キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

今日は冬至

2008年12月21日 | Weblog
昨日今日と湘南は冬晴れで大掃除日和、今時畳を上げての大掃除はご近所でも見かけませんが、庭木の剪定はご近所で一斉に行われており、私もこれから柿の剪定を行います。ついこの間まで実を残しておいたので、毎朝その実を啄ばみに来るメジロを楽しみに見ておりましたが、さすがに実がなくなると寄ってきてくれません。これからは玄関先の梅ノ木に蜜柑を挿して置いておくと、黄緑色の白目に会うことができます。

それでは年末忙しい時期、お互い益にならないブログを書いていても読んでいても時間の無駄です。私は、早速庭の手入れを始めることにいたしましょう。今日は冬至、働くことのできる明るい時間は一年で最短、怠け者に適した特定日ですが、ゆず風呂が心地よく感じられるところまで働きたいと思っております。


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煮込みの美味しい季節に

2008年12月20日 | Weblog
先日アルコール業界人必読書が連続的に出たのであわてて購入し目を通しましたが、昨日名古屋のホテルで朝飯をいただきながら新聞を見ておりましたら、大学の先輩坂崎重盛さんの「東京煮込み横丁評判記」光文社が広告に載っており、名古屋からの帰り早々に駅地下の三省堂で買い求めて新幹線でざっと目を通しました。

居酒屋煮込みとなるとやはり北区を中心に東京の東がそのメッカといえ、各書でお馴染みの居酒屋が大量に出てきておりました。そういえば昔々文化人類学が世の脚光を浴びていた頃、山口昌男を鬼のように読みまくったことがありました。彼の著書の中に都市に関するものがあり、東京を分析している論文があったように思います。岡場所(公娼)の近所に飲み屋があり、そこでは銘酒屋などの私娼窟なども同時に営業され、所謂悪所のヒエラルキーを構成しているというようなことが書かれていた筈です。東京の東側がそれに当たり、居酒屋、煮込みなどはこの記号にくっ付いているわけです。

生憎、今回の坂崎さんの本には色のほうは出てまいりませんが、東京を愛し和洋のアルコールを愛する坂崎さんの面目躍如たる書物です。しかし、男というものは歳を取るとどうして居酒屋が恋しくなるのでしょう。あるいは歳を取らないと居酒屋の本当の良さが分からないのかもしれません。居酒屋で見かける人は中年以降の男性が圧倒的ですからね。
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櫃まぶしは美味いのだけれど

2008年12月19日 | Weblog
ここのところ関東系統の鰻とワインについての相性を研究しておりましたが、久し振りに昨夜名古屋系のうなぎ櫃まぶしをいただきました。生憎ワインではなく地元のこってりとした味わいの酒を燗にしていただきましたが、食い物の味と地酒はやはり良い相性になっております。

オーダーをしてから鰻をさばき焼き上がって出てくるまで、待つこと15分から20分ですが、関東と違い蒸しの工程が無いためにこのような短時間で出てきます。そのため杯を傾けて待っている時間は関東よりだいぶ短くなるわけで、二人で二合を飲み終わった頃には櫃まぶしが出てきました。なんとなく物足りない感じがするのですが、本来鰻を賞味すべき店ゆえこれが妥当な時間なのかも知れません。この櫃まぶしは量がたっぷりしている上に、味が濃く、鰻はコルステロールの西の横綱、私のような者には余り好ましいい食品ではありません。

この鰻屋は会社の最寄駅の西春から歩いて20分ほどの所ですが、昨夜は往復歩いて行ってまいりました。おかげで今朝は快調にホテルのブッフェをいただきましたが、うっかりベーコンと茸入りのオムレットを食してしまいました。ご存知のように卵はコルステロールの東の横綱、さて今日は何分くらい歩いたら良いのでしょうか。
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クリスマス・ディナーショー

2008年12月18日 | Weblog
札幌滞在中に”小椋佳 クリスマスディナーショー”に誘われ観てまいりましたが、いいものですね。ディナーのほうは、オードブル・オマール海老とポテトサラダ粒マスタード、スープ・粒貝フリカッセとキャベツクリームスープ、鯛とパプリカの構想バター焼きベルモットソース、牛フィレ肉ローストと人参ラペ赤ワインソースでしたが、350人分を作っているので、味わいのほうは取り立てて申し上げる事はございません。宴会料理はやはり難しいですね。コンテンポラリー・キュイジーン発祥の地札幌でも数を揃えると質のキープは困難です。

ワインはアグリのスペインの微発泡酒が出されていたのが嬉しかったですね。味わいは、これもとりたてて言う事はありませんが、宴会乾杯用の発泡酒でございます。

食い物も飲み物も取り立てて言う事が無いなら何が良かったと言うと、小椋佳が良かったですね。一言で言うと知的な構成になっていて、詰まらん演歌歌手のディナーショーとは比べ物になりませんでした。ディナーショーというのはヒット曲とおしゃべりで終わるのですが、メインに第二次世界大戦とクリスマスを絡めた歌物語があり、これが会場をうならせました。

