英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

参議院選挙雑感 その3

2013-07-28 00:47:41 | 時事
 東京選挙区で非勢を自覚した民主党が大河原雅子氏への公認を公示2日前に取り消し、元文科副大臣の鈴木寛氏ひとりに公認候補を絞ったにもかかわらず、鈴木氏も落選してしまった。民主党の浅慮さと凋落ぶりを示す象徴的な事象だった。

 党としては、大河原氏に立候補を今回は見送るよう要請したようだが、大河原氏が無所属で立候補してしまった。
 数学(確率)の授業みたいになるが、場合の数はこの場合は4。それぞれの事象について考えてみる。
①鈴木、大河原、共に当選の場合
 公認はしなかったものの、大河原氏は民主党の党員のままでいるらしい。なので民主党は東京選挙区で議員2を獲得(維持)できる。
 この場合、公認候補を絞り込んだ結果、鈴木氏に民主党票が入り、前回トップ当選した大河原氏の人気が維持できているとしての個人票(浮動票)が集まるという期待薄の現象が起きたときのみ。
 起こる可能性が低いうえ、奇跡が起こっても党内に亀裂は残る。(亀裂は公認を取り消した時点で確定)
②鈴木当選、大河原落選の場合
 共倒れを避けたかった民主党が、妥協して狙った線である。問題はどちらを切るかだが、当選した際の議員としての価値(政治手腕)は鈴木氏があると考えたのかもしれないし、民主党票を鈴木氏の方が集めやすいと判断したのかもしれない。
 勘ぐるなら、大河原氏が政治家として手腕が評価されていないか、嫌われていたのかもしれない。
③鈴木落選、大河原当選の場合
 ④の共に落選した場合のほうが議席を失うという点では痛いが、党が想定した②の鈴木当選、大河原落選とは逆の結果で、党としてはあり得ないシナリオで、もしこの結果になったら、党執行部の面目は丸つぶれ。
④鈴木、大河原、共に落選の場合
 今回の候補者絞りは、共に落選を避けるためであった。しかし、そうせざるを得ないほど見通しが悪かったということであり、ある程度予測できた結果であった。
 この結果になるのなら、今回の公認取り消しは、党に亀裂を作っただけである。

 ②以外のケースは、公認取り消しは大失敗である。
 その危険を犯してまでも公認を取り消したのは、②のシナリオが実現できると読んだのだろうが、見通しが甘かったと言わざる得ない。
 まず、公認を取り消して候補者を一人に絞ったという行為は、党の政治理念より目先の一議席に目がくらんだという思想の低さをを世間に知らしめてしまった。
 さらに、公示二日前という土壇場になっての公認取り消しというのは、党の方針がぐらついていることが露見してイメージダウン。その上、党内部の執行部への不信感を募らせてしまった。
 また、管元総理(党首)の大河原氏へ応援は、党分裂のイメージを大きくした。


 選挙結果は鈴木氏55万票で6位、大河原氏23万票で9位。大河原氏が出馬せずその分の票が鈴木氏に流れれば当選していたという考えは成り立つ。もっと早く一本化を打ち出し、きちんと候補者を絞れていたらという思いは強いだろう。
 大河原氏の得票は予想以上に少なかったが、党の方針に党の公認が取り消されての23万票は評価できるのかもしれない。大河原氏に食われた票が少なかったにもかかわらず落選したのは、公認取り消しのイメージの悪さが響いたと考えられる。
 もし、公認を取り消さなかったら、大河原氏が当選していた可能性も少しあったのではないだろうか。 
コメント
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