璃子(トリンドル玲奈)に告白しようとしたが、見合いを断ったことを根に持つ署長が田中の仕事の不手際(書類の誤字・脱字)を糾弾した際に、スイーツを持ち出し仲をとりなした。
 しかし、自分のお菓子として署長にあげるのは酷い。しかも、全部。
 「一度食べてみたかった」と喜んでおいて、「実は、(本当に)ダイエット中で」と、
「でも、署長の機嫌がよくなったんだから、良かったですよね」と周囲に確認し、弁解・自己完結
「でも、もし気を悪くされたなら、本当にごめんなさい」
 いや、田中の顔を視れば、傷ついているのは明白であろう。それに、田中がどう感じようと、行為自体が酷いので、無条件に謝るべきだ。
 “本当にごめんなさい”って、口先だけだろう。


【ストーリー】
元妻のみどり(西田尚美)から息子の運動会に参加することが許されず、弁護士に相談するまでに追い詰められた土手山(北村一輝)。一方、署長の真鍋(佐野史郎)がセッティングした見合いを断った田中(大倉孝二)は、話題のスイーツを武器に瑠璃子(トリンドル玲奈)に告白しようと決意するが、その作戦は空振りに終わってしまう。

そんな中、田中が大行列に並んで買ってきた人気のスイーツの生みの親であるパティシエ・唐沢(賀来賢人)が西東京労働基準監督署に相談にやってきた。お菓子を量産するためにレシピを改悪するよう強制されることに耐え切れず退職願を提出したのだが、社長が退職を認めてくれないのだという。凛(竹内結子)は労働者の“辞める自由”を守るために適切な指導をするが、今度は社長の川合(東根作寿英)が唐沢を損害賠償で訴えると言い始めた。どうやら胡桃沢(風間俊介)が川合に助言したらしい。民事裁判になってしまえば労基署は手出しができないのだが、諦めきれない凛は南三条(松坂桃李)と一緒に胡桃沢の事務所に乗り込んだ。

胡桃沢と激しい口論を展開した凛は、その足で川合のもとへ。長年タッグを組んで仕事をしてきて、川合のお陰で“一流パティシエ”として認められるようになったはずの唐沢が、勝手なことを言うのがどうしても許せないという川合。悔しさを隠そうともしない川合を前に唸ることしかできない凛だったが、南三条から唐沢の作るお菓子の味が落ちているという事実を知らされ、もう一度唐沢に会いに行くことに。同じ頃土手山は、川合と唐沢のこじれまくった関係 に自分と元妻の姿を重ね合わせて悩んでいた。。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

将棋雑感 ~女流棋界~

2013-11-01 22:50:30 | 将棋
女流名人位リーグ
 地位は3番手に後退してしまい、B級もなくなってしまったが、40期の伝統とトップ10人の総当たり、実力リーグ戦と言ってよい。
 その長丁場のリーグ戦も最終局を残すのみとなった。
 7回戦終了(残り2局)時点
中村真梨花女流二段(順位8位) 6勝0敗
室田伊緒 女流初段(順位8位) 5勝1敗
清水市代 女流六段(順位2位) 4勝2敗
香川愛生 女流王将(順位6位) 4勝3敗
上田初美 女流三段(順位1位) 3勝3敗
村田智穂 女流二段(順位5位) 3勝3敗
千葉涼子 女流四段(順位7位) 2勝4敗
石橋幸緒 女流四段(順位4位) 1勝5敗
中村桃子 女流初段(順位8位) 0勝7敗
 ・岩根 忍女流二段は休場。奇数人数なので抜け番が生じ、香川女流王将、中村女流初段は1局多く消化している
 ・予選勝ち上がり3名は8位で同順位
 ・「挑戦1人 降級5人」だが、休場者がいる為、9人中4位にならないと残留できない
B級がなくなってしまったので、「降級」という表現はおかしいように感じる。

 「意外」と言っては叱られるかもしれないが、中村女流二段が初戦から5連勝、室田女流初段が4連勝と、予選勝ち上がりの二人が走った。
 この時点で、挑戦の可能性があるのは2敗の清水女流六段までだが、残り2局で2つ星の差がついているので、8回戦で中村女流二段が敗れないと清水女流六段の挑戦の目はなくなる。
 陥落は4敗の千葉女流四段までが決定、残り2つの貧乏くじを3敗3人が争う状況となっているが、清水女流六段も連敗すると、他の競争相手の星の具合で陥落するという目が僅かばかり残っている。

 8回戦の組み合わせ
中村女流二段 6勝0敗-清水女流六段 4勝2敗
室田女流初段 5勝1敗-石橋女流四段 1勝5敗
上田女流三段 3勝3敗-村田女流二段 3勝3敗
千葉女流四段 2勝4敗-中村女流初段 0勝7敗
 香川愛生女流王将(4勝3敗)は抜け番

