今回の脚本家は金井寛氏。
氏の脚本は意表を突くことにとらわれ過ぎて、人物の心理の動きや行動に強引さがあったり、状況などに細かい不整合が多い傾向が強く、私がマークする要注意脚本家の一人。他に真部千晶氏、西岡琢也氏、池上純哉氏らがいる。(『相棒』の脚本とは限らない)
今回は、氏にしては面白かった(上から目線で、ごめんなさい)
放送日から間が空いてしまったため、若干、記憶や考察が薄れたのと、先の「『相棒 season14』の低視聴率に関する記事についての反論」その1、その2で少々疲れてしまったので、ごく簡単に。
川口健作(西田健)
「罪は暴かない方が、幸せだということもある」
娘・志乃を誘拐した黒幕が、娘婿であることに気づいたが、敢えて素知らぬふりをし、さらに、隠蔽工作までした。
志乃にとっては“夫”(ひなたにとっては父)が、金に窮して、志乃を誘拐し、義父から身代金をせしめる……最低の娘婿。しかし、家族(娘、孫娘)の為、罪を暴かず、庇ったのだった。
これに対し、
杉下右京
「罪という秘密を抱えたままで、本当の幸せを手にすることなど決してできないと、僕は思いますがねぇ」
これは、『相棒』シリーズ通しての右京の信念。
志乃やひなたにとっては最悪の真実で、知らない方が幸せのような気もするが、右京の信念も真理のような気がする。
だいたい、そんな最低のことをする夫では、今回はやり過ごせても、幸せになるとは到底、思えない。
少し話が逸れるが、やはり肝心なのは“相談”かなぁ。
家族のことを思うなら、男のプライドなど捨てて、妻に打ち明け、義父・健作に援助を乞う。そうすれば却って、健作も娘婿を許容し、援助したのではないだろうか。
【雑感】
・見過ごしてしまいそうな子どもの絵から、誘拐事件、更に、半狂言の誘拐の真相、さらに、義父の隠蔽工作までたどり着くというストーリーは面白かった
・絵を特命係が見つける過程には、「指名手配中の暴力団員が誘拐監禁場所であった倉庫に潜んでいた」という高レベルの偶然
・誘拐の実行犯が、「倉庫内に入ったことがない」と言っているのに、手慣れた感じで電燈のスイッチを入れて、墓穴を掘るというのは、あまりにも使い古されたネタ。≪ああ~、やっちゃったよ≫と、実行犯に対しても、脚本家に対しても思ってしまった。
・健作が誘拐事件の真相が露見するのを予見し部下に命じて、防犯カメラのデータに細工し、実行犯のアリバイ工作をしたが、実行犯が「喫茶店にいた」とアリバイを主張するとは限らない。健作の部下と実行犯が直接、接触した感じはなかった。
・志乃のペンの持ち方が歪(いびつ)だった
【ストーリー】番組サイトより
少女の誘拐監禁事件が起きていた可能性が浮上
それを隠ぺいしているのは被害者家族だった!?
組対五課の応援に駆り出された右京(水谷豊)と、見学ということで同行した亘(反町隆史)は、現場の廃工場で、小さな子供が描いたと思われる母親の似顔絵を見つける。
そこは子供が立ち入るような場所ではなかったため、気になった右京は、落し物を届けるという名目で、絵を描いた子供・ひなた(須田理央)の家を訪れる。応対に出た母親・志乃(新妻聖子)とのやり取りから、絵が廃工場で見つかった経緯に疑問を感じた右京は、母娘の周囲をさらに捜査。すると、かつてひなたが誘拐され、廃工場に監禁されていた可能性が浮上してくる。
しかし、通報された形跡はなく、母娘をはじめとする家族は固く口を閉ざし、まるで誘拐などなかったかのように振る舞っていた。さらに、志乃の父で警備会社社長の健作(西田健)は、警察OBでもあり、警察上層部に圧力をかけて右京と亘の動きを封じはじめてきた。
一枚の子供の絵から浮上してきた誘拐事件の可能性。
被害者一家が、それをひた隠しにする理由とは…!?
右京の推理が、思いも寄らない“家族の秘密”を解き明かす!
