「グラン・ガラ」(7月22日)


  キエフ・バレエの田北志のぶさんが呼びかけ人となって行われたバレエ・ガラ公演です。

  田北さんがタイトル・ロールを踊るアルベルト・アロンソ版『カルメン』、そして「瀕死の白鳥」は出色の出来です。

  田北さんのカルメンは、エレーナ・フィリピエワを思い起こさせる、刃物のように鋭くて、強靭な意志を持つカルメンです。わざとらしい「悪女演技」ではなく、ポワント・ワーク、ピケ、グラン・バットマンで語るカルメンです。「瀕死の白鳥」は、2012年に行われた「グラン・ガラ」での踊りよりも、格段にすばらしくなっているという印象を持ちました。あの柔らかに細かにうねる両腕の動きは衝撃的で、久しぶりに感動しました。

  オレーサ・シャイターノワとブルックリン・マックは、踊りでガチ勝負してました。互いに遠慮することなく、めちゃくちゃ柔らかい身体能力と強い筋力と凄技を連発。大爆笑(良い意味で)。

  そしてなにより、イーゴリ・コルプが絶好調。

  一時期、コルプもそろそろ衰えたかと思ったけど、どーやらそんなことは全然なかったらしい。なんのことはない、コイツはお堅いマリインスキーのお堅い公演だと今いち調子が出ず、こういう自由に踊れるガラ公演だとたちまち本来の実力を発揮する、というだけのことだったのである。

  加えて驚いたのがコルプの髪型。私、初めて見たよ。


   ほとんどソフト・モヒカンばりに刈り上げたツーブロックの男性バレエ・ダンサー


  って。


  
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