キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

湯豆腐

2017年11月14日 | Weblog
11月13日から72候は、地初めて凍るとなる。
地球温暖化と湘南の気候ゆえ実際に地が凍るのは12月に入ってからだが、いよいよ冬は深まってきている。豆腐が好きで秋風が服頃から湯豆腐を始めているが、これからいよいよ頻度数が増す。

   笹濁りして湯豆腐の湯の熱さ   日野草城

家庭では鍋に昆布を一枚放り込み、湯呑みに醤油、鰹節、葱を入れ、豆腐と一緒に温めれば出来てしまう簡単な料理である。
それゆえ料理屋で出される湯豆腐は、赤で造られた湯船に豆腐が浮かび、下から炭火が湯を温め、葱と鰹節が入ったタレが脇に据えられている専用の携帯風呂桶様のもので供される。
さもないとカネの取りようがない頼り無い料理だからだ。
肝要なことは、美味い豆腐を買い求めるだけで、調理に秘密も腕もへったくれも無い。

昔通った横浜の料理屋では近所の豆腐屋が国産大豆で特別に作った豆腐を使っていた。
大磯は歴代の総理大臣が別荘を構えたところで、そこへ納品したゆえあってか美味い豆腐屋があり、今でも商いを続けている。
そこの最上品の豆腐は格別に美味いが、原料大豆の値上げとともに今では一丁4百円台の値となり、庶民が気軽に買える代物ではなくなった。
幸い2年ほど前から杉山のバアサンのところで手頃な価格で美味い豆腐を買えるようになったので、頻繁に湯豆腐を楽しむことが出来ている。
それでも最初の2年は、店があることは分かっていても、午後に通りかかるために何時も閉まっていて買うことができなかった。
バアサンが店番をしている可能性が高いのは午前中だけで、しかも用があれば店はもぬけの殻だ、午後は絶対に居ない。
今では午前中に店に居ないときには、母屋へ行って引っ張り出して来るので買える確率が高くなっているが、一般の客が買える確率はかなり低い。
現に今朝も近所のご婦人が店の前を通りすぎて、私がバアサンを母屋に見つけて豆腐をたのんだら、それを聞き付けて引き返してきて豆腐を買い、よかったわと言っていた。

今朝は5時に目が覚めて、枕頭の歳時記を眺めたので長々と湯豆腐について書いたが、すでに6時を過ぎた。
橋本治の「橋」を読まなくちゃ。
3分の1ほど読んだら起きる時間になったので読むのを止めたが、まだ小説の導入部のような気がするのにここまで来てしまったら、話が動き出したらいきなりクライマックスになるのだろうか、橋本治の小説は初めてなので様子がわからない。

雨戸を開けて新聞を取ろうと思ったら無かった。
昨日テレビ番組が二日分あったから今日は朝刊が休みなのだろう。
風呂に入り、モツ煮を温め、豚汁に豆腐を入れて葱を刻んだ。
さつま揚げをグリルに入れて朝飯にした。

尻の座りだこが中々治らず慢性化すると面倒なので治療法をネットで調べたが、低反発のクッションを使用し、運動で筋肉を尻に着けることくらいしかないようだ。
二本足で生活するようになってからの身体の不具合は根本的な治療法がないものが多い。

東に向けて散歩に出る、何時ものコースは車に会いにくく風景もよいのだが、さすがに飽きたので中学生のころ祖母の家まで走っていたコースを歩いた。
祖母の家は中丸公民館の裏手にあり、二宮の園芸試験場で働き、愛人と二人で暮らしていた。
死んでからも長く取り壊されずにあったので、東海道線で通うようになってからも車窓から見えたが、15年ほど前に取り壊された。
今は北側に家が建ち電車からはその土地が見えなくなっていたが、今日3年ぶりに見たら更地のままだった。
そこから北へ向かい平塚学園の運動場の西側を歩き、馬場公園を抜け不動川を渡りヤオマサに行く、湯河原か岩で獲れたキハダ鮪が3,000円で売られていて、先日食べて美味かったので買おうかと思ったが、酒が欲しくなるなとやめておいた。
結局ヨーグルトと乾きものつまみ、バタピー、南京豆、殻付き落花生、ラーメンスナックを買う。
杉山のバアサンからは絹ごし豆腐二丁を買う。

昼少し前に帰り、柿の収穫をする。
鳥が食べているので渋も抜けたかと、10個ほど採って食べてみたが、先端部だけに粉が吹いていて非常に甘かったが、半分以上は渋で喰えなかった。
裏の人が見に来ていて、うちの柿は甘柿だが小粒であまり甘くないが食べるならと、30個ほど持ってきてくれた。

昼飯は野菜サラダとオムライス、食後に殻付き落花生と紅茶。

プレシネ「ひまわり」を観る。
内容は知らなかったが、ひまわりの映像シーンと主題歌を知っていた。
マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンは、名前も顔も知っているが、なぜかと言えば題名は失念したが、徴兵を逃れるために連続して妊娠するコミック映画を観てるからなんだな。
「ひまわり」はシリアスな反戦映画で実際の戦場の映像も入っていて冬のロシアでの戦いは寒くて悲惨だったようだ。
戦争で夫婦が離れ夫が現地で妻を迎えて家庭をつくるケースは、日本でも太平洋戦争中に実際にあった話だが、男は恩を受けた女を棄てられないから、ここまでいかなくても多々ありうることで、「草原の輝き」も同工異曲だ。
ソフィア・ローレンは目がきつくて口がでかく頬が張っているので美人だが恐い、マストロヤンニが2度乳房を握っているが、乳房がたっぷりとしていて肉感的で色黒、野性的だ。

午後昼寝、4時前に起きて母の帰りを手伝い、相撲を観る。
白鳳が強いねえ、高安もだいぶ回復しているようだ。
稀勢の里は勝ったが、みなぎる気力が感じられず弱々しい、これで甦ったら凄いのだけど、相手も本気だからね。

晩飯は湯豆腐と筑前煮、豚汁、今朝体重を測ったら増えていたので酒は慎む。

夜のプレシネ「ハムナプトラ」も観る。3,000年前のエジプトでかけられた呪いの物語。
ヒロインが美人だった。

「橋」を読了するが、分かりにくい小説だった。
列島改造論の頃にその恩恵を受けた親のもとで育った環境の違う二人の女が、子殺しと亭主殺しをするのだが、地元の新潟で中卒と東京の名門女子大卒の育ちの違いを乗り越えて、時代というものの影響が強く、同じ結果にさせたってことを書いているようにも読めるのだが。
天才橋本治は私と思考方法が全く違うので、もう少し他の著作を読んでみないとよく分からないが、初めて奮発して単行本の「桃尻語約枕草子」を買った40年前に真剣に取り組んで置けばよかったなあと無駄に過ごした歳月が悔やまれる。
コメント
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