ゲスト:新妻聖子 西田健
脚本:金井寛
監督:池澤辰也
氏の脚本は意表を突くことにとらわれ過ぎて、人物の心理の動きや行動に強引さがあったり、状況などに細かい不整合が多い傾向が強く、私がマークする要注意脚本家の一人。他に真部千晶氏、西岡琢也氏、池上純哉氏らがいる。(『相棒』の脚本とは限らない)
今回は、氏にしては面白かった(上から目線で、ごめんなさい)
放送日から間が空いてしまったため、若干、記憶や考察が薄れたのと、先の「『相棒 season14』の低視聴率に関する記事についての反論」その1、その2で少々疲れてしまったので、ごく簡単に。
川口健作(西田健)
「罪は暴かない方が、幸せだということもある」
娘・志乃を誘拐した黒幕が、娘婿であることに気づいたが、敢えて素知らぬふりをし、さらに、隠蔽工作までした。
志乃にとっては“夫”(ひなたにとっては父)が、金に窮して、志乃を誘拐し、義父から身代金をせしめる……最低の娘婿。しかし、家族(娘、孫娘)の為、罪を暴かず、庇ったのだった。
これに対し、
杉下右京
「罪という秘密を抱えたままで、本当の幸せを手にすることなど決してできないと、僕は思いますがねぇ」
これは、『相棒』シリーズ通しての右京の信念。
志乃やひなたにとっては最悪の真実で、知らない方が幸せのような気もするが、右京の信念も真理のような気がする。
だいたい、そんな最低のことをする夫では、今回はやり過ごせても、幸せになるとは到底、思えない。
少し話が逸れるが、やはり肝心なのは“相談”かなぁ。
家族のことを思うなら、男のプライドなど捨てて、妻に打ち明け、義父・健作に援助を乞う。そうすれば却って、健作も娘婿を許容し、援助したのではないだろうか。
【雑感】
・見過ごしてしまいそうな子どもの絵から、誘拐事件、更に、半狂言の誘拐の真相、さらに、義父の隠蔽工作までたどり着くというストーリーは面白かった
・絵を特命係が見つける過程には、「指名手配中の暴力団員が誘拐監禁場所であった倉庫に潜んでいた」という高レベルの偶然
・誘拐の実行犯が、「倉庫内に入ったことがない」と言っているのに、手慣れた感じで電燈のスイッチを入れて、墓穴を掘るというのは、あまりにも使い古されたネタ。≪ああ~、やっちゃったよ≫と、実行犯に対しても、脚本家に対しても思ってしまった。
・健作が誘拐事件の真相が露見するのを予見し部下に命じて、防犯カメラのデータに細工し、実行犯のアリバイ工作をしたが、実行犯が「喫茶店にいた」とアリバイを主張するとは限らない。健作の部下と実行犯が直接、接触した感じはなかった。
・志乃のペンの持ち方が歪(いびつ)だった
【ストーリー】番組サイトより
少女の誘拐監禁事件が起きていた可能性が浮上
それを隠ぺいしているのは被害者家族だった!?
組対五課の応援に駆り出された右京(水谷豊)と、見学ということで同行した亘(反町隆史)は、現場の廃工場で、小さな子供が描いたと思われる母親の似顔絵を見つける。
そこは子供が立ち入るような場所ではなかったため、気になった右京は、落し物を届けるという名目で、絵を描いた子供・ひなた(須田理央)の家を訪れる。応対に出た母親・志乃(新妻聖子)とのやり取りから、絵が廃工場で見つかった経緯に疑問を感じた右京は、母娘の周囲をさらに捜査。すると、かつてひなたが誘拐され、廃工場に監禁されていた可能性が浮上してくる。
しかし、通報された形跡はなく、母娘をはじめとする家族は固く口を閉ざし、まるで誘拐などなかったかのように振る舞っていた。さらに、志乃の父で警備会社社長の健作(西田健)は、警察OBでもあり、警察上層部に圧力をかけて右京と亘の動きを封じはじめてきた。
一枚の子供の絵から浮上してきた誘拐事件の可能性。
被害者一家が、それをひた隠しにする理由とは…!?
右京の推理が、思いも寄らない“家族の秘密”を解き明かす!
ゲスト:新妻聖子 西田健
脚本:金井寛
監督:池澤辰也