英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 第8話

2013-11-23 15:39:50 | ドラマ・映画
今回は理想を求める努力がテーマ。

 仕事への信念が未熟だと凜に指摘され、仕事を休み相葉のもとを尋ねる。
 自分を必要だと言う相葉に、その理由を尋ねる。自分のどこを認めてくれたのか?
 そんな南三条に相葉は
「一個200円のリンゴと200円、どちらが偉いのか?その理由は?」
と問いかける。

 ………謎かけ?なぞなぞ?…難しい問題だ。
①200円はそのリンゴを買うことができるし、他のものを買うことができる。200円のリンゴで物々交換の交渉が成立すれば別だが、通常は買えない。よって200円のほうが偉い
②200円のリンゴは、需要などの状況によってもっと高額の価値を持つこともある。よって200円のリンゴのほうが偉い。(価値が下がる場合もある)
③仕入れ値は200円未満のはず。よって200円のほうが偉い
④天候、生産ルート、流通ルートが確立、連携して初めて200円のリンゴが成立している。よってリンゴのほうが偉い

 いろいろな考え方ができ、難しい……

 結局、宿題が加えられただけで、南三条の落ち込みは解消されず、引きこもり状態になる。
 署員は「段田ストレス」によるものだと心配するが、前話の遺族の役に立てなかった無力さ自分の未熟さ落ち込んでいるということを全く理解していない。

 それはともかく、南三条が欠勤しているので、他のメンバーがちゃんと働いたのは良かった。
 
☆小宮の特殊能力発動
・凜の物まね
・休暇を申請した田中を「田中さんがいないと寂しいです」攻撃
    あまり、仕事と関係ないか………。
☆凛と温田のコンビもなかなか良い
☆田中の道化ぶりも面白い
☆土手山の部下思い
南三条家に突撃?同僚に説得させる
恩田「南三条君がいないと、僕が段田さんの指導係をやらせられちゃうんだよ!」
小宮「南三条さんがいないと、職場に華がなくて寂しいです!」
田中「キミの年休はあっさり認められたのに、ぼくの年休申請は課長に怒鳴られただけでおしまいだよ」
土手山「お前が休んでからずっと、微妙に段田の機嫌が悪いんだ」
 土手山は、凛の励ましも期待している南三条の気持ちを見抜き、凜の伝言も伝えた。

 それはさておき、今回の敵は手強かった。
・「向上心」という便利な精神的足枷による表向きには自発的な研修(超過勤務)を強いる
・過酷さを耐え抜いたものだけが残る。精神的強さや能力、会社への従順さを持った社員だけが残ればよい
・向上心による「自発的」という名目。強要に限りなく近い要請は口頭で、法的に問題になるようなことは絶対に書面やメールに残させない巧妙さ


★労働者(現実)と監督官(理想)の主張
社長が“白だ”と言ったら、“黒い鴉も白”なんです!
 それが嫌なら、もう辞めるしかないんですよ!」

世界中の人間が“白だ”と言っても、鴉はやっぱり“黒い”です!

「会社が嫌なら、辞めればいいのに」
「辞めれるもんなら辞めてるよ。でも、現実はそんなに簡単にいかないんだよ。先も見えないし」

「日本人の悪い所だ。従順に会社にしがみつく」
「公務員には分かんねぇ」



 さて、手強い社長に対して、凜が考えた策は……中間管理職(店長)を説得することだった。
「うちの会社の研修は、あくまで個人の自由な時間に、自由な意思で、それぞれの向上心の為に受けている。企業が研修中に賃金を払う必要はない」
「最終的に研修に参加するかどうかは、あくまで個人に意思です」
「(本人の意思に反する行為を社長が強要するということは)もちろんありません。
 私は社員の意思を常に尊重する男です」

という社長の主張を逆手にとって
 全店長が社内規定に反したと告白し、研修を希望すると申請した。
 全店長が一斉に研修を受けて欠勤したら、営業に支障が起こる。

「研修は、勤務時間外に受けろといつも言ってあるだろう!」
凜は、これが指揮命令と認めるか?認めるなら、賃金が発生すると詰め寄る。

店長は、社長をやり込めるのが目的ではなく、説得するのが目的だった。
「若い連中が可愛いんです。潰してほしくないんです。
 スキルアップが大事なことは分かるんです。でも、大事に育ててやりたいんです」


ついに、社長が「研修は強制だった」と認めた(賃金を支払う)

ここで凜が演説。
「辞めるか我慢するかの二つの選択肢しかないのではなく、
 言うべきことは言い、自分たちの会社は自分たちの手でより良いものに変えていくという選択肢がある」


労働基準法第1章第1条
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない。
 労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」



★南三条が出した答
「200円は、“それはもうその価値がない”と世界中の人に言われたら、それはもうお金ではない。
 リンゴは、世界中の人が“それはリンゴじゃない”と言っても、リンゴなんです。
 つまり、他人を気にしなくてはいけないのがお金。自分ひとりだけでも前に進めるのがリンゴ。
 だから、リンゴのほうが偉い」


 非常に面白かった。しかし、不満な点もあった。
 南三条が落ち込んだのは自分が未熟だったことの他に、前回の事故死した労働者の遺族の役に立てず、傷つけてしまったという悔いがあったはず。その点について、全く忘れてしまったかのような南三条に疑問を感じた(凜は会社の労働条件の整備怠慢を正したが)。



【ストーリー】
 仕事への態度が未熟だと凛(竹内結子さん)に一喝され、これからどうしたらいいかわからなくなってしまった南三条(松坂桃李さん)は、相葉(賀来千香子さん)のもとへ。途方に暮れた様子の南三条に相葉が出した宿題は「1個200円のリンゴと200円、どちらが偉いか」という問い。その意味も答えもわからないまま、南三条は年次休暇で一時職場を離れることに。

 瑠璃子(トリンドル玲奈さん)をはじめとする同僚たちは「ダンダストレス」で倒れた南三条を心配するが、当の凛はどこ吹く風。
 そんな中、南三条の同級生の母・照美(かとうかず子さん)が労働基準監督署にやってきた。ブラック企業に勤める息子・航(石田卓也さん)のことを相談したいというのだ。
 話を聞いた凛が早速調査すると、確かに航が勤務する「メキシカンファミレスチェーン・アディオス」では社員に研修を強制しておきながら、その分の賃金を支払っていない可能性が浮上してきた。
 土手山(北村一輝さん)の許可を得て、凛は臨時指導係の温田(水橋研二さん)とともに「アディオス」の社長・七富(升毅さん)の元へ。

 しかし、「研修参加はすべて社員の自主性と向上心の賜物」と主張する七富と凛の話し合いは平行線。
航が働く店舗を訪れて会社側の違法性を直感した凛は、周辺店舗での調査を進めようとするが、その矢先、航が過労で倒れてしまった!
 航をお見舞いに来た上司の島根(石井正則さん)から話を聞いた凛は、研修は会社側の強制と言えるものだが、以前に別の労基署が調査に入った時も是正勧告には至らなかったと聞かされる。

 その頃、航から連絡を受けた南三条は、これまで労基署で働いていて疑問に思っていたことを友人として航にぶつける。
 同じ頃、正攻法で当たっても「アディオス」を攻め落とすことはできないと察した凛は、従業員を救うためのある方法を思いつく。
コメント (2)
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