DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBAライト級:1993年10月30日)

2023年10月31日 05時46分27秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日にあたる1993年10月30日、南アフリカで行われた試合結果です。
WBAライト級戦:
挑戦者グッシー ナザロフ(協栄/キルギスタン)判定3対0(118-108、117-111、115-114)王者ディンガン トベラ(南ア)

*当時、私(Corleone)はこの試合が行われることは知っていました。しかし生中継が放送されるとは知らず、その日の午後にたまたまテレビをつけたら、「おお~っ、やってるではないか!」と慌てて観戦し始めました。しかもこの試合は大手のTBS局で、土曜日の日中に放送されました。今では考えられない事ですね。

この試合を振り返ってみると、いかにナザロフが好ボクサーだったかという事を、再認識させられます。世界初挑戦、しかも敵地のど真ん中にもかかわらず堂々のパフォーマンスを披露したナザロフ。そのサウスポー(左構え)スタイルからのテンポのいいボクシングは、30年経った2023年現在のボクサーたちも手本にすべきでしょう。

(現在のボクサーたちも手本にすべき名選手ナザロフ)/ Photo: BoxRec

ナザロフの挑戦を受けたトベラは、安定した評価の持ち主で、すでに30戦以上の実戦を行ってきました。米国や英国のリングでも試合を行い、マイナー団体ながらもWBO王座の獲得した経験もあります。その王座は既に返上し、ナザロフの挑戦を受ける4ヵ月前にWBA王座に鞍替えしています。

(南アフリカの生んだ名選手トベラ)/ Photo: African Ring

敵地での世界初挑戦にも関わらず、上々な滑り出しを見せたナザロフ。しかし4回終了間際、その回を有利に進めていたナザロフに落とし穴が待っていました。攻めに少々急いでしまったナザロフに、トベラの左ショート・フックが炸裂しダウンを喫してしまいました。しかし流石は後に名王者と言われるナザロフ。次の回にはダメージを見せず、キッチリとペースを奪回していきます。

ダウンを奪われたとはいえ、好調を維持し続けるナザロフ。テンポよく放つ右ジャブと左右のボディー攻撃で、じわりじわりと王者を追い詰めていきます。8回以降は毎回のようにトベラをぐらつかせたナザロフは10回、右、左(ボディー)、そして右のコンビネーションでついにダウンを奪い返しました。

トベラの右強打は最後まで怖いものがありましたが、明白なリードを保って試合終了のゴングを聞くことに。敵地のど真ん中で行われた一戦でしたが、危惧していた地元判定もなく、3対0の判定で世界のベルトを腰に巻くことに成功しています。

試合内容は4回のダウン以外はほぼナザロフのペース。しかし試合終了時には、ナザロフもその右目付近をトベラの左ジャブのため大きく腫らしていました。まさに激闘の証と言っていいでしょう。そして両者がフルラウンドに渡り力を出し続けた好試合でした。

(右目を腫らしながらも、敵地で堂々の勝利を収めたナザロフとジミン コーチ)/ Photo: ボクシング動画配信局

プロ18戦目にして悲願の世界タイトル獲得に成功したナザロフ。母国キルギスタン初の世界王者という称号も手にしました。敵地南アフリカでの王座奪取は、現在でも高く評価されています。しかし個人的には、もっともっと評価されるべき偉業だと思います。


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