(10月25日のサスペンスメモ と同じ趣旨の記事です)
TBSの渡瀬恒彦さん主演の方です。(現在は十津川警部・内藤剛志、亀井刑事・石丸謙二郎の新コンビで新シリーズに引き継がれている。私は未見)
十津川・亀井のコンビありきで、≪十津川警部は格好よく、亀井刑事は人情味あふれる≫ということに主眼が置かれていて、サスペンスドラマとして視聴してはいけないようだ。もちろん、サスペンス風な盛り上がりはあるが、それは論理性や必然性に乏しく、前半部の犯人包囲、追撃のシーン(ほとんどは失敗)は≪それはないだろう!≫という疑問が多々生じ、“十津川警部の失態”と非難されても仕方ない状況である。
しかし、非難されることはほとんどなく、十津川本人も全く意に介していない、というか、その自覚さえない。
捜査もふたりの閃きによるものが多い。そもそも捜査も自由。この回も私用で訪れた志摩で事件に遭遇し、地元の捜査に介入し、警視庁のメンバーも呼び寄せる。
今回の場合は、事件関係者が都内に住み、拉致されたという形跡があったので、メンバー介入は自然とは言えるが、通常、十津川警部の行動は自由。
今回の事件、監禁されている夫の妻が、誘拐メンバーに呼び出されたスペイン村に刑事を総動員させた。係員や掃除夫に変装したが、妻を怖い眼で凝視、犯人と思しき人物が会場入りしたのを見つけ、これも怖い眼で凝視しながらストレートに尾行。まるで気づいてくださいという無配慮さ。
結局、失敗。しかし、十津川警部は全く意に介さない(非難されない)。
骨董業界のドンとそのライバルが登場。このライバルが妻の方を拉致し、目当ての円空法師の色彩画を要求。その妻を救出しようとした刑事にナイフで襲いかかり、腕に怪我を負わせる。
確保され取り調べの際、
「人殺しまではしない。小田(骨董業界のドン)とは違う」
と言うが、どの口が言えるのだろうか?そもそも、小田にしろライバルにしろ誘拐やナイフを振り回した時点でアウトだろう。
実は、拉致されたというのは狂言で、一味の人相も空想で円空の仏像がモデル。似顔絵が円空仏にそっくり。似顔絵を描いた十津川の部下は凄いが、これを見た十津川、亀井は「どこかであっている気がする」というのみ。人間離れした3つの似顔絵が揃えば連想できると思うが……
真相は、夫婦の復讐劇(円空の色彩画の噂を聞きつけた古物商の方から近づいてきた)。
録画して視聴して……後悔(大後悔)というパターン……(今回の脚本は土屋保文氏、初回放送2010年3月29日)
十津川警部シリーズ50 『消えたタンカー』
十津川警部シリーズ53 『伊豆・踊り子号殺人ルート~消えた一億円の謎~』
【ドラマ情報】
渡瀬恒彦主演「十津川警部」シリーズ第43弾。江戸時代に全国行脚して数多くの仏像を彫った僧侶・円空が残したという幻の色彩画が殺人事件を招く。伊勢志摩で偽名を名乗っていた男女が刺殺された。名前を使われた実際の夫婦も行方不明と判明し、十津川は殺人事件と行方不明事件の関わりを推理する。やがて二つの事件には、円空が描いたとされる幻の色彩画が関わっていることが分かる…。中山忍、笛木優子、金子賢、西田健らがゲスト出演。
十二万体もの仏像とわずかな数の墨絵を残した円空だが、実際には色彩画は発見されていないという。果たして幻の色彩画は存在するのか? 史実とフィクションを巧みに織り込んだストーリーとなっており、殺伐とした事件の謎を追う十津川が随所で出会う、円空仏の穏やかな微笑が印象的だ。
【ストーリー】
休暇を利用して伊勢志摩を訪れた十津川警部(渡瀬恒彦)が殺人事件に遭遇した。死体発見の知らせを受け、十津川や三重県警の剣持紗江子警部補(笛木優子)、鳴海信隆刑事(金子賢)も現場に向かう。
男女は刺殺され、崖から落とされたらしい。二人は宿には東京の鈴木明・京子夫婦と名乗っていたが、実際の鈴木夫婦とは別人だった。そして警視庁の小西刑事(中西良太)から、本物の鈴木夫婦が行方不明だと情報が入る。
亀井刑事(伊東四朗)が伊勢志摩に合流し、鈴木夫婦は円空に関する地を訪ね歩いていたことが分かる。円空はわずかな墨絵以外に絵画を残しておらず、もし円空の色彩画が発見されれば、高値で売買されるだろうと、美術界では噂されている。十津川は円空に関する史実を確かめながら事件の真相に迫る。
