英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『謎解きはディナーのあとで』SP

2012-03-30 16:57:09 | ドラマ・映画
 いつも以上に、ハイテンションな風祭警部(椎名桔平)がうざく、事件関係者の三人の女性をくどくシーンなどは、苦痛に近いものがあった。
 さらに玲子(北川景子)の事件と捜査の説明と影山(櫻井翔)の冒険活劇が細切れに挿入されて、グダグダ感が最上級だった。

 実は、これらのグダグダ劇には、全く関係のなさそうな2つの事件が、密接に関係していて、玲子の語る順番による時系列のミスリードが、今スペシャルのミソであった。
 しかし、櫻井翔のファンでないものにとっては、あの活劇は時間の浪費に近いモノがある。確かに、玲子による時系列のミスリードに影山の1週間の留守は必要であるが、それは単に留守扱いで済むところで、冒険活劇はまったく本筋とは関係ない。ただ、それを挿入しないと主役である櫻井翔の出番が少なくなってしまうという事情があるからなのだろう。
 そもそも、影山君は新聞やニュースを見ないのだろうか?世界的に有名な画家、しかも影山自身がファンであったなら、慶山(國村隼)の死を知らないというのはおかしい。
 また、沖縄の部屋の間違いによる玲子の混乱劇も、無理やりミステリーにしただけのように思える。事件の背景にあるものを示すだけにするとか、もう少し整理して欲しかった。
 これらのグダグダのエピソード、細切れに見せられ。その上、ドラマ枠の2時間18分のうち、CMが何度も挿入され(合計25分)更に話が分断され、相当な苦痛を感じた。 しかも、肝心の自殺に見せかけたトリックも、身元確認が記念のリングだけで、被害者・松下慶山の写真も示さないのだから、沖縄で登場した絵描きが慶山であることは見え見え。慶山が生きているとすると、指紋認証システムの密室もなんでもなくなり、謎解きの価値もなくなってしまった。
 さらに、風祭警部の執拗なデートの誘いも、影山が時系列のミスリードに気付く手がかりにされただけで、椎名桔平さんがこの事件の被害者であった。
 本来なら、1時間ドラマ枠でも時間が余る内容を、2時間20分近くつき合わされてしまった……

 とは言え、このドラマ(小説)の一番の見所の「失礼ながら、お嬢様…」の件(くだり)は、楽しめた。
「失礼ながら、お嬢様、お嬢様はいつまで酔っ払っていらっしゃるおつもりですか?そのおつむ、泥酔状態です」
《しばしの間をおいて》
「そうかしら、私は全くのしらふだけど」
と、両手を広げ、まっすぐ歩き、アピール。

「クビよ、クビクビ、クビクビクビ~クビクビ~!」
と声塊り攻撃。影山はバリアで防ぐ。

 さらに、事件の真相を知りたい玲子に対し、
「やさしくて、頼もしくて、いつでも誉めちぎってくれる最高のジェントルマンの執事にお聞きください」と玲子の言葉の揚げ足を取り、いやいや教えを請う玲子に対して、よく聞こえないと言い、
「事件の真相を私に分かるように、説明して頂戴」
と3度も言わせた挙句、
「あ~あ、そういうことでございましたか」
とおちょくる。
「なんくるないさ~」と遠い目で強がる玲子。

 その他に、
「ちょっと、私は麗しさに欠けるってこと?」
と突っかかる玲子に
「いえ、そういうわけでは」
と、言葉では否定しつつ、思い切り頷く影山も笑えた。

 2度のフェイントのエンディングの遊び心も、私は好きである。


 基本的には、こういうドラマは好きだが、2時間20分近くのグダグダ感は辛かった。

【その他、どうでもよい突っ込み】
 4部作というが、朝、昼、夜ときて、4作目が夕方というのは、順番が違う気がする。


【ストーリー】(番組サイトより)
 影山(櫻井翔)が仕える宝生麗子(北川景子)の父、清太郎(高橋英樹)に年次報告のために香港へ旅だったあと、久しく大きな事件がなかった国立署管轄で世界的に有名な画家、松下慶山と見られる焼死体が発見されるという事件が発生する。
 捜査のために駆けつけた風祭警部(椎名桔平)は久々の事件とあって、いつも以上にテンションが高い。焼失したのはアトリエで、焼死体と思われる慶山自身が灯油をまき自ら火をつけたと並木(野間口徹)と山繁(中村靖日)が説明するが、小心な風祭は遺体を確認しようとしない。おそるおそる遺体を確認した麗子が、美大を首席で卒業した際の記念リングを指に見つける。
 アトリエには静脈認証システムが設置されており、本人以外は出入りができないということを知った風祭は、駆けつけていたマスコミ関係者に向かい「これは密室殺人です!」と宣言する。完全な密室ではあるが、静脈認証は生きている本人以外には作動しないことから、殺人ではないのでは?と麗子ら国立署の面々が風祭に詰めよっていると遺書まで発見され、風祭はいよいよ追いつめられる。
 いつものように関係者の事情聴取を終え、麗子が自宅に戻ると1週間ぶりに影山が戻ってきていた。麗子が松下慶山が焼死体で発見された事件の話を影山にすると、影山は宝生家の美術品置き場にある慶山のコレクションを麗子に見せながら、完全なる密室での自殺という状況を疑う。風祭も同様のことを言っていたと影山をからかう麗子。プライドをいたく傷つけられた影山は風祭と同レベルにされてはかなわないと、必ずや謎を解くので事件の詳細をと麗子に迫る。
 一通りあらましを聞き終えた影山だったが、結局のところ松下慶山は自殺という結論に落ち着いてしまう。一段落し、ディナーに戻ろうとした麗子はそこで思い出したように、もう1つの大事件に関して話し始める。その大事件とは風祭警部の提案で急きょ催された沖縄への慰安旅行の話で・・・。
コメント (2)
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