
▼「共謀罪」が、衆議院の厚い壁をついに乗り越えた。平和国家日本の本丸である『憲法第9条』の足元に、ついに火がつけられてしまったというのが、今の我が国の戦況だ。仕掛たのは、北朝鮮でも米国でもない、我が国最大与党の、アベ総理率いる自民党だ。その戦いを応援しているのは、国民だ。総理支持率、自衛隊憲法明記などでは、その数過半数を超え、第96条(憲法改正)もクリアーさせる勢いだ。
▼世界有数の戦力を持つ自衛隊が、現憲法違反なら、国民がその存在に期待している自衛隊を、本丸9条の中に潜り込ませようとしているのが『加憲』という戦術だ。「戦争放棄と自衛隊」という矛盾を鮮明にし、そこから本丸を朽ち果てさせるという「ひさしを借りて母屋を取る作戦」だ。そこに援軍として参加するのは、公明党と維新の会だ。
▼今や、平和国家日本の青い空を覆いつくすように飛ぶ、大きな「戦闘鷲」がアベ総理だ。我が国に住む自分に反対する者は、すべてその鋭い爪で捕まえ、食いちぎってしまう凶暴ぶりだ。それを抑えるのが「森友学園問題」と「加計学園問題」ではないかと、ひそかに期待していた。 だが、これらも、少しはもがくが、アベ総理の口ばしというより、口先で、息を止められてしまうようだ。
▼しかし、文科省の生ぬるい仕事ぶりと天下りの不祥事に、アベ総理が冷たくしたのが原因か、文科省内部から「戦闘鷲」を撃ち落としかねない、加計学園と交渉した文書があるというのを、前文部政務次官がマスコミに公表するという。だが、アベ総理も旧態依然とした天下の文科省もびくともしないだろう。このドン・キホーテー次官はロバから落ちて「ロ死ナンテ」ぐらいのギャグで、葬られるに違いない。まったく、アベ総理の口先の威力は、恐ろしいほど鋭利と化しているようだ。
▼野崎昭弘著「詭弁論理学」にこんな記述がある。「無学者、論に負けず」という言葉だ。相手の言うことなどまるでわらない(わかろうとしない?)石頭のほうが、えてして自分の言いたいことを押し通してしまったりりするものだ。
▼多くの憲法学者がアベ総理の憲法解釈は違反とするのを支持するのか、それとも、総理を信じてこの国の運命を任せるのか、答えは明快なはずだ。だが、国民の支持がなぜか総理の方に若干傾いているのが、最近、私の精神が不安定になっている要因ではないかと、自己診断している。
▼ふと、寺山修司の顔が浮かび、彼の重い津軽弁が聞こえてきた。
※大工町寺町米町仏町老婆買う町あらずやつばめよ
※新しき仏壇買ひにいきしまま行方不明のおとうとと鳥
※売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯れ野ゆくとき
※間引かれしゆゑに一生欠席する学校地獄のおとうとの椅子
※川に逆らひ咲く曼殊沙華赤ければせつに地獄に生きたし今日も
※かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
1965年「田園に死す」より。
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