川勝知事について、私は昨年9月に『静岡県知事の馬鹿な発言』で批判している。
その川勝知事がまたしでかした。今回は「暴挙」と言って良いだろう。
NHK NEWS・WEB 「静岡県知事 全国学力テストで校長名を公表」より引用
静岡県の川勝知事は全国学力テストの小学校の国語Aの結果について、全国平均を上回った学校の校長名を県教育委員会の方針に反して公表しました。
学力テストの結果は、ことしから教育委員会の判断で公表が可能となりましたが、知事が公表できるとは定められておらず、議論を呼ぶことになりそうです。
静岡県の川勝知事は、先月、国から示された全国学力テストの結果について、小学6年生の国語Aで全国平均を上回った262校の校長の名前と35の市と町ごとの平均正答率を、4日夕方、県のホームページで公表しました。
全国学力テストについては、今回から国のルールが変わり、学校ごとの結果は、教育委員会の判断で公表することが可能となりましたが、知事ができるとは定められていません。
今回、県教育委員会はみずからは学校ごとの結果を公表しない方針で、この知事の対応について、今後、議論を呼ぶことになりそうです。
公表の理由について川勝知事は「学力の問題は先生の責任であるとともに功績でもあることを理解してほしい。テストは受ける以上、結果は出すべきだ」と述べました。
川勝知事は、去年、小学校の国語Aの結果が全国最下位だったことを受けて、全国平均を上回った学校の校長名を公表しています。
上記の記事は知事のインタビューを要約してあるようです。
NHKニュースで報道された知事の言葉は
「教育の責任は先生にある」というその基本的な考え方を明確にするために、校長先生の名前をご公表申し上げたと。
……≪編集によるカット≫……その努力を讃えたいということであります」
さらに
「(47都道府県のデータを公表している)文科省の方針を静岡県におろせば、35市町における各科目の平均正答率の公表ということで……」
「文科省は矛盾したことを言いなさんな、ということですね」
と、反論している。
私は学力テストの施行の意義が薄く、弊害の方が大きい。さらに、成績公表は、その弊害に輪を掛けるモノだと考えている。
昨年時点での、静岡県知事の行為「校長名の公表」の弊害については、昨年記事で述べているので、今回は氏のルール無視や言葉について言及したい。
一見、氏の教育理念や信念を貫いた行為のように思えるが、昨年記事で述べたように短絡的思考を短絡的に行動に現しただけである(しつこいようですが、「短絡的」と断ずる理由は昨年記事に)。
それに、例え、氏の理念が正しかったとしても、その行為自体がルール違反なら、犯罪者の行為と同じである。
今回、成績を公表する権限(判断)は知事にはなく、
文部科学省は
・学校の順位付けをしない
・学力向上の対策を示す
などの条件を満たしたうえで、教育委員会が公表するか判断するとしていた。
静岡県教育委員会ははみずからは学校ごとの結果を公表しない方針だった。
静岡県教育委員会の教育長のコメント
「結果の公表については実施要領に基づいて知事にも配慮いただくということだったので、非常に残念な結果だ。各市町の教育委員会が結果をふまえて、どう対応したらいいか検討しているさなかに数字だけ公表されてしまった。知事の県民のためにという思いは分かるが、その思いを実現するにはもっと別の方法もあると思う」
知事は県政のトップで責任者であるが、一番偉いわけではない。
「正しい理念であっても、その方法がルール無視をしたものであってはならない」……そういったことを知らない人が知事で良いのだろうか?
来年度から教育委員会制度が見直され、自治体の長の関与が強まるという。
過去にも現在においても、弾みで知事になってしまった人が見られるが、大丈夫なのだろうか?
その川勝知事がまたしでかした。今回は「暴挙」と言って良いだろう。
NHK NEWS・WEB 「静岡県知事 全国学力テストで校長名を公表」より引用
静岡県の川勝知事は全国学力テストの小学校の国語Aの結果について、全国平均を上回った学校の校長名を県教育委員会の方針に反して公表しました。
学力テストの結果は、ことしから教育委員会の判断で公表が可能となりましたが、知事が公表できるとは定められておらず、議論を呼ぶことになりそうです。
静岡県の川勝知事は、先月、国から示された全国学力テストの結果について、小学6年生の国語Aで全国平均を上回った262校の校長の名前と35の市と町ごとの平均正答率を、4日夕方、県のホームページで公表しました。
全国学力テストについては、今回から国のルールが変わり、学校ごとの結果は、教育委員会の判断で公表することが可能となりましたが、知事ができるとは定められていません。
今回、県教育委員会はみずからは学校ごとの結果を公表しない方針で、この知事の対応について、今後、議論を呼ぶことになりそうです。
公表の理由について川勝知事は「学力の問題は先生の責任であるとともに功績でもあることを理解してほしい。テストは受ける以上、結果は出すべきだ」と述べました。
川勝知事は、去年、小学校の国語Aの結果が全国最下位だったことを受けて、全国平均を上回った学校の校長名を公表しています。
上記の記事は知事のインタビューを要約してあるようです。
NHKニュースで報道された知事の言葉は
「教育の責任は先生にある」というその基本的な考え方を明確にするために、校長先生の名前をご公表申し上げたと。
……≪編集によるカット≫……その努力を讃えたいということであります」
さらに
「(47都道府県のデータを公表している)文科省の方針を静岡県におろせば、35市町における各科目の平均正答率の公表ということで……」
「文科省は矛盾したことを言いなさんな、ということですね」
と、反論している。
私は学力テストの施行の意義が薄く、弊害の方が大きい。さらに、成績公表は、その弊害に輪を掛けるモノだと考えている。
昨年時点での、静岡県知事の行為「校長名の公表」の弊害については、昨年記事で述べているので、今回は氏のルール無視や言葉について言及したい。
一見、氏の教育理念や信念を貫いた行為のように思えるが、昨年記事で述べたように短絡的思考を短絡的に行動に現しただけである(しつこいようですが、「短絡的」と断ずる理由は昨年記事に)。
それに、例え、氏の理念が正しかったとしても、その行為自体がルール違反なら、犯罪者の行為と同じである。
今回、成績を公表する権限(判断)は知事にはなく、
文部科学省は
・学校の順位付けをしない
・学力向上の対策を示す
などの条件を満たしたうえで、教育委員会が公表するか判断するとしていた。
静岡県教育委員会ははみずからは学校ごとの結果を公表しない方針だった。
静岡県教育委員会の教育長のコメント
「結果の公表については実施要領に基づいて知事にも配慮いただくということだったので、非常に残念な結果だ。各市町の教育委員会が結果をふまえて、どう対応したらいいか検討しているさなかに数字だけ公表されてしまった。知事の県民のためにという思いは分かるが、その思いを実現するにはもっと別の方法もあると思う」
知事は県政のトップで責任者であるが、一番偉いわけではない。
「正しい理念であっても、その方法がルール無視をしたものであってはならない」……そういったことを知らない人が知事で良いのだろうか?
来年度から教育委員会制度が見直され、自治体の長の関与が強まるという。
過去にも現在においても、弾みで知事になってしまった人が見られるが、大丈夫なのだろうか?
