英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感 A級順位戦

2012-01-30 23:24:03 | 将棋
 順位戦も大詰めに近づいてきました。
 そう言えば、今年は『将棋界の一番長い日』の中継はあるのでしょうか?BSが3チャンネルから2チャンネルに圧縮されたので、もしかすると中継なし、あるいは、短縮ということも、十分考えられます。『囲碁将棋ジャーナル』も『囲碁将棋フォーカス』に、ほぼ3分の1に縮小されましたし、かるた名人戦も大幅削減されてしまいました。あとで、問い合わせしてみます。


 谷川九段が7戦目に屋敷九段に敗れたので、羽生王位・棋聖(7勝0敗)と谷川九段、渡辺竜王・王座(5勝2敗)の差が2に開いた。残り2局なので、プロ野球風に言うとマジック1。残り2局のうち、羽生二冠が1勝すれば渡辺竜王、谷川九段の星に係わらず、名人挑戦が決定する。また、仮に羽生二冠が連敗しても、渡辺竜王、谷川九段の両者とも1敗すれば、挑戦が決まる。
 次局に羽生×谷川戦が組まれているので、確率計算はややこしくなるが、対象局は5局で総場合の数は2の5乗で32通り、順位戦リーグで羽生二冠の挑戦が決まらない場合の数は5(だと思う)。その確率は5/32(32分の5)≒15.6%。この数字は挑戦権を逃す率ではなく、プレーオフに持ち込まれる率である。確率計算の対象を延長してプレーオフに負けて挑戦権を逃す率は5/64≒8%。
 その上、次局の対谷川戦の2005年以降の対戦成績は13勝1敗(8連勝中)なので、傍目にはほぼ挑戦確定だ。しかし、王将位挑戦リーグの豊島六段の例もある。油断は禁物。
 ちなみに、次の8回戦で羽生2冠にとって最悪の目(谷川戦に敗れ、渡辺竜王が勝つ)が出た場合、プレーオフになる確率は3/8となる。

 降級は、1勝6敗の3人の争い。降級は順位が優先されるので、久保棋王・王将(順位8位)、丸山九段(6位)、高橋九段(3位)の順に危ない。
 順位が良い高橋九段だが、次局(屋敷九段戦)に敗れると、最終局に丸山×久保戦があるため、八回戦で丸山九段、久保二冠の両者ともに勝たれると、降級が決定してしまう。とは言え、現時点では氏だけに自力残留もあり、最も有利。次局に勝てば、丸山、久保の両者が共に敗れれば、最終局を待たずに残留が決定する。
 逆に順位が悪い久保二冠は苦しい状況。しかし、次局(佐藤九段戦)に勝って、高橋、丸山の両者が敗れると最終局は自力残留になる。しかも、次局に敗れても他の二人が敗れると、他力であるが残留の目が残される。とは言え、次局敗れて、他の二人のどちらかに勝たれると即降級が決定してしまう。
 ちなみに残留確率は、高橋九段が16/32、丸山九段が9/32、久保二冠が7/32となる(この数字、自信はありません。間違っていたらご指摘ください)

 そういう細かい勘定より、問題は3者の調子と対戦相手との相性の方が重要だろう。
 高橋九段は、今年度10勝13敗(0.435)、昨年11月以降は6勝5敗、ここ5年間の対屋敷戦2勝2敗、同対谷川戦3勝0敗。
 丸山九段は、今年度19勝21敗(0.475)、昨年11月以降は5勝8敗(4連敗中)、ここ5年間の対渡辺戦3勝7敗、同対久保戦8勝9敗。
 久保二冠は、今年度16勝17敗(0.485)、昨年11月以降は3勝5敗、ここ5年間の対佐藤戦12勝13敗(3連敗中)、同対丸山戦9勝8敗。
 今年度の成績は3者ともほぼ同じ。直近3カ月に限ると、丸山、久保が不調。対戦相手との相性は、高橋が有望で、丸山がやや苦しい(特に渡辺戦)。
 高橋九段の順位戦での強さ、特に谷川九段の目線で見ると、高橋九段に勝つ気がしない。順位的にも、対戦相手的にも高橋九段が有利であるが、そんな単純ではないのが順位戦、特にA級順位戦である。
 個人的には、と言うか、興味本位な希望だが、次局ではひとりも降級が決定しないような結果が出て欲しいです。
コメント (16)
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『平清盛』 第4話「殿上の闇討ち」

2012-01-30 19:08:18 | ドラマ・映画
親子の絆の回でした。

 清盛(松山ケンイチ)は、出世のため貴族にへつらう父・忠盛(中井貴一)を蔑み憤る。
 義朝(玉木宏)は、源氏の凋落は為義(小日向文世)の不甲斐なさゆえと責める。

 それが、為義の活躍?(暴挙)により、清盛は父の気持ち(王家の犬では終わらぬ)を知り、義朝は父の切羽詰まった気持ちを知る。

 また、父として息子に告げる言葉もなかなか良かった。
忠盛「(野心を持ったのは)清盛をわが子として育てると決めた時だ」
為義「馬鹿者、お前に守ってもらうほど老いてはおらぬわ」

