キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

今とはどの様な時代なのか

2008年12月07日 | Weblog
今朝も湘南はこれでもかと言うくらいの好天に恵まれております。このようなところに生まれてからほとんどずっと住んでいるので、人間が甘くなりがちで、辛抱や忍耐というのが苦手、ついつい楽なほうへと志向する傾向があります。この辺りからいずれの分野にしろ大物は出ていません。

竹内洋さんの中央公論新社から出ている「学問の下流化」を先々週の名古屋勤務の帰りがけ、名古屋駅ビルの10Fにある三省堂で購入いたしましたが、実に良い本でじっくりと読みました。この方の著作は初めてで、書店で五感を働かせて購入に至ったのですが、良い出会いでした。

その後に二宮の伊勢治で購入した冬幻舎新書、佐伯啓思さんの「自由と民主主義はもうやめる」もひじょうに分かりやすく現在の状況を的確に分析している書籍です。この方のものは、もう長い間目に付くと買い求めておりましたので、論旨と文体に慣れておりましたが、特にこの本は啓蒙書として分かりやすくて良いですね。

ここ数年小説やエッセイを読むことに時間を費やしていたので、この二冊の社会学の本は久し振りなためかやけに新鮮に感じ、向こう数年このカテゴリーの書籍を読む季節になるような予感もしております。今という時代には余り好感が持てず、古い小説の世界や年輩の方のエッセイを読んで現実逃避をしておりましたが、何となく生きている事に現実感が無くなって来ているとは感じておりました。竹内さんが1942年生まれ、佐伯さんが1949年生まれですから、私より大分年輩の方たちですが、今という時代を社会学と社会経済学の専門の分野から掴み取ろうとする意欲がすごいですね。またそれを使命と感じて学研の道を歩まれて来られたのでしょう。

それでも竹内さんが著作の中で、もう今の若い人達の感覚は分からないので、同世代の学者に今を分析をしたほうが良いんだと表明されており、その辺りに本音があるのかも知れません。
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