英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

暖冬だと言うけれど

2015-12-02 22:07:09 | 気象
 「この冬は、北日本を除いて暖冬」という3か月予報(季節予報)が出た。(11月25日・気象庁)
 その根拠はエルニーニョ現象。
 仕組みはエルニーニョの影響で、フィリピン付近で高気圧が発達しやすくなり、それによって偏西風が蛇行し、日本列島に暖気が流れ込みやすくなる。
 それによって、太平洋沿岸に低気圧が通過しやすくなり、西高東低の冬型の気圧配置が長続きしないという仕組み。
 詳しい仕組みは、文末に引用した『朝日新聞DIGIDAL』の「大規模なエルニーニョ現象、6年ぶり暖冬か 気象庁予想」をご覧ください。

 北陸の私にとっては、暖冬は有難いが、南岸低気圧による太平洋側では降雪。大気の冷たさ(上空の寒気)や低気圧の進路によって大雪になることもある。


 気象庁は、エルニーニョやラニーニャ(エルニーニョと逆の現象)が好きなようだ。
 それを重視して、季節予報が大外れしたことは過去に多い。“暖冬”と予報したのに、寒冬だったことが多々あったという記憶がある。
2015年2月1日記事2013年1月28日記事2012年1月7日記事2010年3月2日記事などなど。(他にもたくさんぼやいている)
 いずれも、エルニーニョを重視しての季節予報だったと記憶しているが、「偏西風が蛇行して寒気が流れ込みやすくなった」という言い訳をしていた。(この冬も、エルニーニョによって偏西風が蛇行して暖気が入りやすいとしているが、その蛇行の仕方とは蛇行の山がずれていた)

 また、今年の夏は「冷夏」と予報していたが、夏の前半は猛暑だった。これは、台風が日本に熱い空気を持ち込んだのと、偏西風の蛇行によるものだったと思う。
 ただ、盆過ぎ辺りからは冷夏の傾向が強くなり、8月下旬、9月は残暑はほとんどなかったので、冷夏の予報は半分近く的中したと言って良いのかもしれない。

 ともかく、地球の半球規模の気象現象(エルニーニョやラニーニャ)を妄信することに、そろそろ慎重になってもいいのではないだろうか?
 もう少し中規模な季節風の蛇行のシステムや北極・シベリアの寒気の溜まり具合などを重視し、解析した方が良いのではないだろうか?



【引用】
『朝日新聞DIGIDAL「大規模なエルニーニョ現象、6年ぶり暖冬か 気象庁予想」
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 この冬は6年ぶりに暖冬となる見込みだ。気象庁は、西高東低の冬型の気圧配置が強まりにくく、東日本と西日本、沖縄・奄美地方の12月~来年2月の平均気温が平年より高くなるとみる。昨年6月から続く大規模な「エルニーニョ現象」が予想の根拠という。

 日本から遠く離れた、赤道が通る太平洋の日付変更線付近から南米ペルー沖で、海面水温が平年よりも高い状態が続くのがエルニーニョ現象だ。過去30年間の水温の平年値と比べ、どれだけ高いかで規模を判断する。気象庁によると、過去最大だった1997年春~98年春は最大で3・6度高くなった。82年春~83年夏の3・3度、72年春~73年春の2・7度が続く。

 今回は10月末の海面水温は2・7度高く、過去3位タイだった。気象庁は「12月にかけてさらに発達する。過去最大には届かないが、かなり大規模なエルニーニョ現象になる見通し」としている。

 ログイン前の続き一般的にエルニーニョ現象が起きると異常気象になり、日本では冷夏暖冬になる傾向とされる。

 仕組みは複雑だ。東の赤道付近で海水温が平年より高くなる反動で、①フィリピン付近では海水温が平年より低くなり、高気圧ができやすくなる。②偏西風が日本の東で北に蛇行し、北海道の東にある低気圧の影響が本州付近では弱く、冬型の気圧配置が長続きしない。③本州では、大陸の高気圧から冷たい北西風が吹きにくくなる。この結果、東日本以西の寒さが緩むと考えられている。北海道と東北地方では平年並みの寒さになる見通しだ。

 一方で雨や雪への注意も必要だ。エルニーニョ現象でフィリピン付近で高気圧ができやすくなると、その高気圧の西側を通る形で、本州の南岸を発達しながら進む「南岸低気圧」が発生しやすくなり、太平洋側で雨が降りやすくなる。ここに強い寒気が南下するなどの条件が重なると、首都圏でも大雪が降ることもあるという。

 気象庁によると、97年春~98年春は、西日本や沖縄・奄美で1度、東日本で0・6度高かった。一方、過去2番目の規模だった82年春~83年夏は、西日本と沖縄・奄美で平年値を0・4度下回った。安田珠幾・エルニーニョ情報管理官は「一般的にはエルニーニョ現象の年は暖冬と言われる。ただ、大規模な現象が起きても平年並みの冬になる年もあり、現象の規模と暖冬の関係は十分に解明されていない」としている。(鈴木逸弘)
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