英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ST 赤と白の捜査ファイル』 第4話

2014-08-10 08:14:13 | ドラマ・映画
「この事件…何か臭うな」
「どうしたんですか、急に?」
「刑事っぽいこと言ってみようか、と思った」

 「引きこもり刑事」から、軽いボケをかます「親父ギャグ刑事」になりつつある赤城。

 とは言え、現場で分析を速射砲のように披露する。
「(死体の状況から)一酸化炭素中毒死であることを物語っている。遺体には傷もない。つまり、争った形跡もないってことだ」
「遺書は?」(「まだ見つかっていない」と一課の刑事の返答)
「目張りの張り方が雑過ぎる。慌てて張ったように見える。4人そろっての計画的な自殺なら、何を慌てる必要がある?」
「ガムテープや冊子から指紋が検出されたか?」(「検出されていない」)
「自殺する人間が、指紋を残さないように目張りをしたというのか?」
「目張りに使われたガムテープ残りは、どこに行った?」(一課「見つかっていない」、百合根「誰かが持ち去ったんでしょうか?」)
「これは集団自殺ではない。他殺、最低でも自殺ほう助の可能性が高い」

 隅の臭い以外にも、何かにおいがするということで、黒崎出動!

☆矛盾する松戸警視の言葉
松戸「所轄は意地になって、集団自殺の線で通そうとしている。あなたたち(ST)は他殺だって断定したそうですね」
百合根「まだ集団自殺と決めつけるには不自然なことが多いと思っています」
松戸「“思う”ではなくて、明確な根拠を示してください。学級会みたいに思ったことを言えば褒めてもらえるわけではありません。
 主張が間違っていれば、それは即ミスにつながる」

・「所轄は意地になって集団自殺で捜査」と言っているので、その所轄の判断は間違っていることを示唆しているのに、STに文句をつけている。
・捜査において、断定せず(決めつけず)、「思う」と誤りの可能性も視野に入れるということは大切なはずだし、いろいろな可能性を追い、それを明らかにしていくのが捜査の基本であるはずだ。「主張が間違っていれば、それは即ミスにつながる」という論理も、捜査の可能性を狭めてしまう。
 典型的な駄目上司である。



青山の分析
「遺書は人に読んでもらうために残すモノだよ。探さなきゃ出てこない遺書なんておかしい」
「キャップ、これは自殺じゃないよ。現場の状況からも自殺と判断するには不自然な点が多い」
「不自然なのは部屋自体にも言えるよ。人が生活していた気配がまるでなかった。ゴミも雑誌もなく、整然とし過ぎているこの部屋は一体何をするための部屋だったんだろう?」

さらに、赤城
「不自然な点はまだある。4人は携帯を持っていなかった」(後に、篠崎が「SNSに疲弊している4人に使わないように助言した」と証言)

黒崎と山吹により、匂いの正体も判明。
 しだーると言うお香で睡眠効果があると謳われているもの。
赤城が補足
 お香の睡眠効果に医学的根拠はないが、プラセボ効果を考慮すると可能性がある。
 偽薬でも信じ込むことによって効果が表れることがある。このお香に睡眠効果があると信じ込んでいれば、睡眠効果と同じ効果が出るということはあり得る。

現場にお香をたいた痕跡はなかった。→結論「ガムテープと一緒に持ち去った者がいて、その者が4人を殺害した」


 部屋の持ち主が宗教法人の教祖であることが判明し、百合根、赤城に山吹が隧道
 容疑者は現場の部屋の鍵を所有する教祖・阿久津昇観(松田悟志)、秘書・山形佐知子、一番弟子篠崎雄介(鈴木一真)に絞られたが……

 この3人、カリスマ性が高いが本心を明かさない教祖、忠実そうだが裏がありそうな秘書、怪しさの塊の一番弟子となかなかの容疑者振り。とくに、鈴木一真が登場した時、≪出たっ、こいつかぁ!≫と思ってしまった。
 で、教団内の対立や、幹部同士の恋愛の疑惑が浮上し、3人への聴取の際、翠が同行し、声の調子で心理を分析、△関係の可能性が高いと判断。それが原因で犯行に至った。
 さらに、3人の性格から犯行に及んだ場合、犯行の杜撰さから阿久津は考えにくく、篠崎か山形になるが、阿久津にも動機はある。
 結論が出せない百合根は、山吹の寺で修行することになるが、なぜか赤城も同行(百合根が好きなんだね)。そこには亡くなった4人と一緒に修行していた町田智子(須藤理彩)もいた。
 いままでも、ちらちらと登場していたが、いよいよ本命に迫る。

真骨頂発揮の山吹
 結局、我慢を強いられていたこれまでの人生、それが今回の5人組の中で浮いた存在だったことで爆発し犯行に及んだというのが真相だった。4人も殺害するにしては動機が弱いし、集団自殺に偽装するというのは彼女の性格とはギャップがある。
 この犯行心理を、山吹と智子との問答で明らかにしていく。厳しく追及する山形だったが、智子の心を深く理解した山吹ならではの問答で、彼の真骨頂発揮であった。
【犯行のきっかけ】
・4人と携帯が繋がらなかった
・七輪の存在を知った
・“教祖を裏切った人間は戻ってくるな”と山形に言われた。(山形の「教祖と篠崎」の二股をかけていたことによる小細工)

