英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ウィンブルドン2014 男子決勝 フェデラー×ジョコビッチ

2014-09-21 19:44:52 | スポーツ
 「今更」という言葉さえも通り過ぎてしまう程、時が経ってしまいましたが、当ブログに於いて「今更」は年中行事なので目を瞑っていただきます。

 実は、この試合を観たのはほんの数日前。4回戦ぐらいまでは、ほぼリアルタイムで見たのですが、おそらくワールドカップサッカーと重なってしまい、先延ばしになったような気がします。
 と、書くと、私の興味は「サッカー>テニス」と思われるかもしれませんが、逆で「テニス>サッカー」です。ただ、テニスの試合、特に男子の試合は長くて熱戦になると3時間を超え、4時間オーバーの試合も時にはあるので、観戦するのも気合が必要なのです。


 私はフェデラーのファンだ。テニスの申し子のようなフェデラーを初めて見た時の衝撃は大きかった。サンプラスを超える選手は現れないだろうと思っていたが、またまく間に追いつき追い越してしまった。(グランドスラムと言われる4大大会の優勝回数はフェデラー17回、サンプラス14回)
 このフェデラーを凌ぐ選手が出来るとは思わなかったが、ナダルが出現。全仏9度の制覇を含め14回に到達してしまった。とは言え、『「クレーキング」と称されるほどクレーコートで圧倒的に強いが、他のサーフェスは今一つ』という評価もできる。ただ、「対フェデラーの対戦成績は23勝10敗(今年5月現在)とナダルが圧倒している」という事実も無視できない。さらにジョコビッチも現れて、今年のウインブルドンまで4大大会制覇は6度を数えてしまった。(ジョコビッチは対フェデラー戦、対ナダル戦は若干リードされているがほぼ互角まで追い上げてきている)
 このように、ナダルの台頭で「二強時代」、さらにジョコビッチが力をつけ「三強時代」となり、徐々に両者に押され始めてきた。その中で、一昨年のウィンブルドンでの優勝は感涙ものであった。
 最近は、アンディ・マレーを加えて「ビッグフォー」と称されているが、3番手あるいは4番手と言われてもきっぱり否定できない状況だった。

 そんな中での今年のウィンブルドン、フェデラーは、準々決勝で第5シードのワウリンカに1セット落としただけで、快調に勝ち進み、決勝に勝ち進んだ。準決勝も、4回戦で錦織を破ったビッグサーバーのラオニッチ(第8シード)もストレートで退けている。今年からステファン・エドバーグをコーチに迎えており、ネットプレーが増えた印象がある。
 一方のジョコビッチは、準々決勝でチリッチに1-2とリードされての逆転勝ち(6-1,3-6,6-7,6-2,6-2)、さらに準決勝でもディミトロフにセットカウントこそ3-1であったがギリギリの勝負を繰り広げての勝ち上がりであった。
 準決勝のディミトロフ(第11シード・ブルガリア)は“ベビーフェデラー”と言われるほど、フェデラーとプレースタイルが似ているオールラウンドプレーヤー。
 第1セットはジョコビッチがとったが、第2セットはディミトロフはゲームを支配し、第3セット、第4セットは大接戦となった。どちらがセットを取っても不思議でない内容だったが、どちらかと言うと、ディミトロフが押していたように感じた。お互いが信じられないコートカバーを見せ、スーパーショットの応酬を見せた。
 (残りビッグフォーは、第2シードのナダルが4回戦でモンフィス(第24シード・フランス)に1-3で敗れ、マレーは準々決勝でディミトロフに0-3で敗れている)

 決勝、第1セットは静かな立ち上がりで、ブレークポイントを取られることなく互いにサービスキープ、タイブレークに進んだ。
 タイブレークはまずフェデラーがミニブレーク、ジョコビッチが逆にミニブレークから6-5と逆転。そこで、フェデラーが集中力を高め、9-7でタイブレークを制し、セットを奪った。
 第2セットは、第3ゲームをジョコビッチがブレークし、そのままサービスゲームをキープして6-4でセットを取った。
 第3セット、互いにサービスゲームをキープし5-5。
 ここまでほぼ互角のゲーム展開にも思えたが、フェデラーはブレークポイントどころか相手のサービスの時、0-30とリードを奪えたことが一度もなかった。
 ストロークのラリーも押されていて、ジョコビッチの球足に押されてミスをするか、意を決してネットに出るがことごとくパッシングで抜かれるか、抜かれまいとアプローチショットを厳しく突こうとしてミスショットをするかのパターンを繰り返した。
 時折、厳しいコースを突くショットを放つが、ジョコビッチの守備力は素晴らしく返されるどころか、体勢を崩しながらもベースラインぎりぎりに返されるので、フェデラーはゲームを支配できないでいた。
 しかし、フェデラーも一度では決まらないならと、コースを突き何度もジョコビッチを左右に走らせて、浮き球を冷静にソフトボレーを決め対抗。また、サーブが好調で、サービスエースを数多く奪い、こちらもブレークポイントさえ与えない。


