キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ブランケットリムーについて

2007年06月13日 | Weblog
ワイン業界以外のかたには余り馴染みのないワインですが、このワインは発泡酒です。フランスの南西部の山奥で造られており、物の本によるとシャンパーニュが発泡性ワインを始めるずーと前から発泡性ワインを造っており、元祖を名乗るに相応しいワインではあるのです。私はこの地区に二度ほど足を運んでおり、最初が98年、カルカソンヌでカスレ・アカデミーに参加した帰りに、この地のコーペラティヴで素晴らしいシャルドネをいただき、その後カスレとほぼ同じ料理で名前が違う料理を街のレストランで盛大に供された記憶があります。二度目はその翌年くらいでしたか、当時当社の現地社員がアルマニャックにおり、彼の車で現在「横浜ワインコレクション」が取引しているブランケット・リムーのメーカー、ドメーヌ・ロジールを訪問しました。街から外れた山の中に有るのかと思いきや、前回カスレ様の料理をいただいたレストランから車で五分の街のはずれでした。

着いた所は日活映画で石原裕次郎が何故か歩いている横浜の改築前の赤レンガ倉庫のような、うらびれてくたびれた所で、これには驚きました。このメーカーは当時ギダシェットでクー・ド・カーを毎年連発している優良メーカーで、売上好調、お足がザックザクの金ぴかの建物を予想していたのですが、ブランケットリムーのおかれた状況を思い知らされました。過去100年の間に後発のシャンパーニュのマーケット戦略に完全にやられちゃって、フランスの隅っこに追いやられたままだったのです。

今回定番として取り扱っている、キュヴェ・フィリップ(パリ銀賞)と、新にキュヴェ・ドメーヌ・ロジール(パリ金賞)、キュヴェ・シャトー・ド・ヴィエロング(パリ金賞)を試飲いたしました。先ずは相変わらず品質が高いものを造っており、中々良い色のメダルをとっております。メーカー価格はシャンパーニュの4分の1というマーケットの隅に追いやられたままの状況。シャンパーニュと同じ手をかけてワインも引けを取らないのに対価がこれでは嫌になっちゃうんじゃないでしょうか。期待を込めて飲んでみたところ、炭酸の強さだけ目だって私にはぜんぜん駄目でした。舌を完全にヴァルファルモサにやられてしまっております。ブリュット・ナチュレを飲みすぎて体がこれしか受け付けなくなっているようなのです。

以前から泡物は嫌いだったのですが、ここ最近の試飲でその事を思い起こしました。やはり泡物が嫌いな事は変っていなかったのです。ヴァルファルモサ・ブリュット・ナチュレとシャンパーニュ・コランの特級が特異的に好きなだけなんですね。最近試飲した評判の高い二社のクレマン・ド・ロワールも炭酸の強さが不快で、正当に評価できませんでした。背油の浮いたラーメンを食べる気になれない、本醸造の燗酒がアルコール臭くて飲めない事と同曲のようです。社内の評価点も非常に高かったですねえ、「老兵は消え去るのみ」残念ながらこの手の泡物を評価する資格に欠けるようです。この世評の高いブランケット・リムーについては、この秋にばーんと輸入いたしますので、ぜひ皆さんにご賞味いただき評価をしていただきたいものです。果たしてあなたは老兵なのか壮年兵なのか。
コメント
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