どうも井上ひさしの映画に関する本の方も気になって、アントニオ猪木から浮気をして少し読んでみた。
後ろめたい気持ちもあり途中で止めてしまったが、著者が引用している井上の小説やエッセイや戯曲が初期のものが多く、良く知っているモノばかりなので興味深く、なおかつ懐かしい。
大学時代、教養課程を西千葉で受講していたが、松戸にある園芸学部の授業が時々あり、市川からバスに乗って江戸川沿いに行くことが多く、井上が住んでいた国府台の当時の風情が頭に浮かんだりしてね。
土地には感情や時間が浸み込むようで、松戸が舞台の「野菊の墓」や矢切の渡し、「寅さん」や川魚料理屋の「川甚」なども小説や映画に出てくると、脳の奥にある記憶が呼び覚まされて平常心ではいられず、身体もぐっと前のめりになる。
ウエーダーも来ないし南風も吹いていて、波は低いが風波の釣りは面白くないので、何か運動しなきゃいけないなと思っていたら、大磯図書館からメールが来て、宇多田ヒカル「初恋」の準備が出来ているとのこと。
先日予約を入れたが、大磯本館にあるのを国府分館に移送してもらうので、一手間かかるのだ。
ちょうどいいやと思い、自転車で引き取りに行くことに決めた。
帰りに六所神社裏の公園で、運動をいつもよりややしっかりと行った。
オオムラサキが一斉に咲いて五月の匂いでむせ返るのもこの季節ならではだが、ジャスミンの香りも結構支配していて所々で感じる。
実にいい季節に入って来た。
家に帰って早速「初恋」を聴いてみたが、先ずはジャケットに宇多田ヒカルのアップの写真があり、どことなく藤圭子に似てるなと思った。
2018年のアルバムだが、何方かがこの子も大人になっていいよと云っていたので、7年遅れで聴いてみようと思ったが、時代遅れって気楽でいいもんだよ。
感想、繊細な感受性を感じるが、几帳面な音楽作りが息苦しく、音楽が楽しくない。
まあ、一回聴いた感想だから何回か聴いて馴染んだらまた別の艦上が喚起されるかもしれないけどね。