英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

緊急取調室 3rd SEASON 第2話「私が勝ちました」

2019-04-20 12:43:15 | ドラマ・映画
2つの悪意(嫌悪)が重なり、殺人に至ってしまった…
 被害者に毒を持った容疑者はふたりの女流棋士。
 女流棋士なので、心の内面を表さず、先を読む能力にも長けている。どちらも怪しいが、無実のような気がする。


 ……真相は、宗形あずさ(紺野まひる)が死に至ることは稀というキノコの毒を盛り、橘日名子(松井珠理奈)が被害者が通常服用していた下剤を増量した。
 ふたりとも≪邪魔なので対局会場からいなくなってほしい≫という意図で、殺意はなかった。二人の悪意が重なり、死に至ってしまった

 罪状は『殺人』ではなく、『傷害罪』あるいは『傷害致死罪』。(明らかな毒物を盛ったあずさの方が罪が重くなりそう)

 被害者の大庭広夢(合田雅吏)はスポンサーだが、《金儲けになりさえすればよく、将棋界や棋士のことなどどうでもよい》という思想の持ち主。
 今回もあずさに八百長を持ちかけ、日名子には涙で世間の好感を上げろと指示していた。
 “土足で将棋界に踏み込んできた”というような表現を用いていたが、リアルな将棋界での『電王戦』関係者が心に浮かんだ。全ての人がそうではないが、個人的な印象ではあるが、スポンサーや将棋ソフト開発者にそういうものを感じた。

 “踏み荒らす”意図がない方たちも多かったが、結果的に《PCが1秒で分かる詰みを逃した》とか《公開されている無料のソフトにも劣る無価値な存在》と蔑む声も横行した。
 さらに、PCソフトの力を活用して、気力をアップさせた棋士も多くいる(この善悪の判断は微妙だが、羽生ファンの私にとっては、面白くない事態に陥っている)
        ……………………横道に逸れてしまいました。

 ≪どちらが毒を盛ったか?≫の決め手になるのが、将棋の駒の玉将、王将に付着した毒物。玉は取られて持駒になることはなく、相手が触れることがないので、毒が付着していれば犯人が特定できるという論理。これは将棋の特性をうまく利用した推理ストーリーで感心した。

 ただし、“囚人のジレンマ”(共犯者が自供したのではないかと疑心暗鬼に陥らせ、自白に誘導する)を用いたのは感心しない。
 メモ書きのやり取りでゆさぶりをかけるだけなら良いが、「話を始めた」と嘘ではないが誤解をさせるような騙しは、管理官の言うようにフェアじゃない。

 それに、“囚人のジレンマ”を用いる場合は、ふたりが共犯の場合に有効で、片方が潔白の場合は無効である。
 今回の場合、最終取調べの前に、あずさが日名子に共闘を持ちかけたが、お互いの疑惑をぶつけたシーンが終了し、情報の共有をしたのかはっきりしなかった。

 そもそも、死因をどう考えていたのだろうか?この点についても、ドラマでは明らかにされず、不満
あずさ
……自分が毒を盛った。死に至らないはずだったが、実際には死に至ってしまった。下剤の相乗効果があったとはいえ、自分が毒を盛らなければ、死ななかったのは間違いない。
  下剤は被害者が常用しており、日名子が増量したことは知らなかったと考えられる。 
日名子
……自分が下剤を増量したのが、キノコの毒の効果をアップさせて死に至らしめたのかもしれない。
  しかし、毒を盛った者がいるのは間違いなく、おそらく、毒を盛ったのはあずさであろうと思っていたはず。

 死因の主因・誘因、さらに自分の持つ情報量も日名子が優位にあると考えられる。

【ちょっとした言い回しの違和感】
「取り口」(あずさ、玉垣刑事)……「指し手」「指し方」のほうがしっくりくる
「将棋は交代で指す」(日名子)……「交互に指す」が正しい


【ストーリー】番組サイトより
 とある旅館で、女流棋戦の最終対局が行われていた。対戦するのは20歳の新進女流棋士・橘日名子(松井珠理奈)とベテラン女流棋士・宗形あずさ(紺野まひる)。日名子は女性初のプロ候補として期待される逸材であり、ここで勝てば、あずさがかつて打ち立てた記録をしのぐ22連勝も達成することになる。そのため、この対局は世間の注目度も高く、ネットで大々的に生中継されていた。
 ところが対局中、とんでもない事件が起こる。解説を担当していたスポンサー・大庭広夢(合田雅吏)が、体調を崩して退席。その後、控室で絶命しているのが見つかったのだ!
 不測の事態を受け、対局は急きょ延期されることに…。そんな中、死因は中毒死だと判明。大庭が水筒に入れて持参していたお茶に、毒キノコの粉末が混入していたことが明らかになる。しかも、あずさの“ある証言”により、疑いの目は日名子に注がれ…!
 真壁有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」はさっそく日名子の取り調べを開始。日名子は関与を否定するが、調べれば調べるほど容疑は深まっていく結果に…。というのも最終対局中、日名子はあずさが長考している間に約5分退席。しかも、このとき日名子が触れた蘭の花から、毒キノコの粉末が発見されたのだ。 だが、有希子はどうも話が出来過ぎだと、いぶかしがり…。
 これぞという決め手がなく、見えそうで見えない真実。やがてキントリ・チームは王手をかけるべく、なんと日名子とあずさを同じ日時に別室へ呼び出し、前代未聞の“二元同時取り調べ”を始める――。

脚本:井上由美子 
演出:常廣丈太

【撮影協力:社団法人日本将棋連盟  将棋指導・棋譜監修:竹部さゆり女流四段】

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