キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

日本のワインの特殊性

2014年07月16日 | Weblog
二年ぶりにチボー・ギャランに会った。
月曜日の夕刻事務所にやって来て、シャンパーニュを飲みながら雑談をした。
コタンフェレールからドメーヌ・HMという会社に変わっていたが、相変わらず役職は副社長で、日本お客先の多くと相変わらず仕事をしているらしい。
結構なことだ。
娘が15歳で本人が48歳、未だ少し働き続けなければいけない。

この会社のグループが、ジュラに15%の生産量を抑えている大きな会社を持っているとのことだが、ヴァンジョーヌは時代遅れのワインになって、製造メーカーも減っている。
それをブルゴーニュに本拠を置く会社が販売すれば、多少の効果があるだろう。
ゆったりと時間を使いながら飲むヴァンジョーヌは、至福の時間を我々に与えてくれるが、このスピード優先の時代にマッチしいない。
コニャック・アルマニャックが飲まれないのも、飲酒運転の取締りが厳しくなったからではなく、スピードを要求される時代のせいかも知れない。

このチボーが、大変重要なことを云った。
日本は何故1ユーロのワインを求めるのか、しかもそれをドライコンテナで運ぶ。
日本は豊かな国なのに何故高い品質のワインを求めないのか、1ユーロのワインを求める国は日本とアフリカだけだ。
そして、品質管理が多分世界一の日本で、何故ワインの品質管理にだけこだわらないのか、理解できない。

量販店では、瓶、ラベル、キャップシールなどの品質は、お客様の目に見えるだけにうるさいが、さてワインがドライコンテナで運ばれたか、リーファーコンテナで運ばれたかよりも価格にこだわるかたが多い。
美味しいものを提供しようという、食品商いの基本中の基本がないがしろにされているので、販売店が物を売る能力が無くなって来ているのも仕方の無いことだ。
どうやったら売り上げが達成できるのかを考えるより、先ず、美味しいものをお客様に飲んでもらおうという気持ちがなければ仕事をしている意味も無い。

梅雨が明けたような天気が二日続いた。
未だに円安で苦しめられていて気分がすっきりしないのに、天気だけはすっきりとして晴れやかだ。
井桁でチラシを喰って、日陰を探しながら芳林堂に向かう。
交差点でも道の前まで出ている人は少なく、みな日陰に寄り添うように固まって信号が替わるのをまっている。
笠井潔・白井聡「日本劣等論」ちくま新書、川上弘美「天頂より少し下って」小学館文庫の2冊を買う。
笠井潔を買うのも久し振りなら、川上弘美を買うのも久し振りだ。

コメント
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