 中村女流二段の相手は清水女流六段、直接対決である。清水女流六段としては、これに勝つのが絶対条件だが、最終局に中村×室田戦が組まれているので、これに勝っても室田女流初段が星を落とさないと挑戦権には届かない。
 上田-村田戦は残留争い。順位が下位の村田は負けると降級決定。

 結果は……
●中村女流二段 6勝1敗-清水女流六段 5勝2敗○
●室田女流初段 5勝2敗-石橋女流四段 2勝5敗○
○上田女流三段 4勝3敗-村田女流二段 3勝4敗●
●千葉女流四段 2勝5敗-中村女流初段 1勝7敗○

 この結果、
中村真梨花女流二段(順位8位) 6勝1敗
清水市代 女流六段(順位2位) 5勝2敗
室田伊緒 女流初段(順位8位) 5勝2敗
上田初美 女流三段(順位1位) 4勝3敗
香川愛生 女流王将(順位6位) 4勝3敗
村田智穂 女流二段(順位5位) 3勝4敗
石橋幸緒 女流四段(順位4位) 2勝5敗
千葉涼子 女流四段(順位7位) 2勝5敗
中村桃子 女流初段(順位8位) 1勝7敗


 最終局は
中村女流二段 6勝1敗-室田女流初段 5勝2敗
清水女流六段 5勝2敗-上田女流三段 4勝3敗
香川女流王将 4勝3敗-千葉女流四段 2勝5敗
村田女流二段 3勝4敗-石橋女流四段 2勝5敗
 中村女流初段(1勝7敗)は抜け番


 清水女流六段が勝ち中村女流二段が敗れる(室田女流初段の勝ち)と、三者が同星で並ぶ。

 同星の場合の規定が明記されていないが、2009年度は里見香奈倉敷藤花(2位)、千葉涼子女流三段(3位)、岩根忍女流二段(5位)が7勝2敗で並び、パラマス方式のプレーオフの決勝で里見倉敷藤花が岩根女流二段を破って挑戦権を獲得し、五番勝負では3-0のストレートで清水女流名人を降して女流名人位に就いている。(タイトル、段位は当時のもの)
 この年の最終局は1敗だった千葉女流三段を3勝5敗だった本田小百合女流二段(7位)に破り、自身の残留を決め、同じく最終局、矢内理絵子女王-中井広恵女流六段戦を戦っていた。この対局に敗れた矢内女王(1位)は3勝6敗で陥落。勝った順位10位の中井女流六段が勝って4勝6敗としたが、3勝5敗だった7位の本田女流二段、8位の早水千紗女流二段も勝ったため、順位の差でやはり陥落した。
 矢内、中井の両者揃って陥落してしまうのは、可能性としてはあったが、全てが両者降級の目に出てしまった。(私は両者を応援、両者の残留を願っていたが、全く逆の結果になってしまった)
 矢内女王は順位1位、しかも出だし3連勝から6連敗でのまさかの陥落。悪夢だった。

 村田女流二段は陥落決定。清水女流六段の残留も決定。陥落の可能性があるのは上田女流三段と香川女流王将。順位で上田女流三段が有利だが、対局相手を見ると上田女流の方が大変そう。
 果たして、最終局はどんなドラマが繰り広げられるのだろうか。


マイナビ女子オープン
 本戦一回戦が終了。
 左の山は
○井道千尋女流初段-鈴木環那女流二段●
○貞升 南女流初段-相川春香女流2級●
○室谷由紀女流初段-塚田恵梨花アマ ●
○清水市代女流六段-小山田友希アマ ●

 右の山は
○香川愛生 女流王将-甲斐智美女流王位●
○伊藤沙恵奨励会1級-北尾まどか女流二段●
○矢内里絵子女流六段-飯野 愛 アマ●
○加藤桃子 女流王座-上田初美女流三段●

 右の山の方が遥かに濃密のような気がするが、気のせいか。
 特に香川女流王将-甲斐女流王位、加藤女流王座-上田女流三段は内容が濃かった。相川女流王将は攻めっ気が強い。攻めの破壊力が抜群だ。
 準々決勝も興味深い好取組が多い。

女流王座戦
 女流王座戦第一局は加藤女流王座が先勝。敗れた里見女流三冠も彼女らしい揺ら揺らした中盤戦を展開した。拮抗した五番勝負が繰り広げられると期待される。第2局は11月3日、明後日。
 ただ、大きな勝負が続く(しかも敗戦)里見女流三冠の疲労が不安。
 女流王位戦は3-2で里見女流王位を破り、甲斐女流四段が奪取、復位を果たした。
 女流王将戦は香川女流二段が2-1で里見女流王将を破り、初のタイトル獲得。2012年11月28日に初段に昇段し、2013年8月29日二段(タイトル挑戦)、2013年10月23日三段(タイトル獲得)とホップステップジャンプ。今まで、いろいろ紆余曲折があったようだが、ここにきて、その蓄積が一気に花開いた。
 倉敷藤花戦、挑戦者決定戦は甲斐女流王位が香川女流二段を破り、挑戦権を獲得。準決勝は甲斐-上田、香川-中井。第1局は11月10日。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする