テーマは「見せかけ」
美容整形による「見せかけの顔」で顔認証システムをごまかし、殺人事件をも「見せかけの殺人事件(自殺)」でごまかそうとした。
着眼点やその利用の仕方は面白かったが、それにこだわりすぎて、ドラマとしての登場人物の行動や右京の激昂の方向(相手)が歪んでしまった。
この話自体が「見せかけの面白さ」であった。
★無理がある登場人物の行動
①最初に起こった事件は、殺人ではなく事故(過失致死、障害致死)であろう。普通の人なら、消防や警察に通報するであろう。
整形による顔認証システムの突破を考えたのは、その場の思い付きではなく、窮地に追い込まれ必死に知恵を絞った苦肉の策であろう。にしては、整形外科医と被験者(整形希望者)が必要で、システム突破後に事件(事故)が露見してしまうことは必至である。実際、露見時点で、更に殺人を重ねてしまった。
また、先の協力者2名が揃うことにも無理がある。
②“顔認証システムに挑戦”という技術者の野望に囚われてしまったが、事件には無関係である。発覚した時点で通報すれば、倫理観を問われるだけで済むのではないだろうか。
③ドメスティック・バイオレンスの父親に自分が似てくるのが、自分にとっても母親にとっても苦痛であるということは理解できるが、顔を変えても根本的な解決にはならない。
顔を変える前に、母親、あるいは、恋人に相談するのが先であろう。顔を変える、しかも、全く別人の顔になって「息子だよ」「恋人だよ」って、母親や恋人に姿を見せるのであろうか?
★方向違いの右京の激昂
今回の事件、ストーカー行為の慰謝料と上野をATM扱いし、金をゆすっていたホステスの元彼が元凶で、最もいむべき奴である。
また、事故を隠ぺいしようとし、さらに殺人を犯してしまった炭谷も発端は同情できるが、右京の激昂を受けても仕方がないと言える。
なのに、巻き込まれた感が強い院長・聡美が右京の激昂を受けた。先の二人の方が罪が重いと思う。巻き込まれたうえに、右京に怒られてしまった。とんだトバッチリである。(一番の被害者は児玉であるが)
【その他の突っ込み】
・部下がシステムを変更でき(削除は簡単なのかもしれないが)、上司が修正できないというのは変
・資料(データ)の保管庫が9室しかない。それに、1室が広すぎる。保管システムも単なる顔認証システムを使っただけの倉庫である。
・ホステスが享を巻き込んだのも無理がありすぎる。
・米沢さんは、右京が元の顔を確かめに行くことを見抜いていた。相棒以上である。
【ストーリー】番組サイトより
上野という男の遺体が自室で発見された。首つり自殺に見せかけた他殺と判明、享(成宮寛貴)が偶然第一発見者となったことから右京(水谷豊)も捜査に乗り出す。
パブのホステスに片思いし、しつこく付きまとったことから、ホステスの元彼から金を脅しとられていたという上野。企業の重要書類などを保管する倉庫会社に勤務していたが、上司の炭谷(遠山俊也)によると友人も少なく、一人黙々と仕事をしては昼休みもスマホでゲームばかりしていたという。
司法解剖の結果、上野が美容整形を受けていたことがわかった。事件と関係があるとは考えづらいが、こだわる右京は上野の実家から上野の過去の写真を借りてくる。しかし、どの写真と比較してもどこを整形したのか右京にはわからず…。
右京と享は上野の会社のクライアントでもある美容外科クリニックを訪ね、院長の白鳥(有沢比呂子)に意見を求めるのだが…。
殺害された上野に隠された真実とは?思わぬ方向へと進展する事件、その意外な動機と犯人とは?
ゲスト:有沢比呂子、遠山俊也、芦川よしみ
脚本:真部千晶
監督:橋本 一
美容整形による「見せかけの顔」で顔認証システムをごまかし、殺人事件をも「見せかけの殺人事件(自殺)」でごまかそうとした。
着眼点やその利用の仕方は面白かったが、それにこだわりすぎて、ドラマとしての登場人物の行動や右京の激昂の方向(相手)が歪んでしまった。
この話自体が「見せかけの面白さ」であった。
★無理がある登場人物の行動
①最初に起こった事件は、殺人ではなく事故(過失致死、障害致死)であろう。普通の人なら、消防や警察に通報するであろう。
整形による顔認証システムの突破を考えたのは、その場の思い付きではなく、窮地に追い込まれ必死に知恵を絞った苦肉の策であろう。にしては、整形外科医と被験者(整形希望者)が必要で、システム突破後に事件(事故)が露見してしまうことは必至である。実際、露見時点で、更に殺人を重ねてしまった。
また、先の協力者2名が揃うことにも無理がある。
②“顔認証システムに挑戦”という技術者の野望に囚われてしまったが、事件には無関係である。発覚した時点で通報すれば、倫理観を問われるだけで済むのではないだろうか。
③ドメスティック・バイオレンスの父親に自分が似てくるのが、自分にとっても母親にとっても苦痛であるということは理解できるが、顔を変えても根本的な解決にはならない。
顔を変える前に、母親、あるいは、恋人に相談するのが先であろう。顔を変える、しかも、全く別人の顔になって「息子だよ」「恋人だよ」って、母親や恋人に姿を見せるのであろうか?
★方向違いの右京の激昂
今回の事件、ストーカー行為の慰謝料と上野をATM扱いし、金をゆすっていたホステスの元彼が元凶で、最もいむべき奴である。
また、事故を隠ぺいしようとし、さらに殺人を犯してしまった炭谷も発端は同情できるが、右京の激昂を受けても仕方がないと言える。
なのに、巻き込まれた感が強い院長・聡美が右京の激昂を受けた。先の二人の方が罪が重いと思う。巻き込まれたうえに、右京に怒られてしまった。とんだトバッチリである。(一番の被害者は児玉であるが)
【その他の突っ込み】
・部下がシステムを変更でき(削除は簡単なのかもしれないが)、上司が修正できないというのは変
・資料(データ)の保管庫が9室しかない。それに、1室が広すぎる。保管システムも単なる顔認証システムを使っただけの倉庫である。
・ホステスが享を巻き込んだのも無理がありすぎる。
・米沢さんは、右京が元の顔を確かめに行くことを見抜いていた。相棒以上である。
【ストーリー】番組サイトより
上野という男の遺体が自室で発見された。首つり自殺に見せかけた他殺と判明、享(成宮寛貴)が偶然第一発見者となったことから右京(水谷豊)も捜査に乗り出す。
パブのホステスに片思いし、しつこく付きまとったことから、ホステスの元彼から金を脅しとられていたという上野。企業の重要書類などを保管する倉庫会社に勤務していたが、上司の炭谷(遠山俊也)によると友人も少なく、一人黙々と仕事をしては昼休みもスマホでゲームばかりしていたという。
司法解剖の結果、上野が美容整形を受けていたことがわかった。事件と関係があるとは考えづらいが、こだわる右京は上野の実家から上野の過去の写真を借りてくる。しかし、どの写真と比較してもどこを整形したのか右京にはわからず…。
右京と享は上野の会社のクライアントでもある美容外科クリニックを訪ね、院長の白鳥(有沢比呂子)に意見を求めるのだが…。
殺害された上野に隠された真実とは?思わぬ方向へと進展する事件、その意外な動機と犯人とは?
ゲスト:有沢比呂子、遠山俊也、芦川よしみ
脚本:真部千晶
監督:橋本 一
事件の起こりとして、まず阿婆擦れにひっかかってしまったお宅系会社員が、その元カレに恫喝され金を巻き上げられ続けることです。女性に不慣れで気が小さい感じですが、それなりの学歴(知識)はありそうな感じで、会社の機密を売るくらいなら(手切れ金まで用意して・・・)弁護士に相談する知恵くらいありそうです。慰謝料というのが全くの難癖であることは初めからわかっていたでしょう。数万円を数回程度なら穏便に済ませようとして払ってもいいですが。
上司の過失致死後の行動も意味不明ですが、それ以前に
「かっとなって突き飛ばして打ち所悪くて死亡」
のパターンを使いすぎじゃないでしょうか。
怒るのは当然としても素直に認めて謝っている相手に簡単に切れすぎです。
他英さんが指摘していたようにストーリーのご都合を優先して色々不自然でした。
暴力的な父親に似てきたというのはショックでしょうが、しかしそれは全く不自然なことではなく当然のこと。本当にショックなのは、自分もまた激昂したら暴力を振るってしまうという人間性が似ていた時です。、ドラマの中ではどうやらそういうことでもなく、親子の関係は良好でたまたま怒鳴った時に母の過剰な怯えを感じたといった様子。であれば親父のように決して暴力は振るわないよう誓い今後気をつけようという辺りが妥当なところでしょう。
姿形を変えて別の人生を生きる、というのはシリーズの設定として相応しいもので、一回のネタとしては無理があります。今回のようなケースとしては、上司、整形外科医、整形を受ける者、を完全なグルとして、部下を犠牲に大きな利益を狙う話にした方が良かった。
全く関係ないようなところでついた小さな火種によって、取り立てて悪い人間でもない一市民が殺人に至ってしまう理不尽物とする意図は感じられませんでしたが、仮にそうするには、登場人物の行動が不自然であってはいけないのです。
内容から察すると、かみしろさんのような気がするのですが…。名前の欄にタイトルを入れてしまうというミスは、私もよくやります。(別の方でしたら、申し訳ありません)
>トリックの発想をドラマに溶かし込むことに失敗した典型といった回でした。
ですよね。
>上司の過失致死後の行動も意味不明ですが、それ以前に「かっとなって突き飛ばして打ち所悪くて死亡」
のパターンを使いすぎじゃないでしょうか。
怒るのは当然としても素直に認めて謝っている相手に簡単に切れすぎです。
よくあるパターンで、しかも、簡単に命を落とし過ぎです。(かっとなって、殴ったり突き飛ばしてはいけないという教訓でしょうか)
まあ、読み切り連続ドラマなので、偶発的殺人がないと、パターンが限られてしまうので、目を瞑るべきかもしれません。
第2の被害者については、本当におっしゃる通りです。(今回が「見せかけ」がテーマと考えれば、許容できるかもしれません)
>上司、整形外科医、整形を受ける者、を完全なグルとして、部下を犠牲に大きな利益を狙う話にした方が良かった。
ええ、こちらの方が無理がないように思います。脚本として、美容整形と人の生き方(幸せ)をテーマにし、右京さんの激昂を白鳥医師に向けさせたかったのでしょう。
とにかく、登場人物の行動が不自然すぎました。
私でなかったら多分私が一番驚きますが残念ながら私です。
なんだか妙な感じのステレオタイプなシーンが目立ったお医者さんでした。
プールのシーンで水面に浮上から始まった瞬間には一瞬なにかのコマーシャルに変わったのかと。
コンプレックス云々のシーンでもなんとなく「ここで立ち上がって画面奥に向かって歩いたりしそうだな」と思ったらその通りになったり、う~ん・・・。
実際、あの整形の行為そのものが、どのように医者として間違っていたり人間として間違っていたりしているのか、脚本家は答えを持っているんでしょうかね? 事件を知って保身の為にしらを切ったのは無論駄目ですが、事件と関係なくそうしたのなら、あの二人が遭遇しても「他人の空似」程度の問題にしかならないと思うのです。指名手配の犯人とか有名人そっくりにされたら、実生活に問題が出るという意味で不適切なんでしょうけど。
全く問題ないとは言えないが、どこがどう問題かというと難しい。具体的には実在する人間そっくりに整形することを教えなかったことが悪いのであるが、それが医者にとって(美容整形外科医にとって)どの程度その存在理念に悖るのか?
しかし顔認識だけのセキュリティでええんかいの。顔認識するなら一緒にアイリスと指紋と暗証番号の音声認識(声紋)チェックくらいできるんだからその中のいくつかで多重防護にしといたら?
