英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

A級順位戦 谷川九段×羽生二冠 その1 【追記あり】

2012-09-26 22:48:48 | 将棋
 竜虎の戦いとも言うべき両者の対局。この対局まで羽生二冠99勝、谷川九段62勝。順位戦では羽生二冠の8勝5敗。ただ、最近は羽生二冠が14勝1敗と圧倒している。これは、谷川九段の棋士会会長の重責が影響しているように思う。
 横歩取り戦で、後手番の羽生二冠は8五飛・4一玉型に構える。中座飛車が確立された当時は8五飛・4一玉型一辺倒であったが、最近は5二玉型、さらに8四飛と構える指し方も復活し、4通りの組み合わせがで指されている。本局の8五飛・4一玉型はやはり横歩取りの中でももっとも研究が進んでいる形とのこと。


 細かな変化はよく知らないのでスルーして第1図。
 ▲3四歩△同飛▲5六角と3五の歩を突き捨て飛車取りの角打ちに後手が飛車をかわしたところ。この5四のかわし場所であるが、「機を見て△5六飛と切る手も狙っている」のだそうで、過去の実戦もそうだったようだ。
 この後、▲3四歩△2八角(この局面は27局の前例があり、戦績は先手12勝、後手14勝、千日手が1局)▲1八香△1九角成▲3三歩成△同銀▲4五角(第2図)と進む。

 ▲4五角は飛車に当てながら、1八の香に紐を付けた攻防の一手。この手に対し、△8四飛と後手はかわしたが、ここで疑問が生じた。
 第1図、5四に飛車をかわしたが、はじめから8四にかわしておけば、第2図の▲4五角は飛車当たりにならないのではないか?
 でも、まあ、羽生二冠が5四にかわしたのだし、先例も△5四角なので、第1図の時△8四飛とかわすのは、きっと後手にまずい変化があるのだろう。

【追記】
記事をアップした後、第1図の△5四飛とした手について少し考えてみました。
 第1図の△5四飛では△8四飛としておけば、確かに実戦と同じ手順を踏めば第2図の▲4五角が飛車当たりにならない。しかし、△8四飛は空中戦(横歩取り戦)における定位置の一つではあるが、戦いが始まっているこの局面においては、ややへき地の感があり、▲3四歩△2八角の時、香を逃げずに(1八に逃げても▲4五角が飛車当たりにならないので▲1八香の意味はあまりない)、▲3三歩成△同銀▲2五桂と余裕を持って先手に攻められてしまう。
 この時、角が4五に居れば△4四銀とかわした手が角当たりになる。また、何かの時に1六の飛を2筋に戻した時、2八の角取りになる。
 飛車を5四に置いて、何かの時に飛車角交換で先手の攻めを断ち切ったり、角がいなくなれば飛車が5七に直射し技を掛けやすくしておかなければならないようだ。

 また第1図の△5四飛では、△3五飛として▲3四歩に△3六歩と攻め合う手も考えられるが、▲3三歩成△同銀に▲4七桂で困る。

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3 コメント

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訂正 ()
2012-09-27 18:53:24
間違えました。

【誤】A級順位戦20連勝→【正】A級順位戦18連勝

24連勝まで伸ばして欲しいです。
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この後の展開 ()
2012-09-27 11:47:13
勝手さん、こんにちは。

>先手の飛車が窮屈すぎて、先手をもって勝てる気がしないですね~

 いえ、この後の展開は、後手の桂損、さらに6五に跳ねた桂馬まで取られます。先手の飛車は、3六→3四と捌けます。さらにと金まで作られてしまいます。それでも、つり合いは取れている気がしますが、後手にとってはもう少し工夫したいところです。
 A級順位戦は深浦九段も嫌な流れですね。ご本人も過去の嫌な思い出がよぎるのではないでしょうか。
 それにしても、羽生二冠、これでA級順位戦20連勝らしいです。自画自賛?ですが、これはすごいです。
返信する
飛車が窮屈 (勝手新四朗)
2012-09-27 00:28:33
先手の飛車が窮屈すぎて、先手をもって勝てる気がしないですね~(結果も羽生2冠の勝利)。
羽生2冠と三浦8段が3連勝で、佐藤王将が2-1で追う展開。高橋9段、橋本8段が3連敗の苦しいスタートになりましたが、まだまだA級は何があるか分かりません。
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