 とにかく、フェデラーのサーブの第11ゲーム、このゲームを取らないと厳しいぞと思っていたが、40-15とリードでなりほっとする。次のゲームが勝負と思っていた。
 ところが、フェデラーがダブルフォルト。この次のフェデラーのサーブがノータッチエースで決まったかと思えたが、ジョコビッチがチャレンジ(異議申し立て)した結果、フォルトの判定。結局、セカンドサービスの後ラリー戦を競り負け、デュースに持ち込また。
 さらに、次のポイントも取られ、初のブレークポイントを与えてしまった。と言うより、セットポイントを握られてしまった。
 ここで、フェデラーは強力サーブでピンチを跳ね返す。この後、ラリーを押され再度セットポイントを握られたが、3連続サービスエースを決めてピンチを脱した。

 結局、このセットはタイブレーク。
 “押されている”という印象は拭えず、このタイブレークを取らないと厳しいと観ていたが、正直、≪取れない≫とも感じていた。
 両者、1度ずつミニブレークをして、3-4でフェデラーのサーブ。強力なサーブでジョコビッチの返球が浮いたところをフェデラー、思い切り叩く。しかし、これが力が入り過ぎたのかサイドラインを割ってしまう。ジョコビッチがフェデラーの球筋の方にポジショニングを取っており、より厳しく強くと振り過ぎたのだ。
 7-4でジョコビッチがタイブレークを制し、このセットをジョコビッチが奪った。最後のポイントも、ストロークラリーで押されたフェデラーがミス。

 ゲーム内容もスコアもジョコビッチが優位となり、試合の流れは完全にジョコビッチと思われた。
 第4セット、第4ゲーム、ジョコビッチがブレークに成功、3-1とリード。

 ところが、フェデラーも続く第5ゲーム、この試合、初めて0-30とし、このゲームを奪い、初めてブレークを果たした。
 続く第6ゲームも15-15から、フェデラーがサーブアンドネットを試み、ジョコビッチを揺さぶり最後にスマッシュを叩き込み、フェデラーがペースをつかんだかに見えた。
 続くポイントも、ネットに出たフェデラー。しかし、ジョコビッチ、フェデラーの脇をパッシングショットで抜く。オンライン!……フェデラー、天を仰ぐ。
 このゲームを、ジョコビッチがブレークして4-2。
 ≪ああ、やっぱり…≫
という空気が漂う。

 第7ゲーム。最初のポイント、長いラリーをフェデラーがミス。
 ただ、このラリーは今までと少し違っていた。フェデラーの返球が強さを増し、ジョコビッチが返すだけになっていた。
 次のポイントは、ジョコビッチがイージーミス。
 次のポイントは、フェデラーがネットプレーを挑み、ボレーを叩き込む。フェデラーのアプローチショットが鋭く、余裕を持ってネットに出ることができた。30-15。
 次のポイント、ラリー中、フェデラーが回り込んでフォアの強打を狙うがネット。
 次のポイント、ジョコビッチのサーブを回り込んで返球。とにかく、積極的なフェデラー。
 長いラリーをジョコビッチが制し、40-30。
 ジョコビッチがサービスエースを決めて、このゲームを奪い、ゲームカウント5-2

 第8ゲーム、サーブアンドボレーなどを駆使する積極的なプレーで、1ポイント失っただけでフェデラーがサービスキープ。

 第9ゲーム、フェデラーのレシーブが浮いたのをジョコビッチが強打するも、アウト。
 次のポイント、ラリー中の回り込みが功を奏して、フェデラーポイント。
 ジョコビッチが2ポイント連取。
 30-30、ラリー中、バックのアプローチを振りぬき、これがエース。見事なバックのトップスピンだった。
 ブレークポイント、フェデラー。ジョコビッチの逆クロスを、バックでダウンザライン。これをかろうじてジョコビッチ返すも、フェデラーがクリーンヒットしてポイント。ブレークを果たす。ゲームカウント、4-5。