ここ最近の傾向として教養主義の没落が言われましたが、こうやって不景気になると無化されていた教養がはっきりとした価値を持って現れてきました。なるべく楽をして金儲けをすることがいいんだという時代は、ここで終わりを告げました。小椋佳を聞いていて嫌な時代が終わったことを実感できたのが楽しかったですね。





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サリー・ワイル

2008年12月17日 | Weblog
宇田川悟さんの「東京フレンチ興亡史」を読んでおりましたら、ヨコハマ・グランド・ホテルのシェフを勤めたサリー・ワイルのことが出ておりました。横浜で仕事をしている関係で、サリーワイルについては3,4年前その評伝が出版されたときに買い求め読んでおりましたが、その後彼に言及したものを読む機会がありませんでした。書物の上だけとはいえ知った人が出てくるのは楽しいものです。

サリー・ワイルがどのような料理を作ったのか想像をするしかありませんが、横浜には彼の弟子にあたる人が開業した洋食屋が二件あり、そこへ行って実際に食べることができ、味覚を使ってサリー・ワイルの料理を偲ぶ事ができます。実際に今料理を作られている方は、ワイルの弟子の子供に当たるので孫弟子になるのと、街場のレストランですから、一般の日本人に受ける料理のみが淘汰されて残ってきたと思われるので、果たしてその料理がサリーワイルの料理を全て継承しているかというと、そうではありませんが、デミグラスソースが二件とも同じようなスタイルに感じられ、日本人が好むこのソースはワイル直伝ではないかと類推しております。

ワイルはグランドホテルにグリルを作り、当時のコース料理のみのフレンチのスタイルをアラカルト有に変えて、フレンチを一般の人に開放した功績があったと伝えられています。
現在横浜に残る弟子の店「グリル桃山」も「センターグリル」もグリルという名が付いているところをみると、その料理にワイルの影響が色濃く残っていると考えても良いのかも知れません。
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必読書出版ラッシュ

2008年12月16日 | Weblog
ここの所短期間に3冊のワイン業者必読書が出て慌てております。角川ONEテーマ21から、島田雅彦さんの「酒道入門」、同じく宇田川悟さんの「東京フレンチ興亡史」、ちくま文庫から森下賢一さんの「居酒屋礼賛」、それぞれワイン業界に口を糊する者として読んで置かなければいけない参考書でして、つい直前に落語関係の本と高城高さんの作品集を大量に買い求め、読むのを楽しみにしていたところでしたので少しお預けということになります。

今回の札幌へも高城高さんの札幌を舞台にしたハードボイルドを持参する予定でしたが、仕事を優先させて「居酒屋礼賛」を旅の友といたしました。といいましてもこの「居酒屋礼賛」は1992年に発売されてこの道のバイブルと言われている名著でして、面白いこと請け合いです。

すでに先週末「酒道入門」は読了しておりますが、島田さんもこの「居酒屋礼賛」に登場する神田「三益屋」、人形町「笹新」、門前仲町「魚三道場」に言及されていて、かつて居酒屋巡りの参考になさったのかもしれません。

しかし居酒屋というのは秋から冬の寒い時期になんともいえぬ懐かしさを帯び、外の寒いところから入って熱いのをきゅっとやる悦楽といったらありません。わざわざ北海道まで来なくても、夕刻からの楽しい空間がそこかしこに点在し、隣の居酒屋まででさえ旅を可能にしているのです。ましてや今札幌に居る身としては、その悦楽はいやがうえにも高まるばかりで留まる事を知りません。
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頭寒足温

2008年12月15日 | Weblog
さて今日から厳寒の札幌へ出張いたします。温暖の地湘南の特に冬に暖かなところは、後ろに山を背負った大磯、二宮、国府津でありますが、その二宮に住んでおりますので寒さは一入堪えるなまくらな体になっております。それゆえ過去最高の売り上げを示したユニクロの基幹商品でありますところのヒートテックのズボン下の力を借り、三日間の寒さに耐えようとの心積もりです。それにしても世間が不景気で、利益の下方修正やら、人員整理やらをしているときに、このような業績を上げるユニクロとは経営的にみて大変優れた会社であり、気分を明るくさせてくれる話題を提供してくれるという点でも社会的な貢献度は高いですね。

そのユニクロもバブル崩壊後の寵児としてもてはやされた後、世間の環境が良くなってなんとなく話題から遠ざかっておりました。しかしながら再び世間多くの会社が躓いたときに、雌伏五年のヒートテックの進化で完全復活を果たしたところに、一貫した経営方針の凄さを感じます。

98年のワインバブルの再来を期して、アグリもユニクロに肖りたいものです。五年間の成果のズボン下を着用させていただき、厳寒の札幌で次の一手を考えてこようと思います。頭寒足温、その効果が表れる北国行きになるといいのですが。
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野田岩の味

2008年12月14日 | Weblog
今朝の湘南は雨、冷たい雨が夜明け前から降っております。年の瀬も深まり過ぎ行く年を思いやるにはいい日であるかもしれませんが、冬の氷雨は陰鬱な気分に人を誘うものです。