>プールのシーンで水面に浮上から始まった瞬間には一瞬なにかのコマーシャルに変わったのかと
ええ、これ、私も思いました。録画したものを観ていたので、思わずスキップしてしまうところでした。
>実際、あの整形の行為そのものが、どのように医者として間違っていたり人間として間違っていたりしているのか、脚本家は答えを持っているんでしょうかね?
そうですね。あの院長に逆に反論された時、右京さんはどう答えたのでしょうか?なので、あの激高は変に思えたのです。
>顔認識だけのセキュリティでええんかいの
本文でも書きましたが、あの会社のシステムがチャチですよね。
今作は、策(アイデア)に溺れていました。
今回の記事自体も、管理人さんの「いちいち書くまでもないか・・・」といった諦め感が、悲しさをより誘うなあと思いました。
>今まで見た相棒で1,2を争う酷さだったかなあ
今までも、他のドラマで怒りを込めて記事を書くことはよくありました。
でも、『相棒』でこういう記事を書くのは悲しいですね。しかも、ここ2シーズンでは、けっこう頻発しています。
整形外科医をそそのかしてまで、顔認証を突破したのに、開けた時に露見して(当然予測できたはず)殺人を重ね、しかも、扉も閉じてしまうなんて、コントです。あり得ない………。
どうもこの脚本を書いた人は整形で実在の人物そっくりにすること自体が医者の道に背くことで、それは常識だと思っているのではないか。
という気がしてきました。
顔認識プログラムに挑戦したいというだけなら、あの女医は「事情を説明して」協力をお願いするのが普通でしょう。料金を割り引いてもいいし、挑戦が終わったらまた手術をして「現実には存在を確認できていない」顔にするような提案をすればいい筈です。
「姿形ではなくコンプレックスを治療する」
という大義名分がなければ(ドラマ中ではこの大儀はあっても、実在の人物に似せる必然性はない)
「整形は悪」
というその悪が、医者として人としての道に悖るような悪である、という認識が広く敷衍していないと、そうしない意味がわからない。
しかし現実はそうではない。韓国程一般的になってはいないが、日本人だって、芸能人などは整形とかアンチエイジングだとかに金かけてるんだろうな、と多くの人が思っていて、別段それに対して非難している訳ではないんだから。
それにしても本当にあの上司は何がしたかったんでしょう・・・・。
思わず殺してしまって取り敢えず扉閉じてみた、あれ開かない。
そこで必然的に考える時間ができた訳ですから、もう少しどうにかなりそうな手段を考えるか、警察に素直に電話するかなんですが。
トリックのアイデアを閃いただけで、それを使っても事件を全く隠蔽できそうにない粗筋しか考えられなかった為に、小学生の嘘レベルの行動を犯人が取るような話になってしまうまんどりるーべんすのえのまえでしぬぱとらっしゅおおがたけん。
かみしろさん、こんにちは。
>「姿形ではなくコンプレックスを治療する」という大義名分がなければ
>「整形は悪」というその悪が、医者として人としての道に悖るような悪である、という認識
ええ、脚本家さんは、整形に対してかなり偏った認識をしています。だから、あの激昂は…
髪を染めたり化粧をしたりすることの延長と、整形を捉えることもできますが、可逆性が低い整形にはやはり抵抗を感じます。ただ、激昂するほどでは…(私もしつこい)。
犯人の上司の行動は不可解すぎますね。
この脚本家さんは、season4で「殺人セレブ」を書いています。発想は面白いのですが、やはり登場人物の行動は不可解なものでした。
>まんどりるーべんすのえのまえでしぬぱとらっしゅおおがたけん。
「非常に残念」という比喩でしょうか?
なってしまうま
と有り勝ちな駄洒落語尾を打ってしまったことの照れ隠しです。
恥ずかしさのあまり赤面しつつもしりとりに移行して「ん」で終わらせました。
詰まり最後の一語は「ルーベンスの絵の前で死ぬパトラッシュ大型犬」です。
そんな感じです。
>「ルーベンスの絵の前で死ぬパトラッシュ大型犬」
ええ、ここまでは解読できました。その「パトラッシュがかわいそう」→「残念」と解読しました。
真相は、分かりにく過ぎです。