「その1」の続きです。
△4五銀と桂を取ったところ。先手からすると銀桂交換の駒得なのだが……
△4五銀が指されたのは11時10分だが、昼食休憩時刻が近づいても羽生王座の手が動かない。▲4五同銀は、△8六飛▲8七歩△7六飛▲7七歩△4六飛の順が気になる。また、▲4五同歩だと、△3六桂と飛車金両取りを覚悟しないといけない。
結局、次の手(▲4五同歩)が指されたのは昼食休憩後。1時間15分の長考だった。
以下、△3六桂▲2九飛△8六飛▲8七歩△7六飛▲7七歩と進む。
ここでおとなしく飛車を引く手もあるが、中村六段は△5六飛と飛車を切る。▲同歩の一手に△4八桂成▲同金も必然。そこで△4六銀と打たれたのが第6図。
図では△4七銀以下の詰めろが掛かっている。その他に3七と5七にも打ち込み場所があるので、3八や5八に銀を打って受けるのは3か所はカバーできない。金があれば4七に打って受かるかもしれないが、先手の豊富な持ち駒に金は含まれていない。さらに、後手の持ち駒は角金銀と豊富で、金があったとしても受け切るのは困難そう。早逃げするのも一策だが、△4七角が決め手になりそうだ。
先手としては、豊富な持ち駒を利して後手玉に迫るしかなさそうだが、詰みはもちろん、飛び道具を駆使して攻めながら4六の銀を抜くことも無理なようだ。
時刻は、午後1時50分過ぎ。早くも絶体絶命か……
(「その3」に続く)
△4五銀と桂を取ったところ。先手からすると銀桂交換の駒得なのだが……
△4五銀が指されたのは11時10分だが、昼食休憩時刻が近づいても羽生王座の手が動かない。▲4五同銀は、△8六飛▲8七歩△7六飛▲7七歩△4六飛の順が気になる。また、▲4五同歩だと、△3六桂と飛車金両取りを覚悟しないといけない。
結局、次の手(▲4五同歩)が指されたのは昼食休憩後。1時間15分の長考だった。
以下、△3六桂▲2九飛△8六飛▲8七歩△7六飛▲7七歩と進む。
ここでおとなしく飛車を引く手もあるが、中村六段は△5六飛と飛車を切る。▲同歩の一手に△4八桂成▲同金も必然。そこで△4六銀と打たれたのが第6図。
図では△4七銀以下の詰めろが掛かっている。その他に3七と5七にも打ち込み場所があるので、3八や5八に銀を打って受けるのは3か所はカバーできない。金があれば4七に打って受かるかもしれないが、先手の豊富な持ち駒に金は含まれていない。さらに、後手の持ち駒は角金銀と豊富で、金があったとしても受け切るのは困難そう。早逃げするのも一策だが、△4七角が決め手になりそうだ。
先手としては、豊富な持ち駒を利して後手玉に迫るしかなさそうだが、詰みはもちろん、飛び道具を駆使して攻めながら4六の銀を抜くことも無理なようだ。
時刻は、午後1時50分過ぎ。早くも絶体絶命か……
(「その3」に続く)