「グラン・ガラ」(7月22日)


  キエフ・バレエの田北志のぶさんが呼びかけ人となって行われたバレエ・ガラ公演です。

  田北さんがタイトル・ロールを踊るアルベルト・アロンソ版『カルメン』、そして「瀕死の白鳥」は出色の出来です。

  田北さんのカルメンは、エレーナ・フィリピエワを思い起こさせる、刃物のように鋭くて、強靭な意志を持つカルメンです。わざとらしい「悪女演技」ではなく、ポワント・ワーク、ピケ、グラン・バットマンで語るカルメンです。「瀕死の白鳥」は、2012年に行われた「グラン・ガラ」での踊りよりも、格段にすばらしくなっているという印象を持ちました。あの柔らかに細かにうねる両腕の動きは衝撃的で、久しぶりに感動しました。

  オレーサ・シャイターノワとブルックリン・マックは、踊りでガチ勝負してました。互いに遠慮することなく、めちゃくちゃ柔らかい身体能力と強い筋力と凄技を連発。大爆笑(良い意味で)。

  そしてなにより、イーゴリ・コルプが絶好調。

  一時期、コルプもそろそろ衰えたかと思ったけど、どーやらそんなことは全然なかったらしい。なんのことはない、コイツはお堅いマリインスキーのお堅い公演だと今いち調子が出ず、こういう自由に踊れるガラ公演だとたちまち本来の実力を発揮する、というだけのことだったのである。

  加えて驚いたのがコルプの髪型。私、初めて見たよ。


   ほとんどソフト・モヒカンばりに刈り上げたツーブロックの男性バレエ・ダンサー


  って。


  
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コメント
 
 
 
コルプのヘアスタイル (shushu)
2015-07-25 02:29:34
ちゃうさん、こんばんはー。オーチャードの公演に行かれたのですね。私は川口と武蔵野に行きました。

コルプ、良かったですね。ロミジュリが意外と(失礼)爽やか路線でしたし、正統派のエスカミリおだったのも驚き。ヴィシのガラのときは、ヴィシと波長が合いすぎるのか色物極めていたのにww。相手役によって同じ作品でも全く別の面を見せてくれるんですから、相変わらず楽しすぎます!

田北さんは、カルメンも瀕死の白鳥も、しっかり作品にあった雰囲気と技量に感心しました。あのレベルの高いキエフで踊り続けた実力はただものではありませんでした。

ところでコルプの髪型ですが、以前新国にヴィシと客演してジークフリード踊った時の、「スポーツ刈り」に比べれば、今回は普通の範疇ではなかったか、と。
 
 
 
Re:コルプのヘアスタイル (チャウ)
2015-07-25 19:45:30
shushuさま、こんばんは~。

武蔵野でも公演があったのですか。今回の「グラン・ガラ」は公演数が多いですね。

本当に、コルプが大変に魅力的で、生き生きしていて、パートナリングも踊りもすごく頼もしかったです。

田北さんのカルメンがストイックな雰囲気だったからでしょうか、コルプもいつもの横にズレる癖を控えて、けっこう真面目な(すみません)エスカミーリョでした。

今回は「牛(運命)」がいなかったせいもあるかもしれませんね。田北さん、ザイツェフ、コルプがみな牛も分担していたように思います。

コルプのロミオもよかったです。コルプは一見するとアクが強いように見えますけど、意外にあれがコルプの本質なような気がします。

観客に花を渡すときも、コルプは最後まで残って、客席を奥まで、また端まで駆け回って、観客に花を渡していました。

そーいえば、ヴィシニョーワと『白鳥』を踊ったときのコルプは、丸刈りに白塗り、チーク、口紅で、まるで2丁目のバーのママでしたね(笑)。
 
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