キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

コラムニストの憂鬱

2011年10月13日 | Weblog
この秋から「ワインの話」を月刊誌”樽”に連載しているが、800字程度で魅力的に纏めるのは中々難しいもので、随分推敲を重ねて終いには原型が分からなくなるくらいになっている。特に少し慣れてきたので色気が出て、読者に少しでも喜んでもらおうなんて考えるのがいけないようだ。
池部良の雑文集というか随筆集のようなものを纏めて何冊か読んでいるが、短い文章が多く参考になる。この人もサーヴィス精神旺盛で随分無理して楽しませようとしてくれる。しかし、そのため自然さがなくなって無理してるなあと思わせるところが、かえって詰まらなく感じることもある。難しいもんだ。

この月刊誌は1万人位の読者がいるそうだが、書いたものが面白いのか詰まらないのか正確な反響は分からない。版元の人は激励のためか、調子に乗せるためか、中々いいと言ってくれているが怪しいもんだ。
この雑誌はハードリカーと酒について定評があり、ワインについては遅れたところがあるので、一般的な人に分かり易く、面白いものをとの要望だが、それが一番難しいんだな。ワインに興味を抱いた人には、新しい知識というのは何でも面白いもので、詰まらない記事でもワインに関することなら貪欲に吸収してくれるが、ワインにあまり興味が無くて、美味けりゃ飲んでもいいやなんてスタンスの人を振り向かせるのが一番難しい。ただ、そういう人を大量に振り向かせることに成功したら、今後のワインビジネスは光り輝くんだよな。

「美味そうだ飲んでみたい。」「かっこいいじゃん、俺も飲んでみたい。」なんて思わせる文章を紡げたらいいんだがと、最近はそのことで頭が一杯だ。文才は天が授けたものであるらしいから、いくら考えても無駄かもしれないが、無抵抗で諦めるのは癪に障るからやれるだけのことはやってみよう。
でもまあ、その前に少し酒でも飲むとするか。
コメント
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