英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

スペシャリスト 第4話

2016-02-06 21:52:30 | ドラマ・映画
「敵を欺くには先ず味方から」
 “味方”というより“視聴者”を騙すのがまず第一というこのドラマの主題そのものだった。



 ドラマ上で騙された被害者は、唯子(芦名星)耕平(平岡祐太)。
 真里亜(夏菜)も被害者だが、主役クラスなので振り回されても“おいしい”役回り。
 唯子と耕平は、連続ドラマとなって完全に“使いっ走り”に格下げ扱いなので、不憫だ。

 それはともかく、犯人・矢橋の潔白を信じる姉小路(南果歩)が矢橋に呼び出され、危機に陥るという展開。実は、矢橋に騙された振りをしていただけで、姉小路と善人の描いた筋書きだった……のだが、
「ヤバいどころじゃないよ。姉小路さんにとっては、最悪の展開かも」
という善人の言葉。この時点で、唯子と耕平を騙す必要がなく、視聴者の緊迫感を高める為だけの台詞と言える。
 こういう台詞(演出、脚本)が目立つドラマである。



「分かるんですよ~あたしぃ。あたしの相方、10年10ヶ月入ってましたから」
姉小路にこの台詞を言わせるためのストーリーだったのだろう。


 しかし、
「冤罪で刑務所に入る悔しさを、話してたわね。
 本当に冤罪で服役した人間の心は、もっと冷たく冷え切って、もっと静かに強くなるものなの」
と、語る姉小路に対し
「どうして、そんなことが(わかるのか?)」
と矢橋が訊ねたことに対する姉小路の決め台詞であるのだが、善人はそうであっても、今回の姉小路の様子だと、他には冤罪者を見ていないと考えられる。だから、断定し過ぎ。
 断定し過ぎるのも、このドラマの特徴である。



 不可解なのは、復讐に走った矢橋の行動
 冤罪だったのなら復讐も理解できるが、服役を終えて出所してきたのなら、加瀬を殺害して罪を犯すのはリスクを大きくするだけ。
 井澤を探し出すのが困難でも、根気強く探し出して、強請った方がリスクも小さく、リターンも大きい。
 

【ストーリー】番組サイトより
 加瀬信行(山田悠介)というキャバクラのボーイが自宅で刺殺された。部屋の窓ガラスが割られていたことから、臨場した松原唯子(芦名星)、堀川耕平(平岡祐太)らは典型的な居直り強盗と判断。だが、総合事犯対応係(仮称)の部屋に戻ってきた唯子たちからその話を聞いた宅間善人(草剛)は、加瀬の部屋の場所や周辺の環境から「こんな逃げにくいところに空き巣に入るわけがない」と、強盗説を一蹴し、犯人は初めから殺害目的で加瀬の部屋に侵入したはずだと主張する。
 それなら、と加瀬の交友関係を当たり始めた総合事犯対応係(仮称)のメンバーたち。その中で、宅間はなぜか姉小路千波(南果歩)と我妻真里亜(夏菜)を現場に行くよう仕向ける。

 実は宅間は、ここ数日、千波が元受刑者の矢橋宗一(眞島秀和)という男について調べていたことが気になっていた。さらに「加瀬信行」という名前を聞いたときの千波の反応が、露骨に何かを知っているようだったため、その理由を問いただすと、千波は衝撃的な事実を明らかにする…!

 5年前、京都府警捜査一課に在籍していた千波は、ある工場の事務所から純金を盗んだ容疑で矢橋を逮捕。自供もあり、矢橋はそのまま強盗罪で懲役刑を受け、先月刑期を終えて出所したばかりだった。矢橋は当時工場の税務を担当していた税理士で、加瀬はその工場で働く工員、しかも事件当夜に宿直していた人物だったのだ!
 千波が関わった事件と今回の殺人事件が意外な接点を見せたことで、宅間らは出所したばかりの矢橋の犯行を疑う。だが、矢橋の更生を信じたい千波は「勝手に決めつけないで!」と、その推測を強く否定。ひとり矢橋の潜伏先を探し始める。

 一方、宅間たちも矢橋の行方を追う。やがて5年前の工場強盗事件の新たな関係者が浮かび始め…?
 さらに、千波は5年前の事件について真里亜に衝撃的な事実を明かす!

脚本:戸田山雅司
監督:及川拓郎

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