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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

縄文世界遺産と風力発電

2022年08月20日 09時02分07秒 | えいこう語る
▼函館市の縄文遺跡群が世界遺産になり、7月で1年を過ぎた。縄文の優位性は、「自然との共生」と「1万年近く争がない」ことだ。この二つは、現在世界が抱えている持続可能な社会の実現に、大きな示唆を与えてくれる。

▼遺跡が発見されたのは函館市の南茅部地区だが、隣の私の地域も、さらに函館空港一帯にも縄文土器は出土する。

▼つまり津軽海峡を隔て、北海道の玄関と呼ばれていた函館市全体が、世界遺産に指定されたという自覚を持たなければ、縄文遺産の価値を世界に発信することはできない。私はそう考えている。

▼私の家の庭にも、縄文土器の破片がたくさん出土する。今までちっぽけな田舎の漁村だと思っていたが、2021年から、世界遺産の地域になったことを誇りに思っている。

▼函館市民の多くがそのような考えを持てば、函館市の未来も開けてくるような気がする。だが、その気概を一向に感じられないのが、世界遺産登録1年後の今だ。

▼2004年の「平成の大合併」北海道第1号で、私の住む「椴法華村」と「恵山町」、「戸井町」そして縄文遺跡群のある「南茅部町」の1村3町が、函館市と市町村合併した。

▼そして昨年の世界縄文遺産登録だ。これは地域活性化のために大きな喜びだが、遺跡群が多い南茅部地区はじめ、周辺旧町村、さらに函館市全体の熱量を感じない。

▼そんな中で戸井地区周辺の山林に、高さ200メートルの巨大な風車、37基建設の大規模計画が出てきた。

▼場所のほとんどが北海道所有の道有林のようだ。北海道と函館市が許可すれば、建設は実行されそうな感じだ。予定地は函館市全体の10分の1ほどの巨大な面積だ。

▼早速、自然保護団体からの反対意見書が提出された。1・河川や動植物に悪影響がある。2・景観を損ねる。3・低周波による体調不良の懸念があるとの内容だ。

▼建設主体は、東京のユーラスエネジーホールディングスだ。豊田通商が全ての株を持っている。今年8月に東京電力が株主から降りたからだ。バックに東電がついていれば、国民に対するイメージが悪いということだろうか。

▼戦後まもなくアイゼンハワー米大統領の国連での演説「原子力の平和利用」で、原子力の発電に世界はシフトした。島国日本は50数基も建設し、そして福島県で事故を起こした。

▼次は「原発から自然エネルギーへの転換」と思いきや、原発も並行して稼働させるというのが政府の方針だ。

▼エネルギー問題は、持続可能な現代社会にはなくてはならない。ロシアのウクライナ侵攻で、その必要性を改めて感じさせられる。

▼もし函館市がこの風力発電の建設を認めれば、人々の生活は向上するが、自然環境は悪化するに違いない。さらに用地の大きさは風車の増設が可能だ。

▼真の持続可能な地球環境を維持するのは、やはり縄文センターを訪ね、国宝の中空土偶に問いただしてみようと思う。

▼3500年も南茅部地区の畑の中で、この函館の地の行く末を見守っていた中空土偶。この土偶なら、巨大な風力発電が、必要なのかそうでないかの判断を、示唆してくれるに違いない。

▼そうだ、土偶に合いに行き問いただしてみよう。そして、その近くにある“縄文露天風呂”で、現代文明という「大きな垢(あか)を、洗い流してこよう。

      中空土偶の弟子
             三頭下