 父と息子が笑い合うというシーンは良いものですなあ。
 最後のシーンでは、やたら饒舌な忠盛。いつもこのくらいであれば、清盛ももっと素直に育ったのではないだろうか。(まあ、ドラマでの父は多くを語らないのがお約束)

源平の誓い
「源氏と平氏の勝負は武士が朝廷で力をつけてからでも遅くない」
内裏の渡り廊下で為義が忠盛を討とうとした際、忠盛が為義に言った言葉。
 孫の代まで繋がる言葉であるが、今後、平氏の背中のみ追う源氏には守り難い誓いでもあった。

心の機微に弱い璋子(壇れい)
 歌心は理解できる璋子だが、えぐるように鳥羽上皇(三上博史)の心を傷つける。

少し見分けがつきました
 やはり似ている義朝と佐藤義清(藤木直人)。少しだけ彫が深いのが義朝だということを発見!(笑)

顔の怖い人がもう一人
 藤原忠実(國村隼)も顔が怖いが、やはり藤原家保(渡辺哲)のほうが怖い。忠実の息子・忠通(堀部圭亮)は、いかにも性格が悪そう。


『天地人』はほぼ半年で脱落、『江』は2回で離脱しました。その時は、理解不能な展開や登場人物の心情に不愉快さを感じましたが、今回はすんなり観ることができます。面白いです。


【ストーリー】(番組サイトより)
北面の武士として鳥羽上皇(三上博史)に仕えることになった清盛(松山ケンイチ)は、北面の武士の中でもひときわ文武両道に秀でた佐藤義清(のりきよ:藤木直人)と出会う。義清は卓越した武芸をなんなく披露し、璋子(たまこ:檀れい)と女房たちとの歌合(うたあわせ)の場でも歌の名人である堀河局(りょう)の歌に適切な意見を述べて注目を浴びた。清盛は義清を意識しすぎて武芸の修練では失敗し、歌では的外れなことを言ってあきれられる始末だった。
そのころ、忠盛(中井貴一)は観音堂に千体の観音像を寄進するなど、璋子への愛憎に苦しむ鳥羽上皇の心の隙に入り込んでいった。やがて、忠盛は武士としては初めて、内裏への昇殿が許される「殿上人」に昇りつめた。祝宴を開き盛り上がる平氏一門をよそに、武士の心を忘れ、出世にいそしむ父の姿に清盛は反発を感じていた。
忠盛の出世は波紋を広げていた。平氏に差をつけられた源氏の棟梁、源為義(小日向文世)はやけ酒をあおり不運を嘆くと息子・義朝(玉木宏)から源氏の凋落(ちょうらく)は為義のふがいなさのためだと責められる。一方、藤原摂関家のおさ・忠実(國村隼)は鳥羽上皇に、忠盛が殿上人になったことへの不服を述べると、上皇は藤原摂関家の命運は自らが握っているかのように答え、忠実を牽制(けんせい)した。
ある日、藤原家成(佐藤二朗)の館で忠盛と清盛を迎えて宴が開かれ、その場に藤原忠実と息子の忠通(堀部圭亮)もやってきた。忠実は一計を講じて忠盛に舞うことを申し付ける。忠盛は堂にいった舞で周囲を魅了するが、忠実は伴奏を乱れさせるほか貴族たちが忠盛に酒を浴びせるように仕組み、忠盛を笑いものにする。屈辱を甘んじて受ける忠盛の態度に清盛は怒りを抑えかねていた。
その後、藤原忠実は源為義を呼び、平忠盛が豊明節会(とよあかりのせちえ)という儀式に出席するときに隙ができることを教え、忠盛を討ち取るようそそのかす。一方、それぞれ父への不満を抱えた清盛と義朝が出会う。清盛は武士の心を忘れて宮仕えにいそしむ父・忠盛への不満をぶつけ、義朝はふがいない父・為義への不満を清盛にぶつけた。そこへ源氏の家臣・鎌田通清(金田明夫)がかけつけ、為義は忠盛を斬るつもりだと告げる。
夕暮れ時、内裏の渡り廊下を一人で歩く忠盛に為義が迫り、源氏の未来と息子・義朝のために忠盛を斬ると告げる。忠盛は「源氏と平氏の勝負は武士が朝廷で力をつけてからでも遅くない」と為義を制し、「王家の犬では終わりたくない」という悲願も告白する。その一部始終を清盛と義朝はかげから見つめていた。忠盛の帰りを待ちかまえていた清盛は、忠盛にいつから野心をもっていたかを問うと、忠盛は「清盛をわが子として育てると決めた時だ」と答えた。父への認識を新たにした清盛は、すがすがしい笑みをうかべていた。
コメント (4)
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