英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 第9話

2013-11-29 22:31:42 | ドラマ・映画
賃金報酬……似ている言葉だが………

  派遣労働請負い
  派遣社員個人事業主


「派遣会社とではなく、うちの会社と直接契約しませんか。
 そうすれば、派遣会社に払っているマージンをあなたの報酬に上乗せできます。
 あなたが受け取っているのは、時給1100円だと思いますが、
 私は派遣会社に1450円、お支払しています。
 つまり、その差額の350円をあなたに還元します。
 あなたは今まで通り、9時から夕方5時まで働くだけです。
 どうです、お互いにいい話だと思いませんか?」


おいしそうな話だが、請負契約を結んだため個人事業主となってしまった
 個人事業主は、残業代も有給もつかない。依頼された業務に対して報酬を受ける。
 休んだり、業務を果たせなかった分だけ減額される。


 土手山の元妻の場合
1「ホテル全館のロビー、廊下の清掃を午後5時までに終了させる」
2「午後3時までに1階2階の30部屋の清掃を終了させる」
3「午後5時までに全ての部屋の清掃を終了させる」
となっていた。

 「今まで通り、9時から夕方5時まで働くだけ」と説明されていたので、従来通りの業務を果たしていたが、2番目の項目が完了されておらず、その分が減額されたらしい。
 その上、“報酬”の中から交通費や税金を自分で支払わなければならないため、手取りが減ってしまったのだ。

 社長の言葉(同僚の言葉)を鵜呑みにした土手山の元妻(同僚たち)も迂闊だ。また、それにつけ込んだ社長が一番悪い(それにしてもセコイ)。
 でも、自分の迂闊さを棚に上げ、自分の苦境を人のせいのようにしてキレる元妻に、凜が「馬鹿」と言い切ったのは、すっきりした。


 上述した「残業代、有給なし」「必要経費などは報酬から」などの個人事業主の特性のほか、
個人事業主は働いているのに法律上は「労働者」ではなく、労働基準法には守られない!
のである。
 私も以前、監督官との議論で、それを実感した事がある。それに、有給って羨ましい……。それから………
 理解していたが、改めてドラマで「労働者ではない」と言い切られると……。


 そんなわけで、法律上はどうすることができない……
 「監督官は働く人を守るのが仕事」と息子に言っていた土手山は、何もできないことに落ち込む。

 そこで、凜たちは一計を案じた。
 個人事業者の特性の一つ
「契約した仕事を完遂すれば、その過程を契約相手があれこれ言う権利はない」を利用して、監督官たちがボランティアで助っ人となり、契約終了時間に一気に清掃を完了させようとした。その状況ではホテルの機能が果たせなくなり、焦った社長が「今まで通り9時から5時まで働け」という指揮命令を引き出させ、「給料カットするぞ」と脅させた。
 「それは契約違反だ」「彼女たちが貰うのは報酬でありカットはできない」「給料という言葉を使うこと自体おかしい」と横槍……云々かんぬん…………

 と言う訳で、個人事業主の特質を利用して解決したが、確かに仕事さえすれば文句は言われないが、そういう態度で仕事をすると、絶対に次期の契約や仕事はもらえないぞ。
  それに、完全に監督官の仕事を逸脱しており、かなり強引な解決法であったが、土手山と元妻や息子との関係が改善され、土手山が嬉しそうで、こちらも嬉しくなってしまった。(餅巾着を思う存分食べてほしい)
 まあ、本人たちも「証拠がなければ作ればいい」「法律の裏をかく相手の更にその裏をかく戦術」とか開き直っているので、今回の強引さは目を瞑ろう。

 土手山も離婚前は「仕事をして出世するのが家族の幸せにつながる」と考えていてそれは間違いだったととわかった。そのことを元妻も理解してくれた。
 また、怒っている元妻の同僚たちに、「人を騙すようなことできる人間ではありません」と言い切っていたし。


 多少疑問に感じるのが、2の「3時までに……」という条件は守れないモノなのだろうか?
 これが果たせれば、うまくいくと思うのだが……

 あと、派遣会社との契約を解除する際、その派遣会社としてもマイナスになるだろうし、彼女たちに忠告(助言)すると思う。

【ストーリー】
休暇を取っていた南三条(松坂桃李)が何か吹っ切れた様子で職場に復帰し、西東京労働基準監督署にいつも通りの朝がやってきた。そんな折、土手山(北村一輝)に昇進の話が持ち上がる。しかし、転勤を伴う昇格人事を、土手山は素直に喜ぶことができない。

時を同じくして、監督課に土手山の息子・雄一(渡辺哲史)がやってきた。母のみどり(西田尚美)が、社長に騙されて給料が激減してしまったらしいのだ。話を聞いた凛(竹内結子)は、土手山と共にみどりの働くホテルへ。そこで社長の梶川(松田悟志)から、みどりたちが派遣社員ではなく“個人事業主”としてホテルから業務を請け負う形で契約を結びなおしたことを聞かされる。契約書にはこれまで以上に厳しい条件で業務を請け負うことが記されてあり、その上“個人事業主”である以上は受け取った“報酬”の中から交通費や税金を自分で支払わなければならないため、手取りが減ってしまったのだ。経費削減に悩む梶川に入れ知恵したのは、社会労務士の胡桃沢(風間俊介)。“個人事業主”には労働基準法が適用されないという盲点に注目した胡桃沢は、この仕事を成功させて他のホテルにも自分を売り込もうとしていたのだ。

100%合法な契約書を前に諦めモードの土手山を、一喝する凛。瑠璃子(トリンドル玲奈)たちも、落ち込んでいる土手山のためにひと肌脱ごうと決意し、課の全員が一丸となって凛が立てた作戦を実行に移すことに。果たして彼らは、みどりと土手山を救うことができるのか!?
コメント (2)
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