私の意見としては、前回も申し上げたと思いますが、学力テストの点数だけで学校や地域や教員を評価する空気を作って行くことは悪い副作用をもたらすと思いますし、児童生徒にとっても、学校での教育内容が学力テスト対策に傾きすぎていくことや評価基準が学力テストの点数重視に傾いて行くような傾向になることは不幸なことだと思います。
川勝知事はしょうもない論理を使って駄々っ子のような言動を繰り返していますが、それに対抗できない教育長も腑抜けの印象があります。川勝氏の明らかなルール違反に対する準備やその後の抗議は非常に弱弱しいものでした。
また、静岡新聞によれば、今回のことで県に寄せられた意見は、知事の行動に対して賛成派が19件、反対派が19件で、半々というものでした。このあたりに、大きな産業も少なく、停滞、沈滞傾向にある静岡県民の心情が表れているなあという感想を持ちました。つまり、ルール違反でもいいから、刺激を与えて県全体を盛り上げて欲しいと思っている人が多い、ということだと思います。私自身は、川勝氏の子供じみた言動にはあきれているばかりです。典型的な教育の素人の言動ですね。
白状すると、エスカルゴさんを意識して書きました。
静岡県知事の暴挙に憤りを感じて書いたのですが、昨年いただいたコメントが、理路整然として感服したので、今回の件については、エスカルゴさんだとどのように感じられているのだろうかと。
>学力テストの点数だけで学校や地域や教員を評価する空気を作って行くことは悪い副作用をもたらすと思いますし、児童生徒にとっても、学校での教育内容が学力テスト対策に傾きすぎていくことや評価基準が学力テストの点数重視に傾いて行くような傾向になることは不幸なことだと思います。
ええ、まったく同感です。
学力テストの実施自体が弊害の方が大きいですし、その恐れ通りになりつつあります。
そもそも、一年に一度、しかも2教科だけで判断できるとは思えません。
>川勝知事はしょうもない論理を使って駄々っ子のような言動を繰り返していますが、それに対抗できない教育長も腑抜けの印象があります。川勝氏の明らかなルール違反に対する準備やその後の抗議は非常に弱弱しいものでした。
そうですね。リコールに持っていくぐらいの断固たる姿勢を示してほしかったです。
>知事の行動に対して賛成派が19件、反対派が19件で、半々というものでした。
5分5分の反応というのは、残念です。
「校長先生の名前をご公表したのは……その努力を讃えたいということであります」
という“プラスの評価”をしたという点を支持した(“プラスの評価”をした表現にごまかされた)人もいたのでしょう。
>私自身は、川勝氏の子供じみた言動にはあきれているばかりです。典型的な教育の素人の言動ですね。
これは完全な主観ですが、知事の表情は「私の主張や行為は正しい」と妄信している人と共通する匂いを感じます。
学力テストなんて、高得点を取らせようと思えばとにかく暗記(やり方含め)に偏って、考えるな、覚えろ、になるものなのに・・、
>「(47都道府県のデータを公表している)文科省の方針を静岡県におろせば、35市町における各科目の平均正答率の公表ということで……」
「文科省は矛盾したことを言いなさんな、ということですね」
これがいいなら個々人の成績を公表してもいいことになるんですが。
> 知事は県政のトップで責任者であるが、一番偉いわけではない。
「正しい理念であっても、その方法がルール無視をしていけない」……そういったことを知らない人が知事で良いのだろうか?
ここは違います。
偉い人程ルールを破ってはいけません。
逆に、ルール違反だからといって、ただちにその意見を否とするのも思考停止なのですが、権力者というルールを作成したりさせたりする側が守らないのは厳しく追求しなければならない。
最近は、授業を受講している人数が多い程給料を上げろなどという主張をする大学の講師までいるようで。
日本人も本当に駄々っ子が増えて困ったことです。
貧すれば鈍するとはいうけれど。
>学力テストなんて、高得点を取らせようと思えばとにかく暗記(やり方含め)に偏って、考えるな、覚えろ、になるものなのに・・
学力テストは、児童・生徒がどのような問題が苦手かを把握するのが目的だと思うのですが、結果(点数)だけが先走りしています。
結果(点数)だけを求めるのは意味がなく、現状は垣外しかなっていません。
とにかくこの人(知事)は、学力テストの意義を完全にはき違えています。
>偉い人程ルールを破ってはいけません。
>逆に、ルール違反だからといって、ただちにその意見を否とするのも思考停止なのですが、権力者というルールを作成したりさせたりする側が守らないのは厳しく追求しなければならない。
私が述べた「ルール違反云々」は確かに思考停止かもしれませんが、ルールを作成する立場にある人が、自己正義のためにルールを破ってはいけないという意味です。(かみしろさんと大義は同じです)
>>「正しい理念であっても、その方法がルール無視をしていけない」
この言い回しは文法的に変なので、本文を訂正しました。