 第10ゲーム。ブレーク数では並んだものの、このゲームを落とすと終了。ゲームの流れはフェデラーにあるが、ブレーク合戦の様相を考えると、油断はできない。
 最初のポイント、ラリー中、フェデラーが回り込んでフォアの逆クロスでジョコビッチをコートの隅に誘い、返球をオープンコートに返してネットへダッシュ!しかし、これをジョコビッチは読んでいて、パッシングショット!。このゲーム、何度も見たシーンをまた見せつけられた。フェデラーのアプローチショットも甘かった。
 それでもひるまず、ストロークのタイミングを早め、体重を乗せる。これをジョコビッチがミス。15-15。
 セカンドサービスのリターンに対し、通常より回転を強くしたスライスボール。ネットすれすれを通過し、滑るようなバウンドに、ジョコビッチがミス。30-15。
 しかし、ここでダブルフォルト。30-30。
 さらに、ファーストサーブがフォルト。セカンドサーブをラリーに持ち込まれ、フェデラーがネットに掛け、30-40。マッチポイント……チャンピオンシップポイントだ。
【続く】

「続く」としていますが、続きは書いてないです。申し訳ありません。
 
 
 

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2 コメント

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Unknown (ぴょん太)
2014-09-22 01:24:21
こんばんは
意外な?話題に突っ込みます(笑)
失礼をお許し下さい

個人的には、ウィンブルドンと言えば…
そりゃやっぱり、「ボルグvsマッケンロー」でしょうと!
いうオールドファンです

大のマッケンローファンなのに、何となくボルグに勝って欲しくなったりする時もある位、ボルグのプレーは感動的でした

ボルグというスタープレーヤーの登場で一時期スウェーデンは、エドベリを初めとする後継者がテニス王国を築いていました

錦織を見てテニスを始めた世代が、日本をテニス王国にする日が来ることを願ってやみません



あ、それと、相撲も先代栃東や舞の海のような、小兵のワザ氏は本当に大好きです
マイケル・チャン、先日の全米で久しぶりに見てとても懐かしかったです
当然大ファンでした
なぜ錦織がマイケル・チャンをコーチにしたのかは謎ですが(プレースタイルも何もかも違うので)、でも結果が出たから、その選択は正解だったのでしょうね

英さんが書かれた「ビッグ4」に早く錦織が食い込んでないかと待ち望んでいます
返信する
右に(上に)同じです ()
2014-09-22 16:48:31
ぴょん太さん、こんにちは。

>そりゃやっぱり、「ボルグvsマッケンロー」でしょうと!
いうオールドファンです

 おお、同じです。
 特に、何回目かの決勝対戦で、何度もデュースを繰り返した名勝負は忘れられません。

>大のマッケンローファンなのに、何となくボルグに勝って欲しくなったりする時もある位、ボルグのプレーは感動的でした

 コナーズの攻撃的なプレーを、ボルグはベースラインからのストロークでことごとく跳ね返していましたね。将棋で言えば、「森内竜王の鉄板の受け」+「木村八段の顔面受け」で、守りと言うよりは攻撃的な守備でした。

>ボルグというスタープレーヤーの登場で一時期スウェーデンは、エドベリを初めとする後継者がテニス王国を築いていました

 ボルグの早期引退は残念でしたが、スウェーデンのテニスプレーヤーはエドベリ、ビランデル、ヤリードが思い浮かびますね。
 ちょっと横道に逸れますが、スウェーデンのスポーツ選手と言えば、ステンマルクが忘れられません。
 柔らかで無駄のないターン、それに、バランスを崩しても立て直す余力のある滑り。アナウンサーは「復元力」と表現していました。
 スウェーデンは、あと、アイスホッケー、ノルディックスキー、卓球が強いですね。

>あ、それと、相撲も先代栃東や舞の海のような、小兵のワザ氏は本当に大好きです

 ええ、私も好きでした。あと、旭国も好きでした。

>「ビッグ4」に早く錦織が食い込んでないかと待ち望んでいます

 「ビッグ4」と書きましたが、個人的にはマレーを同格に扱うのは抵抗があり、「3強」としたいです。

 錦織選手については、非常に進化しています。3回戦は、押されながらも踏ん張り、また、日没サスペンデッドという精神的圧力にも耐え、精神的にも一段アップしたように思います。
 ラオニッチ戦も、ラオニッチの立ち上がりの悪さを捉えて先行しセットを奪取しましたが、第1セット中盤以降は立ち直ったラオニッチに、よく対抗したという印象です。ラオニッチの出来が良かったと考えるべきなのかもしれません。
 ウィンブルドンでのジョコビッチをを観た感想は「よくジョコビッチに勝てたなあ」というのが正直なところです。
 憶測ですが、錦織に対する評価は上がってきていますが、それでもトップ8ぐらいの選手には、「まず9分くらいの力で」と温存して勝とうという戦略を取ったのではないか?と思います。
 今後は、錦織に対しては最初からほぼ全力で向かってくると思われるので、大変かもしれません。
 
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