Sotto voce (^-^)

楽しみを待つ事は、それ自体が楽しみ。
そんなカンジの日々を綴ります♪
Non vedo l'ora!

歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」

2010-10-05 07:18:39 | オペラ
歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」
チレア作曲
トリノ・レージョ劇場
2009年

指揮:レナート・パルンボ
演出:ロレンツォ・マリアーニ


アドリアーナ・ルクヴルール:ミカエラ・カロージ
マウリツィオ(ザクセン伯):マルセロ・アルバレス
ブイヨン公妃:マリアンネ・コルネッティ
ブイヨン公:シモーネ・デル・サビオ
シャズイユの神父:ルカ・カザリン
ミショネ:アルフォンソ・アントニオッツィ


ルイ14世治下の華やかなパリ。
コメディ・フランセーズの人気女優アドリアーナ・ルクヴルールはザクセン伯モーリス(マウリツィオ)と恋仲だった。
彼女は舞台で倒れて亡くなったが、
恋敵の公爵夫人に毒殺されたのだという噂が人々の口にのぼった。
そんなパリ中のスキャンダルになったこの実話を元にスクリーヴによって書かれた戯曲。


第1幕
コメディ・フランセーズ
いきなり私のハート鷲づかみにしたのが
初老の舞台監督ミショネのアルフォンソ・アントニオッツィ
Michonnet su,Michonnet giu…
始まって早々、フィガロ並みの何でも屋ぶり
いい声です

アドリアーナ・ルクヴルールが
「私は芸術家の下僕」を歌いながら登場
ヤバい
私の知ってる数少ないアリアを
早くもここでもう歌ってしまうのね
アドリアーナのミカエラ・カロージ
深い豊かな音色のソプラノですね
マルセロ・アルバレスの登場を待たずして
タイトルロールのソプラノとバリトンだけで
dolce-vitaの中ですでに成功が約束されました

舞台監督のミショネは花形女優のアドリアーナのこと好きなのね
秘めた思いを切々と歌う。
うまいわぁ〓

告白すべきか、否か
…明日にしよう
でも明日にはもっと年老いてしまう。

ミショネ、待ってぇ
dolce-vitaは、アドリアーナに感情移入して
満喫する予定なのよっ

気を取り直して
アドリアーナとマウリツィオの二重唱「甘く優しい微笑み」
スミレを渡すアドリアーナ〓〓

dolce-vita、無事本筋に戻ったと思いきや…

舞台の上のアドリアーナを見つめて
ミショネが歌う。

Bene! Benissimo!
Cosi,cosi…
なんという魅力!すばらしい抑揚!
なんというシンプルさ!
なんと奥深く人間的なのだろう!

ああ、彼を見た!目で語っている…
ほほえみと…しぐさと…動きで…
そしてこれほどうまく演技するのは
別の男のためであって
私のためではない
だが打つ手もない
何の実りもない
彼女の言葉を聞きながら
この苦悩を闇に葬り去ろう
そして笑って泣いて夢を見よう
そしてすべてを忘れよう
笑って泣いて夢を見よう

ミショネーっっ
危うく泣くかと思ったよ

しかも「鈍いヤツめ、ここは拍手だろ」と反応の悪い観客にも軽くイラっとしたり。

dolce-vita、完全にミショネ目線です


第2幕
セーヌ河畔のブイヨン公の別荘
ブイヨン公妃がアリア「苦しみの快楽」を歌ってマウリツィオを待っている。
ブイヨン公妃のマリアンネ・コルネッティ
いいカンジのメゾです。

しかし、マウリツィオのヤツめ
どうやら完全に二股
しかも自分がイケメンなのをいいことに
ブイヨン公妃を政治的に利用したフシあり。
そしてこの期に及んでまだ利用する気なのだ。
けしからーん


第3幕
ブイヨン邸の豪華な夜会
マウリツィオはカンペキ日和ってます。
アドリアーナに寄り添うミショネ。
アドリアーナ目を覚ましてーっ
マウリツィオは、それは見目麗しく
華やかに活躍する騎士で、
笑顔がキュートかもしれない。
でもその男は、みてくれだけのぺらっぺらの人間なのよっ
オペラの定石通り、観てる全員が解ってるのに
主役だけが気づかない。
すぐ隣に、人間的にも素晴らしく
アドリアーナを心から愛し
アドリアーナのためならどんな犠牲も厭わないという人物がいるというのに。

アドリアーナちゃん、そんなオトコに騙されちゃダメよ
dolce-vita、完全に親戚のおばちゃん状態。


第4幕
アドリアーナの家
案の定、誠実さのかけらもないマウリツィオは
さっさと故郷に帰り
アドリアーナが病気だというのに見舞いのひとつもない。
だからおばちゃん言ったじゃない
(↑親戚のおばちゃん再登場)
一方、ミショネはアドリアーナのために
アドリアーナの大切な宝石を買い戻したり
(たぶんマウリツィオを亡命させるために売ってしまったものと思われる)
恋敵のマウリツィオに手紙を書いたりする。

ミショネーっ

報われないとわかっているのに
ただひたすらアドリアーナに献身的に尽くすミショネの姿に感動しすぎて
もう毒スミレのくだりには
すっかりしら~っとしてしまうdolce-vita〓

ミショネの深い温かい愛情と比べて
この3人の愛のなんて自分勝手で薄っぺらいこと

死ぬ間際、意識を取り戻すアドリアーナ。
その右手はミショネのすぐそばにある。
ミショネはどんなにかその手を握りしめてあげたかったことか。
でもアドリアーナは最後の力を振り絞って
マウリツィオにその手を差し出す。
抱き合い愛を歌う二人。
そっとその場を離れるミショネ。

ミショネーっ

アドリアーナが息絶え
うなだれるマウリツィオ。
ミショネは…
軽く天を見上げる。
天国に旅立つアドリアーナを見守るように。

ミショネーっ

dolce-vita、完全に「アドリアーナ・ルクヴルール」の
鑑賞の仕方を間違ってます


それにしてもマウリツィオったらホントひどいオトコ
今回マウリツィオに全く愛情を感じなかったのは
マルセロ・アルバレスだったのも一因?
(いや、歌はうまいのよ、バツグンに)
これがヨナス・カウフマンだったら?
もしくはかわいこちゃんテノールだったら?
彼にも立場があるのよ
なーんて訳知り顔で掌返ししてしまうのも
想像に難くない。
(↑誰よりも日和ってるオンナ〓)

このプロダクションでは
とにかくミショネに泣けて泣けてしかたのないdolce-vitaなのであった。

今度また冷静に観なくては(*^o^*)

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