年二回冬と夏にある方と野田岩に行って鰻を食するのを恒例にしておりますが、この冬も先日野田岩を訪れて鰻重をいただきました。今回初めて気がついたのですが、お重の蓋に夫々の絵柄が異なった唐傘をかざした和装美女が描かれておりました。傘に女性の顔は隠れており、美女かどうかは分かりませんが夜目遠目同様美女とするのが通り相場です。

うまきを肴に燗酒をちびりちびりやっていたら、その傘美人のお重が運ばれてきたのですが、その絵柄にほおつと思った以上に、鰻の味が変わった事に驚きました。この夏にいただいたときより、確実に薄味になっておりました。夏は味を濃くするから思い違いじゃないのかいと仰られる方もおいででしょうが、机の上に先回まで無かったタレの入った醤油注しのようなものが置いてあり、薄い場合は好みでおかけくださいとの事のようでした。

飯も以前より多少ぐちゃぐちゃした感じがあり、料理人が変わった可能性も否定し切れませんが、何かが変わった事に間違いないようでした。タレの味ではなく鰻の味をダイレクトに楽しんでもらおうとの試みなのか、薄味を要望されるお客さまに対しての回答なのか、あるいは薄味にして来店頻度数を上げようとの戦略なのか、鰻業界にまで波及したコンテンポラリー・キュイジーンの余波なのか、事実は聞いて見なければ分かりませんが、それではなんだかつまりません。

次回訪れたときに変化が有るのか、あるいは無いのか。今回変化があったからといって、年二回の定期観測を乱してまで出かけてはいけません。じっくりと来年の夏を待つというのが大人の見識というものです。



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人形町きく屋

2008年12月13日 | Weblog
居酒屋研究家太田和彦さんの著書によりますと、ここ人形町きく屋は日本一高い居酒屋ですが、お値段のほうは料亭とほぼ変らぬ高値で、私のような貧乏人には何処が居酒屋なのかが良く分かりませんでした。大変奇特な方から師走のこの時期きく屋にご招待に与り、何となくその理由が納得できたところで御座います。

居酒屋というとカウンターか良くてもテーブル席をイメージいたしますが、通されたところは床の間付きの部屋で侘助が活けられておりました。畳に掘りごたつ、座椅子肘掛などがあるところを見ると、吉田町の“宇多がわ”の座敷と同じたたずまい。こちらのほうが古い分だけ寂を感じました。高名な女将が最初に持ってきた酒が「刈穂 六舟 活性純米酒 生」良い酒の濃厚な風味に軽い炭酸が刺激となって食前酒にはうってつけ、端から心のこもった歓迎を受けた気分になり、すかさず「刈穂 六舟 純米吟醸無濾過中取り生原酒」が次のグラスに注がれ、料理が出てくるまでにさらに二種類ほどの清酒が注がれました。当然銘柄は失念いたしており、中の一つは会津の酒であった事を覚えているだけです。その後も五種類ほどの特殊な造りの酒をいただきましたが、その中の一つが松江の酒であったことを覚えているのみであります。いちいち飲んだ酒をノートか何かにメモしておけば良いのですが、そんなことをしていたら酒を飲む趣を壊し失礼というものです。

さて、きく屋が何故居酒屋なのかと得心した理由ですが、出てくる料理が全て酒飲みの好物である酒の肴であること、腹に溜まらず味わいが変わり、限無く酒が飲めるように配慮されております。メジ鮪、アオリ烏賊、平目の刺身のようなものは料理屋と変りませんが、漬物やくちこ、塩辛のようなものが、どれだけ出てきたか忘れるくらい出てくるところに居酒屋である出自を感じました。

たっぷりと飲ませていただき、その上お土産まで頂戴して、きく屋の格子戸をくぐり抜け、そぼ降る氷雨の情感たっぷりな人形町の路地へ出て見ると、ふと好景気だった頃の日本の師走の情景が懐かしく思い出され、心が静まるまで街灯の明りの中の雨脚を見つめておりました。

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スキオペッティーノの刺激

2008年12月12日 | Weblog
会社の近くのイタリアン、テンダ・ロッソにブレッサンのスキオペッティーノとエゴが納入され、先日そのワインを飲みに行きました。ここの所凝っているスキオペティーノを注文しましたが、少し温度が高く開栓直後からブラックペパーの香りは良く出ていたのですが、その刺激はぼやけておりました。少し冷やしてもらった方が刺激的でキリットした特徴が出たかもしれませんが、香りが開いた状態も捨てがたくそのまま試してみました。まあ、異なった条件で飲んで試してみる事も必要です。

ヴィンテージは2003ですし、フルヴィオが飲み頃になってから出荷する事を基本方針にしているため、ワインは果実味が柔らかくふっくらとしておりました。そこに異質の黒胡椒の香りがあるので、クセになるのです。最近はこのコントラストが無いワインに物足りなさを感じ、なまじの果実だけの風味では物足りなくなってきております。

最近、果実だけの風味で嵌っているワインは、ペスカイヤのソルティエですが、一度これに黒胡椒を振りかけて試してみようと考えております。より刺激的なワインが完成するかも知れません。それをセロリのスティックでステアしたら一体どんな事になるんでしょう。楽しみですね。
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