函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

サクラマス釣り

2013年01月25日 16時50分32秒 | えいこう語る
想像していただきたい。北海道の1月の海を。
太平洋に大きく突き出た銚子岬、その先端は巨大な絶壁が異様な姿で突っ立っている。その沖合い200メートルほどが、サクラマスの通り道のようだ。
圧迫感を覚える断崖絶壁とは対照的に、北の方角には、馬の鞍に似た駒ケ岳が雪化粧して、晴れがましい姿を見せている。
風もなく波も小さく、絶好の釣り日和だ。
一昨日、一人で90匹も釣った人がいるというので、昨日初のサクラマス釣りに出かけたのだ。
朝出漁の時、妻には50匹釣ってくるぞと豪語したのだ。
ところが世の中そうはいかないという、典型的な日だった。
針を下ろし底についてから3メートルほど引き上げた所で釣るのだが、潮の流れが極端にきつく、針が浮き上がるので、釣りにならないのだ。
1時間もすると、周囲の船が見る見るうちに港へ引き返していく。
周囲に船の姿が見えない冬の海は、なんだか不気味だ。
そこにぴくぴくと竿の先端が動いた。
サクラマスの口は柔らかなので、針から外れやすいのでゆっくり引き上げる。
なんと「とどホッケ!」が1匹、海面に上がってきた。
この潮の流れでは釣りにならないというので、またの挑戦を約束し寄港となった。
途中、11月に種を付けた養殖昆布の施設を見回った。ロープには1メートルを越えて成長した昆布が順調に生育していた。この赤ちゃん昆布がとてもやわらかで美味しい。船頭さんが食べる分だけ引っこ抜いていいよという。
さっと湯通しすると鮮やかな緑色になる、刺身昆布だ。
ロープには透きとおった海苔が付着していた。それを口に入れると、海水の塩味とあいまってなんともいえぬ美味だ。日本酒がほしいなと思う。
極寒の北の海では、海苔も昆布も生き生きと生息している。
この海を原発の排水で汚してはならないと、あらためて心に誓う。
午前10時ごろの早い帰宅になった。


サクラマス50匹は、ホッケが1匹になってしまった。ホラ吹き男爵のように肩身が狭い。
昆布をゆで、ホッケは煮付けにした。活きが良すぎて身がはじける。
なんだか一杯飲みたくなった。
「朝から下着のままで飲むなんて、本当の漁師さんだね」と妻が笑う。
眠気が襲い、そのまま3時間ほど昼寝をしてしまった。
夢の中で、大きなサクラマスを何匹も釣っている夢を見た。
次回はきっと大漁間違いない。
津軽海峡の女王は、ブログに登場するのを、待ち焦がれているはずだから。