函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

「災」を考える

2010年10月21日 11時42分08秒 | えいこう語る
昨日、椴法華地区全域の、防災工事現場の視察があり、町内会長として参加してきた。
長く生きていると、それなりに多くの災害を目撃しているので、危険箇所は自らも理解している。
住民の生命・財産を守るため、防災工事は必要不可欠である。
私の町内にある川は、私が生まれる少し前の氾濫で、死者が出ている。
私の記憶でも急峻な山から大雨がこの川に集中し、危険を感じたことが多々ある。
多々あるなんて、私までが防災工事を説明する、行政担当者のような発言になってしまった。担当者の理路整然とした説明に、つい引き込まれてしまうのである。


漁業の村なので、海岸線の崖にへばりつくように住居が立ち並んでいるので、危険箇所がたくさんあり、そこにも治山工事を施さなければならない。
村には、活火山恵山が煙をたなびかせ、優美な姿を見せている。
その山からの大きな谷間が雨による侵食で、ここ数十年の間に危険度が増して来た。
参加者の中には子供の頃、この沢から登山して楽しんでいたという方もいたが、
とても登れるものではないと、その変貌振りに驚いていた。
ここは国費・道費などの予算がつぎ込まれ、治山工事がされていたが、防災ダムに埋まった土砂の除去、さらにダムの嵩上げ工事が進む。
最後に役場庁舎前で、参加者からの要望事項の聞き取りがあった。
住民の生命・財産を守るため、防災工事充実をお願いし解散した。
私は「過疎の人口流出を止める、砂防ダムも作ってほしい」と発言した。
私の隣にいた駐在所の若いお巡りさんが、それに過敏に反応し、身体を震わせ笑っていたのが印象的だった。
経済危機に陥っている日本。「事業仕分け」が、予算編成の要だが、地域に必要な予算を配分してもらうのに、担当者は様々な知恵を絞っているのだろう。
「一番でなく二番ではだめなの」と叫ぶ、大臣がいて、国民は生命の危険に晒されないかとも心配になる。
と同時に「欲しがりません勝までは」という精神も、財政難克服の要であるように思える。
人命救済の防災工事というのも「エンドレス・日本列島改造計画」のような気もする。
昨今、尖閣列島などの領土問題が浮上し、メディアでは弱腰の日本外交が声高々に喧伝され、防衛力強化にも繋がりかねない。「思いやり予算」など、仕分けの対象で廃止にならないものかとも思う。
防災・防衛、共通しているのは、危険を想定し、事前に排除することだ。
それには膨大な予算の確保が必要である。
「プライオリティー=優先順位」「バリュー・フォー・マネー=費用対効果」
以前盛んに言われたこれら役所用語を、久しぶり思い起こした、昨日の防災工事現場の視察である。


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