▼私は日本が、気高く、強く、美しい国であってほしいと願っている。だが日本の未来に対する不安が脳裏をよぎることはないだろうか。そうした不安を生み出す要因は単純ではないが、戦後の日本が国家として迷走し、日本国民の願いとは別に、他国の要求や操作に屈して、本来の日本とは異なる姿を形成してきたからではないかと思うからだ。
そのような方向へと日本を引きずったのは、紛れもなく当時のGHQ(連合軍総司令部)である。占領政策の目的は日本国家の解体であった。日本国憲法は、日本人の社会や日本国の基盤としては異形異質なものと言わざるを得ない。敗戦の結果として与えられた憲法には「日本」の刻印はなく、木に接いだ竹のように、幾世代を経ても美しい花をつけ、果実を実らせる樹木にはなり得ない】。
▼ちょっぴり長い引用だったが、素直に美しい文章だと思う。2007年4月発行の「別冊・正論」の巻頭にある、極右のジャーナリスト桜井よしこの文章だ。
▼なぜこの文章が美しいと思ったか。それは自分の敵を見定め、一刀両断にする覚悟のようなものを感じるからだ。
▼この文章には「気高く、強く、美しい日本へ」というサブタイトルがついている。極右の思想には暴力の匂いが漂う。そして、それが極限の美という形で現れるが「軍隊」だ。
▼気高く、強く、美しい国にするには、世界一強い軍隊の存在は欠かせないというのが、桜井の主張なのだろう。
▼さらに天皇を戴く国であるというのも、その最大の条件であろう。桜井は帝国日本の女王的カリスマ性を、自ら発散しているようにみえる。
▼さて【美しい国へ】を上梓したのは、アベシンゾウだ。シンゾウはその中で、政治家には「戦う政治家」と「戦わない政治家」があると豪語し、自分は前者だとする。
▼軽蔑する「戦わない政治家」とは「あなたの言うことは正しい」と同調はするものの、決して批判の矢面に立とうとしない政治家だと切って捨てる。
▼さも潔よく聞こえる。だがシンゾウは「あなたの言うことは間違い」だとはっきり言うが「自分は間違っていない」と嘘ばかりついていた。
▼自分の都合の悪いことは、はぐらかし、答えないで逃げ回った。美しくも潔くもなかった“ふざけた政治家”だった。それを8年も政権に座らせた国民も、ふざけていたといわざるを得ない
▼だがシンゾウは、憲法改正へかなり多くの道筋をつけた。後に続くものはシンゾウを見習い、正面切って戦えば、悲願の憲法改正に近づくに違いない。
▼後継のスガとキシダは、傷口を自ら広げ、がむしゃらに戦うような玉ではない。そこで、女帝に目を付けたのかもしれない。キシダの次にタカイチサナエを待機させた。
▼戦後強くなったのは「女性」だ!。憲政史上初の女性総理は、なりふり構わず、憲法改正に踏み出すに違いない。そこが初の女性総理に付きまとう「きな臭さ」と「いやらしさ」のような気がする。
▼最近のタカイチサナエは「POW ER=権力」という、いやらしい匂いがする香水を、シンゾウからプレゼントされ、付け始めているような気がする。
▼右翼に属すると思われる女性政治家の顔を浮かべてみてほしい。やはり同じ香水をつけ、国会中に改憲のいやな匂いをまき散らしているように思える。
▼さてそのような香水が、世界にあるのだろうかと調べたら、ロシアに【赤いモスクワ】というのがあった。
▼ソビエト時代につくられ、日本語では【新しい夜明け】という意味だそうです。だが自民党が「赤い香水」をつけることはないだろう。
▼まさか、タカイチが共産党を抱き込んで、憲法改正を成し遂げるということは、いくら妄想でも妄想しきれないからだ。
▼ということで「自民党改憲草案」通りに事が運べば、我が国が【美しい国へ】などというのは、幻想にすぎないということが実証されるだろう。
美しい国は地上の楽園か
三等下
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