弟は娘3人い恵まれ上二人は結婚して孫が8人いるので、僕とは大きく感覚が違うようで、世の中の事には然程ど関心が無く、もっぱら子供や孫を中心とした世界の中で生きているようだ。
長男に言わせると父の生活感に似ているとのことだが、子供のころから弟は父のほうの気質を受け継いでいたので、老境に達して益々それが色濃く出ているのかも知れない。
父は海軍の予科練に行ったように理科系の頭を持っていたようで、弟も数学物理が好きだったので大学では物理をやった。
僕のほうはそれが大嫌いで、弟が小説は無駄だから読まないと云っていた小説が好きだった。
まあ、残念ながら文才が無く文筆家にはなれなかったけどね。
長男と娘が零時頃まで酒を飲みながら、政治や社会についての見解を披露しあって議論していた。
長男は誰に似たのか早くから政治に興味を持ち、現在参政党の党員で今度の選挙で選挙カーの運転手をやることになっているらしい。
この政党も途中で空中分解しなけりゃ、今頃かなりの議席を持っていてもおかしくない、しっかりした綱領を持った党だったが、小人がトップに出ると権力欲が強くなり排除の法則が支配して、現在党首の神谷が党勢の拡大を邪魔したね。
今度の選挙では保守党が議席を持つんじゃないかと思うが、結局保守の大同団結は個人の権力欲により実現不能なんだろうな。
国民全体の3割と云われる岩盤保守の受け皿が、明確な形であればいいのだけれど、ある程度の対米従属やむなしという現実的な保守と、自主独立を掲げる理想論を掲げる保守との確執は避けられない。
僕は酢橘ソーダを飲みながら11時まで議論に付き合っていたが、進展がないので二階に上がって寝た。