▼選挙演説を聞いても、もはや心に響くものがない。シンゾウの長期政権で、政治に対する期待感が消滅してしまったからだ。さらに言えば、政治に対する諦念が染みついてしまったと言ってもいい。
▼だが、この政治に対する期待感の喪失と諦念こそが、シンゾウが目指す【憲法改正】への大きな道筋なのかもしれない。
▼こんな世の中なら憲法を改正し、新しい「国家秩序」をつくらなければならないと、国民自らが自覚するだろうという、シンゾウの心理作戦ではないかと。
▼「アベノミクス」の正体とは【憲法改正陽動作戦】なのかもしれない。後継者のスガは、さらに今の憲法では、日本は立ち上がれないだろうということを、国民に強く意識づけた【改憲功労者】では。
▼そんな厭世気分が蔓延する、今回の衆議院選挙だ。昨日ある女性の訪問者があった。妻が対応したが、選挙のお願いだった。
▼Sさんは、60歳は超えている。若いころからある宗教団体に入っていた。都会で暮らしたこともあるので、ユーモアもあり会話も楽しい。
▼数年前から足の具合が悪くなり、歩行が少し困難で杖を頼りにしている。会報を私に渡す時、子供のような笑顔で「お土産」という。そんなユーモアが私は気に入っている。
▼彼女の亡くなった父上と私は、お寺の役員をしていた。シベリアに抑留されたことは聞いているが、そこでの生活内容はほとんど語らなかった。語ることすらはばかるをほどの、壮絶な体験だったのだろう。
▼酒の席で、私がその話に触れたことがある。「俺は背も高いし身体が丈夫だった。だから生き延びれたのだ。こんな身体に生んでくれた両親に感謝している」と話してくれた。
▼戦争体験者も、私の周囲にはほとんどいなくなった。「読書より実体験に勝るものはなし」という思いを、多くの先人たちから教わった。「二度と戦争はごめんだ」と、先輩たちの遺言を、私は心に刻み込んでいる。
▼Sさんと会話した私の妻の話だ。彼女は解散が迫る直前と、今回で2度目の来訪だ。玄関での立ち話だったが、比例区はぜひ00党にと、身体を震わせるように熱心に妻に語ったという。
▼外には仲間が車で待っているというので、情熱一杯の小演説をこなし、帰ろうとした。杖を使っていないのを妻が気付き「Sさん元気になってよかったですね」と話したという。
▼Sさんも杖を持っていないことに気づくと「私何かに熱中すると、身体がよくなるの」と、得意の笑顔を見せたという。
▼妻は、Sさんの「愛と情熱」に感動し「比例区は00党に入れようかしら」という。「そう思うなら、それでいいんじゃないの」と私は答えた。
▼今日、函館市内に買い物に出かけるので、期日前投票をしようと思う。