 智子が犯人であるとした理由は、智子が“救いを求めている”と感じたからだという。何ともあやふやで根拠が薄いが、山吹だから成り立つのだろう。
 犯行を追及され、思わず智子は山吹の首を絞めるが抵抗をしない。本気で彼女を救いたかったらしい

 


今週の赤城
・登場時のボケと鋭い分析
・理論的に思考する赤城に対し、人の心はそう「単純」ではないという町田智子の反論に動揺する赤城
・さらに、愛と欲について論ずる町田と山吹に、科学的な解説を加える赤城の言葉を無視して、山吹に話しかける町田。それが面白くない赤城だが、ふたりの話を黙って聞いていた。
・松戸に早く報告しなければならないとつぶやく百合根に対し、
 「絶対に自殺ではないと断言できる。“椅子にふんぞり返って待っていろ”と伝えておけ」
・山形との対面時の百合根の反応を厳しく分析「鼻唇溝が伸びていた」
「キャップは山形佐知子のことを美人だと思っているな。はじめて山形に会った時、キャップは鼻唇溝が伸びきった状態になっていた」
「“鼻唇溝”?どういうプロファイリングなんですか?」
「単純に“鼻の下が伸びていた”プロファイリングするまでもない」
・智子の犯行と知っていた(らしい)が、山吹を適任者と判断して任せた。(山吹も赤城の気持ちを理解していた)

赤城の伝言命令に“そんなことできるわけない”とつぶやく百合根だったが……
 STに対して何やかやと難癖をつける松戸に対し、徐々に鬱積が溜まり
「STに監査が付くのは分かります。人格的には問題だらけで、警察組織には馴染めない人たちばかりです。でも唯一美点があります。
 彼らの分析は、くだらない面子に左右されることはありません。純粋に彼らの能力や知識によって導き出されたものです」
「そうですか……しかし、今のところ、STは私も納得させるだけの分析を導き出していない。それが問題だと言っているんです」
 いや、これだけ自殺の疑問点があるのに“納得できない”というのは、松戸の頭脳に問題があると思っていたら……
「松戸理事官は、椅子にふんぞり返って待っていてくださいっ!」
 いいぞ、百合根!

気の毒な池田管理官 
 エリートだが、同期の百合根を気に掛ける割といい奴。
 自分勝手なSTと高慢な松戸理事官の板挟みになり、気の毒。
 百合根がキレた時も居合わせ、事件解決の報告をした時も、松戸から「ふんぞり返って待っていてよかった」ときつい皮肉を言われてしまう。 


【ストーリー】番組サイトより
 とあるマンションの一室で男女4人の遺体が発見される。七輪を使った一酸化炭素中毒による集団自殺の線が濃厚だと報告する菊川吾郎(田中哲司)。しかし、現場の状態から自殺と判断するには不自然な点が多い事に気づいた赤城左門(藤原竜也)は他殺あるいは自殺ほう助の可能性が高いと告げる。亡くなった4人は苦楽苑という宗教法人の信者だった。
 赤城と百合根友久(岡田将生)、山吹才蔵(三宅弘城)は早速苦楽苑を訪ね、事件が起きた部屋の所有者でもある教祖の阿久津昇観(松田悟志)に話を聞く。そして現場となった部屋には普段、鍵が掛けられていたことや、阿久津と意見が対立した一番弟子の篠崎雄介(鈴木一真)が苦楽苑から独立しようとしていたことが判明する。
 続いて赤城たちは亡くなった4人と一緒に修行していた町田智子(須藤理彩)を訪ねる。警戒していた町田だったが僧籍を持つ山吹には心を開き、篠崎が自殺を肯定しかねない思想を持っていたことを話してくれる。しかし当の篠崎はその場で思いついたことを言ったまでだと主張。また部屋の鍵は郵便受けに置いており、信者が自由に使えるようにしていたと話す。阿久津と篠崎の言うことが微妙に食い違っているなど、捜査はなかなか進展しない中、百合根はとある喫茶店で山吹が町田と楽しそうに話をしているのを目にし…。
 人間の《欲》を描いた第4話。不動心の男・山吹が遂に動き出すー。

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2 コメント

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それに比べて黒崎は… ()
2014-08-10 22:49:01
koumamaさん、こんばんは。

>今回は大活躍の回でしたね(笑)
あの須藤さん演じる犯人の智子と山吹の押し問答が迫力ありましたね

 ええ、今までは通行人扱いでした。
 それに比べて、黒崎は匂い検知器と噂話の聞き手のみ、アクションもなかったです。

>今回は赤城君 一人突込みしてて面白かったな。

 キャラが変わってきているような気が……

>松戸さん演じる瀬戸朝香さん いつもどうしてこういう笑顔のない役なんだろうね(笑)なんだかかわいそうだなって思いました

 偉そうな役、まじめな役など多いですが、どれも「朗らか」とは縁遠い役ですね。いつも「つんつん」しています(笑)
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山吹さん (koumama)
2014-08-10 21:21:26
今回は大活躍の回でしたね(笑)
あの須藤さん演じる犯人の智子と山吹の押し問答が迫力ありましたね。
今回は赤城君 一人突込みしてて面白かったな。

ドラマに関係ないのだけど
松戸さん演じる瀬戸朝香さん いつもどうしてこういう笑顔のない役なんだろうね(笑)なんだかかわいそうだなって思いました(笑)
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