カンボジア経済

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2022年末 カンボジアの外貨準備 若干減少も安定的水準

2023年01月26日 | 経済
 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)によりますと、2022年末のカンボジアの外貨準備は、178億ドルで、輸入の7か月分という安定的な水準にあるとのことです。2021年末は、203億ドル(輸入の8.1か月分)だったので、12.3%の減少でした。2018年末は146億ドル(6.9か月分)、2019年末188億ドル(10.2か月分)、2020年末213億ドル(9.5か月分)と推移しています。外貨準備は、通常は輸入の3カ月分というのが標準的な水準です。カンボジアは高度にドル化した経済ということもあって、高い水準の外貨準備を維持しています。
 新型コロナの影響や、ロシアのウクライナ侵略に端を発した資源価格の高騰等で、外貨準備が底をつく状況となっている途上国も見られます。スリランカは、破たん状況に陥り、対外債務の支払も停止する状況に追い込まれました。パキスタンもIMFの支援を受けています。ラオスも、通貨の対ドルレートの下落もあって物価上昇率が約40%にまで上昇しています。カンボジアは、こうした国々の状況とは一線を画しており、現地通貨リエルの対ドルレートも安定的で、2022年の物価上昇率は5.3%に留まっています。対外債務の支払い状況も問題ありません。
 外貨準備に加えて、日本・中国・韓国とASEAN10か国の合計13か国による外貨融通の仕組みであるチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)にもカンボジアは参加しています。緊急時には、CMIMから12億ドルの外貨を引き出すことが可能です。こうした努力もあって、カンボジアの外貨状況は概ね問題ないものと見られます。カンボジアが、対ドルレートの大幅変動、急激な物価上昇、対外債務の支払困難等の状況に陥る可能性は、当面は相当に低いものと見られます。
(写真は、日本の円借款の支援で整備されてきたシアヌークビル港)



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