▼ この頃、様々な分野の人と話をしていて、微妙に話が噛みあわないことが多くなったのを実感する。話し終えた後の充実感が少ないのだ。その原因のトップは、加齢により私のキャパが狭まっているのは間違いない。でも、そればかりでもないような気がる。
▼ 朝日新聞の従軍慰安婦問題と福島原発事故の吉田調書に関する捏造問題。報道記者としての知識力や理解力、さらに本人の筆力などの問題は指摘されよう。人の話を聞いてそれを文章にするということは、話の内容の中から、伝えなければならないことを、正確に抽出して書くことだ。興味を引くように書くのはいいが、内容を曲解してまで、おこなってはならない。
▼ 今回の捏造事件は、記者としてしてはならないことの一線を越えてしまったようだ。しかし、この問題が、私たちに問いかけているのは、単に新聞報道の捏造だけだろうか。
※月影のいたらぬ里はなけれども眺むる人の心にぞ住む。 浄土宗開祖 法然上人。
▼ 従軍慰安婦問題は、政府の関与があったのか、なかったのかの問題ではない。軍隊があり戦争があったので起きた問題だ。そうでなければありえない問題だ。吉田調書の問題は、安心・安全だと国が推奨した原発が、生命を奪う存在だったことだ。本質から目をそらし、問題の結末を単なる捏造にしてしまうことが、もっとも悪質な捏造ではないか。
▼ 内閣法制懇の真っ当な解釈を押し切り、自分勝手な憲法解釈で集団的自衛権容認を閣議決定したアベ総理。彼こそ憲法の大捏造者ではないか。菅官房長官が、沖縄米軍基地の移転問題は解決済みで、知事選の争点にはならぬと発言したのも、沖縄県民の気持ちを無視した、立派な捏造だ。
▼ マスコミ各社は、現象のみ取り上げて、仲間内での共食いをし、自分たちの本来の役割を低下させようとしているのではないか。マスコミの役割は、真実の報道に在る。むしろ、国家の犯罪を追及し、国家による犯罪の要素を未然に防ぐことではないか。
▼国家による捏造を認めさせるのが「特定秘密保護法」だ。この法に関する運用基準を議論する有識者会議の議長が、読売新聞の渡辺恒雄会長だ。捏造会議の議長の間違いではないかと思えてしまう。
▼ 捏造報道の世界的見本が「大本営発表」である。朝日新聞の捏造問題を、そこにまで掘り下げるのがマスコミの本来の使命ではないか。この報道には、逆にマスコミのの命である、言論の自由を奪う、そんな策略が蠢いているのを危惧するからだ。
▼ 冒頭の私の悩みについて話を戻すが、今私は、大間原発問題で様々な人と話す機会が多い。原発稼動の最終目的は「原子爆弾の保有とそれによる地球の滅亡」だと私は考える。しかし多くの人は、そこまで考えるのは、原発反対のための、私の捏造だと思っているのではないか。
▼今我が国に欠けているのは、恒久平和への想像力と、それを希求する情熱のような気がする。街中で暮らしていると風潮に流されそうだが、田舎暮らしではその心配は少ない。だけど、判断力と理解力が鈍っていくのも実感するこの頃だ。
内閣法制局は文字通り内閣の一行政機関でしかありません
内閣の最高責任者たる総理が、内閣法制局の解釈を変えるのは何ら問題ではありません
逆に総理大臣の命令を聞かないようでは、それこそ内閣の命令を聞かなかった戦前の軍部の暴走と同じ構図となります
憲法解釈が違憲か合憲かを決めるのは内閣法制局ではなく、最高裁判所です
>むしろ、国家の犯罪を追及し、国家による犯罪の要素を未然に防ぐことではないか。
今回、朝日の誤報で一番追及されたのは、国家じゃなく現場を捨てて逃げたとされた東電の社員、つまり一般人です
>政府の関与があったのか、なかったのかの問題ではない。軍隊があり戦争があったので起きた問題だ
それなら日本だけじゃなく他の国にも言及すべきでしょう
軍があり、戦争があったのは日本だけではありません
そして慰安所は日本だけじゃなくドイツ・英国領インド・イタリアなども作っていましたし、朝鮮戦争では米国も作っていたといわれています
ベトナム戦争では韓国軍とベトナム女性との間による「広義の強制性」の結果、生まれた子供もたくさんいます
「軍隊と戦争による女性の性被害」なら、日本だけに特定するのはかえって問題を矮小化してしまいます
本当に女性の性被害を防ぐのなら、世界的視点で見なければならないと思います
日本人男性だけ特別に性犯罪を起こしやすい民族というのなら別ですが
「何を言いたかったか」にブレーキをかけたら、ブログを書く意味がありません。
津軽海峡にて「駆逐艦・椴法華」。