TBSの渡瀬恒彦さん主演の方です。(現在は十津川警部・内藤剛志、亀井刑事・石丸謙二郎の新コンビで新シリーズに引き継がれている。私は未見)
十津川・亀井のコンビありきで、≪十津川警部は格好よく、亀井刑事は人情味あふれる≫ということに主眼が置かれていて、サスペンスドラマとして視聴してはいけないようだ。もちろん、サスペンス風な盛り上がりはあるが、それは論理性や必然性に乏しく、前半部の犯人包囲、追撃のシーン(ほとんどは失敗)は≪それはないだろう!≫という疑問が多々生じ、“十津川警部の失態”と非難されても仕方ない状況である。
しかし、非難されることはほとんどなく、十津川本人も全く意に介していない、というか、その自覚さえない。
捜査もふたりの閃きによるものが多い。そもそも捜査も自由。この回も私用で訪れた志摩で事件に遭遇し、地元の捜査に介入し、警視庁のメンバーも呼び寄せる。
今回の場合は、事件関係者が都内に住み、拉致されたという形跡があったので、メンバー介入は自然とは言えるが、通常、十津川警部の行動は自由。
今回の事件、監禁されている夫の妻が、誘拐メンバーに呼び出されたスペイン村に刑事を総動員させた。係員や掃除夫に変装したが、妻を怖い眼で凝視、犯人と思しき人物が会場入りしたのを見つけ、これも怖い眼で凝視しながらストレートに尾行。まるで気づいてくださいという無配慮さ。
結局、失敗。しかし、十津川警部は全く意に介さない(非難されない)。
骨董業界のドンとそのライバルが登場。このライバルが妻の方を拉致し、目当ての円空法師の色彩画を要求。その妻を救出しようとした刑事にナイフで襲いかかり、腕に怪我を負わせる。
確保され取り調べの際、
「人殺しまではしない。小田(骨董業界のドン)とは違う」
と言うが、どの口が言えるのだろうか?そもそも、小田にしろライバルにしろ誘拐やナイフを振り回した時点でアウトだろう。
実は、拉致されたというのは狂言で、一味の人相も空想で円空の仏像がモデル。似顔絵が円空仏にそっくり。似顔絵を描いた十津川の部下は凄いが、これを見た十津川、亀井は「どこかであっている気がする」というのみ。人間離れした3つの似顔絵が揃えば連想できると思うが……
真相は、夫婦の復讐劇(円空の色彩画の噂を聞きつけた古物商の方から近づいてきた)。
録画して視聴して……後悔(大後悔)というパターン……(今回の脚本は土屋保文氏、初回放送2010年3月29日)
十津川警部シリーズ50 『消えたタンカー』
十津川警部シリーズ53 『伊豆・踊り子号殺人ルート~消えた一億円の謎~』
【ドラマ情報】
渡瀬恒彦主演「十津川警部」シリーズ第43弾。江戸時代に全国行脚して数多くの仏像を彫った僧侶・円空が残したという幻の色彩画が殺人事件を招く。伊勢志摩で偽名を名乗っていた男女が刺殺された。名前を使われた実際の夫婦も行方不明と判明し、十津川は殺人事件と行方不明事件の関わりを推理する。やがて二つの事件には、円空が描いたとされる幻の色彩画が関わっていることが分かる…。中山忍、笛木優子、金子賢、西田健らがゲスト出演。
十二万体もの仏像とわずかな数の墨絵を残した円空だが、実際には色彩画は発見されていないという。果たして幻の色彩画は存在するのか? 史実とフィクションを巧みに織り込んだストーリーとなっており、殺伐とした事件の謎を追う十津川が随所で出会う、円空仏の穏やかな微笑が印象的だ。
【ストーリー】
休暇を利用して伊勢志摩を訪れた十津川警部(渡瀬恒彦)が殺人事件に遭遇した。死体発見の知らせを受け、十津川や三重県警の剣持紗江子警部補(笛木優子)、鳴海信隆刑事(金子賢)も現場に向かう。
男女は刺殺され、崖から落とされたらしい。二人は宿には東京の鈴木明・京子夫婦と名乗っていたが、実際の鈴木夫婦とは別人だった。そして警視庁の小西刑事(中西良太)から、本物の鈴木夫婦が行方不明だと情報が入る。
亀井刑事(伊東四朗)が伊勢志摩に合流し、鈴木夫婦は円空に関する地を訪ね歩いていたことが分かる。円空はわずかな墨絵以外に絵画を残しておらず、もし円空の色彩画が発見されれば、高値で売買されるだろうと、美術界では噂されている。十津川は円空に関する史実を確かめながら事件の真相に迫る。